中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

巻粉と云う食べ物

2019年08月07日 | 少数民族の食べ物

中国の貴州省や雲南省の各地には、「巻粉」と云う食べ物があります。この食べ物も米を原料とした、云わば米の加工品の一種ですので、古くから米を主食とする中国の各地域に多く見られる食べ物の様です。

私は、この「巻粉」と云う食べ物を初めて中国で食べたのは貴州省の黔東南苗族トン族自治州の凱里市の榕江県です。その後矢張り貴州省安順市等の地域にも同じ食べ物がある事を知りました。この「巻粉」は、貴州省貴陽市等でも良く見かける食べ物ですが、中国語では、所謂「小吃」と呼ばれる種類の食べ物です。

雲南省各地でも、この「巻粉」と云う食べ物は良く見かける食べ物で、今私が滞在中の大理自治州は無論の事、紅河自治州の河口県等雲南省各地でも良く見かけます。特に、河口県は越南(ベトナム)と国境を接している事もあり、「越南巻粉」として良く知られている様です。ベトナムの所謂「生春巻き」と同じ種類の食べ物です。

巻粉は、米を一晩程水に浸けその後、機械で磨り潰しドロドロにして、その後型に入れ、熱を加え熱した物を基に、その上に色々具を乗せて、それを巻いて食べる食べ物です。(注:その昔は石臼で挽いていた様で、今では石臼も見られなくなりましたが、以前はどの農家にも石臼は在った様です。以前は、それを使い豆腐を作ったり、米を引いて米線等を作った様です。)

「巻粉」と云う食べ物は、中国で米粉と呼ばれる食べ物と基本的には同じですが、米粉の場合は、この蒸しあげた物を面条に切って、湯粉としたり、冷たい米粉にタレ掛けて食べたり、或いは炒めて食べます、「巻粉」はこれを基にして、その中に豚のソボロやモヤシ、ニンジンの細切り等入れて巻いて食べる物です。

改めて思うことは、中国は国土が広い事や多くの少数民族も住む事、歴史も古いので実に沢山の種類の食べ物があると云う事です。日本では、米は基本的には、煮るか、蒸して食べるか、モチにして食べる程度だと思いますが、中国では、コメの加工品も実に様々な物があると云う事です。

中国には、所謂ご飯、お強、餅、お粥の類以外にも、コメを原料にした麺状の米線、米粉、アル塊等がありますが、「巻粉」の様な食べ方も、日本には無い様に思います。


米を一晩程水に浸け、その後機械等でドロドロに擂り潰し、型に入れその後に熱を通す。これを細切りにすると米粉が出来るが、巻粉の場合はこれに具を載せて巻いて食べる。かなり薄いです。これは何枚も載せてあります。

 

「米粉」の場合は、これを短冊に切り、湯粉や冷たいタレを掛けたり、炒めて食べますが、巻粉の場合は、これをこれにタレを付け、茹でたモヤシやニラ、ニンジン等を載せて巻く。それで「巻粉」と呼ぶ様です。(注:juan fenと発音する)

 

この様に丸い形の物もあり。地域に拠り、タレに特色がありいろいろなタレをつける。一度熱を通してあるのでこのままで食べられる。

 

この様に肉のソボロを入れる物もある。場所に拠り、蒸した鶏肉等も入れて巻く物もある。

 

この様に巻いていく。


地域に拠りタレに特色がある。先ずタレを付け、その後具を入れて巻く。それで巻粉と呼ぶ様です。

 

巻いたもの切ってくれる。出来上がりはこの様になる。私が今滞在中の大理には、この巻粉を専門に商う屋台もあります。


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