賢治にら

「あめにもまけずかぜにもまけず、ふゆのずんちゃんにもまけないオトコ、にらです」

らーちゃん、それじゃ言葉が足りないよ。

「ずんちゃんのつめたいしうちにもまけず、そんなオトコにぼくはなりたい」

上等です。

「こわいなんていわないぞ」

「たすけてなんていわないぞ」

「ぼくはつよくなるんだ」

「いつか悪い奴をやっつけるんだ！」

「ぼくはジャングルのおうになるんだ！」

らーちゃん、ライオンキングになるのー？

歌って踊れないと無理だよ。

「そーなんですか！？」

「それならきんぐカズになります」

そ、それは‥

前足でボールに触ると反則だから、やめといたほうが‥

「じゃあなんの王様になれますか？」

殿様キングスなんかが無難じゃない？

ちょうどおしっぽもばか殿だし！

「きいたことありませんが、それって強いですか？」

うん、うん、かつてはいろんな賞を総なめにしてたよ。

「ならそれでいいです、手を打ちます、だから・・・」

「おろしてくらさい・・・」

やーだよ、もう少しそこで修行しなさい。

「これいじょうはむりです・・・」

そうかな、もうだめだって思ったときにもうひとふんばりするんだよ。

「ふえ〜ん、おいていかないでー」

「あぶないところでしたー、おちるかとおもいましたー」

じたばたするからだよ、助けてあげたのだ・あ・れ？

「ずんちゃんです」

そうだと思った！

やさしい飼い主でよかったねー。

これからも仲良くしようねー。

「絶対にちがう気がする・・・」