中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

中国方便麺(インスタントラーメン)は減少傾向に

2018年01月10日 | 中国事情

12月中旬頃中国の幾つかのメディアでは、中国では生活の変化と共に方便麺(インスタントラーメン)の消費量が減りつつあるとの記事を載せています。

中国語版のBBC(2017年12月20日)に拠れば、2013年度には、中国(注:香港を含む)でのインスタントラーメンの消費量は422億食だったのが、2016年度には385億食にまで減り、率にして約17%も減ったとの事です。この様に中国で大幅にインスタントラーメンの消費量が減った理由についていろいろと興味深い分析をしています。

その2017年12月20日付けのBBCの記事では、この様に方便麺の消費量が減った事を通して中国社会の変化が伺えるとしています。この記事に拠れば、方便麺の消費が大幅に減った理由として、生活が豊かになるに連れて消費者がより良い食べ物を望むようになった事が大きいとしています。消費者の傾向が、単にお腹を満たせば良いと云う様な傾向から、より美味しい物を食べたいと云う様に消費者の志向が変化している事が方便麺の消費量が減った理由の一つに挙げられるとしています。

更には、所謂農民工と呼ばれる出稼ぎ労働者が減っている事が原因として挙げられるとの事です。と云うのも安いインスタントラーメンは農民工と呼ばれる人が良く食べる物の一つだからとの事です。農民工の多くは、自炊が出来ない様な環境に住んでいる事、出来るだけ節約して故郷へお金を持って帰りたと云う様な理由で、食費を極力節約するため農民工(出稼ぎ労働者)の間では、方便麺は良く食べられているが、その農民工の数は近年減少傾向にあるので方便麺の消費量も減ったと分析しています。

但し、私としてはこの説明にはやや納得がいきません。と云うのもインスタントラーメンでは、建設現場などで厳しい肉体労働を強いられる農民工の腹を満たすことが出来るかどうか疑問だからです。私が先月偶々訪れた某県の農貿市場の食堂では、昼時にそこの食堂で食事をする多くの農民工の人を見かけましたが、一食10元でご飯も食べ放題、オカズも食べ放題でした。私も当然食べましたが、味の点、量の面でも全く問題はありませんでした。

大理古城内にも一食10元程度でご飯も食べ放題の食堂がありますが、昼時は建設現場や道路工事で働く所謂農民工として数えられる様な人達で一杯になります。ここの食堂は、オカズは自分で食べたい物を選び、店員がオカズを装いますが、ご飯は食べ放題で、安ければ6 7元高くても12元程で一食が食べられますので、食事時は食事をする人達で溢れています。

インスタントラーメンとは云え、カップラーメンは中国では安いもので4元位で高い物では6元程しますから、一食10元程度で食べられるとすれば、それ程高いとは云えない様にも思いますが、、、。袋入りのインスタントラーメンは安くて、一袋2元から4元程です。無論北上広と呼ばれる様な一線級の都市で働く農民工は、生活費も高いので大変とは、思いますがどの都市でも、所謂農民工と呼ばれる人達を顧客にする安い食堂や屋台等もあるので、私としてはこの説明は些か納得しかねます。

第三の理由として上げられているのが旅行環境の変化です。これは外部の人には分かり難いかもしれませんが、以前は中国では旅行の際には、列車で2,3日かかる事も珍しい事ではなく、その際の列車上での食事は三食とも方便麺と云う様な事が極普通だったが、動車(時速200キロ)や高鉄(時速300キロ乃至350キロ)が走る様になり、また、汽車の電化も進んで速度も早くなり列車の中で費やす時間が減り、それに伴い方便麺の消費も減ったと云うものです。

この説明は、私としても納得がいきます。列車で移動する人の多くは 方便麺を食べる人が圧倒的に多い様に思います。列車内でも、弁当(中国語では盒饭)も売りに来るのですが、一個20元と高いです。また、美味しいとは云えません。日本の様に駅で弁当を売っている事は少なく、売っていても15元から20元と一般の中国人にとっては高く感じられます。列車には、食堂もありますが、こちらは一食40元と大変に高い上、不味いです。従って旅行する多くの人は列車での食事は方便麺で済ませる人が圧倒的に多い事になります。

先月上海から昆明市迄列車で移動したのですが、寝台車に乗る人達の大部分は矢張り方便麺を食べていました。弁当も売りに来るのですが、弁当を買う人は一割多くても二割程と思います。これが寝台列車でない場合には、弁当を買う人は殆ど居らず、列車での食事は方便麺と思います。

 

 列車では、カップ麵で食事を済ませる人が圧倒的に多い。


寝台車に乗る人は、中国ではそれなりに収入もある様な人も多いのですが、矢張り列車の中での食事は、毎回カップ麺と云う人が圧倒的に多い。

また、生活が豊かになるに連れて、列車で移動する人が減り、飛行機や新幹線(注:中国語では高鉄、動車)を利用する人が増えたので、移動中に食事を摂る回数も減り、それで方便麺の消費が減ったしています。この点は、私としても納得いきます。例えば、雲南省昆明市から上海市迄、高鉄と呼ばれる高速鉄道が開通したのですが、料金は飛行機代とたいして変わりません。時期によりますが、普通列車の料金と比べても飛行機代の方が安い場合も多く、そう云う意味では列車で移動する人が減っりつつあると云えるかも知れません。

中国では一時期方便麺は、学生の間食だったり、列車で食べる物だったり、お腹が空いた時に、取り合えづ飢えを満たす物だったが生活が豊かになるに連れ、方便麺の消費が減ったとの説明には納得がいきます。 

また、別な中国のメディアでは、最近傾向として、スマホの普及により、携帯で出前を頼む人が増え、昼時や残業時に方便麺を食べる人が減ったのではないかとしていますが、このBBCの記事はなかなか面白い記事となっています。

数年前に、中国のネット上では、方便麺を良く食べるのは不健康である、体に良くないとの記事が結構載せられた記憶がありますが、私としてはこの影響も大きかった様に思います。


三桶で10元ですから、かなり安いです。このタイプの物は、一個4元から6元程。一個では無く、量詞が桶になっています。


超市(スーパー)に並ぶ方便麺の数々。4元から6元位の物が主流ですが、中には一個8元と云うのもあり。


こちらは袋入りの物で、一個2元から4元。

 

韓国製のカップラーメンも辛い物が人気の様です。韓国では依然カップラーメンの消費が増えているとの事です。5個入り28元ですからやや高い部類。



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