新潟久紀ブログ版retrospective

燕市企画財政課8「行政改革推進委員会」編

●行政改革推進委員会

 平成28年6月末に初めての市の議会をなんとか無事に終えると、息つく間もなく有識者委員会の司会進行役をすることに。
 行政改革推進委員会というもので、大学教授や自治会や行政関係団体の役員、会社役員、行政書士、一般公募による10名の委員から、市の行政改革プランの内容や進捗状況等について審議していただき、合理的かつ効率的な市政の実現につなげようというものだ。
 行政改革プランは、「財政力の向上」「行政力の向上」「職員力の向上」の3つの基本方針ごとに具体的な実践内容や年次的スケジュールが個票として整理されている。委員会では、各々の項目を概括的に事務局から説明した後に、各委員が気になる事を質問したり、より良い取組となるように意見を出していくという形式で進められる。
 私は「司会進行役」と聞いていたので、施策や事業に関する細かい質疑等になれば、関係部署の担当が答えるものとばかり考えていた。しかし、開催日が迫り、設営について聞いていくと、基本的な応答は企画財政課長が一括して対応するのがこれまでのスタイルだという。司会進行をやりながら質疑にも対応するとはなんとも忙しそうだ。
 財政や行政の制度理解のための質問等であれば、これまでの県庁での財政課等の経験から対応できそうであるが、策定済みの行政改革プランを読んでいくと、ヒト・モノ・カネの経営資源を、より効果的で効率的に使うための「行政改革」の取組というより、どちらかというと政策的な事業の展開そのものを記載しているものも多々見受けられる。そうなると、赴任まもなく、当初予算査定で全庁網羅的に事業を見たわけでもない段階の私が、丁々発止で委員の質疑に応答するのは難儀しそうだ。
 それでも、委員会開催までに行政改革プランに掲載されている個別項目について関連の資料を見たり課員を通じて聞き取りをしたりと出来る限り質疑に応答できるように準備した。かくして、行政改革推進委員会は平成28年7月5日に、委員の集まりやすさを考慮した通例により勤務時間外の17:30から、市役所会議室にて開催された。
 事務局である課員から行政改革プランに掲げる各取組の進捗状況の説明を終えて質疑に入ると、案の定、細かい質疑が次々と出てきた。委員の住まい周辺での公的施設設備の不具合の苦情など、地元民でないと分からない話や指摘など出されると、さすがに私も手に負えず、苦しい抗弁に陥ることも。それでも、長く会長役を担っていただいている新潟大学教授(当時)の田村秀委員が議論を上手に噛み合うようにしてくれたり、同席している私の前任者かつ上司の企画財政部長が臨場感ある捕捉をしてくれたりで、冷や汗ものの1時間半を何とか終えることができた。
 県庁に勤めていると、住民生活の現場で直接展開する事業は市町村を介してということが多いので、知見は政策施策の構造や制度の理論などに偏りがちだ。若い頃に福祉事務所のケースワーカーという県職員としては珍しい住民と直接対応する業務を経験して得られたリアリティとか臨場感が思い起こされる。さらに予告なしで何を言い出されるかわからない会合にて、加えて住民への口答え的対応が禁忌の役所職員として、基本的に防戦姿勢で耐え続ける経験は、精神衛生的にどうかはともかく、心身の鍛えにはなりそうだ。とでも思いながら四半期毎に開催されるという行政改革推進委員会に対応していこうと決意する私なのであった。

(「燕市企画財政課8「行政改革推進委員会」編」終わり。県職員としては異例の職場となる燕市役所の企画財政課長への出向の回顧録「燕市企画財政課9「指定管理者選定等委員会」編」に続きます。)
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