新潟久紀ブログ版retrospective

新発田地域ふるわせ座談会29「剣龍峡と街なかの大学生(その1)」

●29剣龍峡と敬和大学[R6.7.5](その1)

 令和6年もグリーンシーズンたけなわ。コロナ禍明けで人流が活発化している折、人口の集中する首都圏から比較的容易なアクセスで多様なアウトドアが楽しめ、アフタープレイとなる温泉宿なども様々なグレードが存在している我が新潟県としては、より一層の戦略性をもって誘客策を展開していくべきだと考える。
 新潟県新発田市の中心市街地から南に4kmほどにある荒川地区の荒川川の上流の山あいに、その名も「剣龍峡(けんりゅうきょう)」という景勝地がある。それほど大きく広がるエリアではないが、二つの瀧と巨大な奇岩、これぞ清流という川筋とそれを深く囲むような樹木が織りなす景色は、コンパクトさ故に上質の日本画のようで、しかも動く芸術として堪能できて正に絶景と口を衝いて出るような”お宝フィールド”だ。
 その地の入口に公衆トイレがあるのだが、男女別堅牢な構造とは言え老朽化している上、このご時世に汲み取り式ということもあって、今時の若者の使用には中々耐えられない状況なのが、誘客を考える上で悩みの大きなタネの一つだった。
 このたび、新発田市と我が振興局で協力して水洗化リフォームが出来る事になったのだが、ただ綺麗になって良かったねで終わらせず、トイレ改修を一つの契機として、それなりの公金を投じた甲斐があったと思える程の誘客増に結びつくよう、知恵を出さねばなるまい。
 ”知る人ぞ知る秘境”といのは、来訪経験のある限られた人が問わず語らずじまいになりがちだし、その素晴らしさを知る地元住民も過疎化高齢化が進む中で、今風の若者に刺さるような情報発信などにはどうしても踏み出せないものだ。そうしたことで、折角近くに仕事や学業のために地域外から来ていたり、遠方に住んでいてもこの地の価値に共感してくれそうな人達から、訪れてもらえるような機会を逸しているのではないか。
 剣龍峡かいわいの山あいに暮らし、この地への誘客を願い取り組んできた地域住民と、街なかに暮らし、昨今の誘客の要となるSNSなどメディア活用にも長けた若者というように、普段はあまり接点を持ち得ない人達に集まってもらい、知恵を出し合うとともに、それを縁にして、例えば学生側にも社会貢献活動ということで学業の一環とできるなど、お互いにメリットを得合って連携が続く関係が生まれれば、正に”相乗効果”と”化学反応”となるだろう。
 そんな考えから「ふるわせ座談会」の第9回は、新発田市にある絶景の渓谷「剣龍峡」の誘客促進をテーマに、地元で活動する人や関係者と街なかにある敬和学園大学の学生さんに集まってもらいました。
 「片山卓哉」さんは、平成30年に荒川地域の隣の松岡集落の地域おこし協力隊員として赴任し、令和3年から荒川地域を含む松浦地区の「集落支援員」として市役所に所属して活動している。大阪生まれだからなのか語り口が楽しい。時間があれば新発田市にやって来た経緯などを面白おかしく聴かせてもらえそうだ。テーマの「剣龍峡」については、他所から来た者から見ても魅力的なスポットなのにあまり知られていないのは残念だという。加えて、国道から案内板に従って山道に入るも暫くは案内標示が無く、深い林の中を進む中でこの道で本当に良いのかと不安になると、よそ者目線でヒントを語ってくれた。
 「大沼豊」さんは、荒川地区の広報担当であり、NHKの契約記者としても活動されている。地区では平成30年に里山を活用した地域活性化事業実行委員会を立ち上げたという。会の発足2年目に地区のホームページを制作し情報発信を始めており、自然など魅力をPRしながら来訪者を増やしたいと考えている。さすがメディア記者というべきか、ホームページ掲載の写真は剣龍峡の動静の美しさがひしひしと伝わる見事なものだと思う。
 「宮崎光夫」さんは、荒川地区地域活性化事業実行委員会に関わり、新発田市議会議員でもいらっしゃる。剣龍峡の魅力を知ってもらいたく、紅葉の美しい秋に登山とウォーキングのイベントを市や県と一緒にここ数年行ってきたという。昨年はクマの出没により、イベントは残念ながら中止となった。
 かつては剣龍峡から車で10分程の近くにある全国的にも有名な月岡温泉のお客をターゲットに誘客を画策したが、客層の志向が必ずしも合わないことなどもあってしっかりした継続的な取組に育たず、立ち消えになった経緯があるという。それも教訓に地域外の若者から新たな視点やアイデアが得られそうだと駆けつけてくださった。
 「澁谷ゆかり」さんには新発田市役所の市民まちづくり支援課からお越しいただいた。令和6年4月から現職で、その前は移住定住促進に関わる業務を3年間担当していたという。ご自身も県外出身者であられるということで他県や首都圏といった外から人を呼び込むにはという視点で頼りになりそうだ。
 荒川地区がイベントを開催して地区を盛り上げようとしているのは承知していたが、もともと新発田市育ちではないので「剣龍峡」への馴染みはそれほどでもなさそう。情報発信に努めるなどして、剣龍峡に繰り返し来てもらえるような仕組みづくりが大切だと考えているとのことだ。

(「新発田地域ふるわせ座談会29「剣龍峡と街なかの大学生(その1)」」終わり。続きは近く掲載します。)
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「活かすぜ羽越本線100年」をスピンオフ(?)で連載始めました。

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