中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

13歳の少年が希望の大学に不合格で家出

2013年08月23日 | 中国の大学

23日付の南都報(電子版)によれば、安徽省の13歳の少年が、希望していた大学へ入学出来なかった為に家出したそうです。

「南都報」に拠ると、その13歳の少年は、何と今から3年前、10歳の時に初めて「高考」を受験したそうです。その「高考」も今年で3回目となり、今年の「高考」の点数は394点で、この点数は所謂「三本院学」にランクされている大学への合格ラインを7点を超えているので、本人が希望すれば、「三本院学」の大学へは入学が出来たそうです。しかし、元々この少年が入学を志望していた4校の大学へ入学するには点数が足らない事もあり、この少年は今年は入学の手続きをしなかったそうです。

親は、この子供に対して「復読」をするように促し、来年も「高考」に再々挑戦する様に子供に勧めたそうですが、子供は「復読」すると「復読費」が、年間7000元と大変に高いこともあり親に、これ以上の負担を掛けたくないと、書置きを残して、この少年は家出をしたそうです。当然親は子供の行方をいろいろと捜したものの、未だに子供が見つからない為に、親が警察に届け出たとの事。それで、その通報を受けた警察では、今子供の行方を捜査中の事です。

また、8月20日の燕趙都市報(電子版)に拠れば、ある女子高校生は今年の「高考」の得点が、所謂「二本院学」へ入学する得点には達したものの、「一本院学」の大学にどうしても入学したいので「復読」する事にしたそうです。この生徒の家は、左程裕福ではない事もあり、希望に沿わない「二本院学」に入学して、親の負担を減らすべきか本人も大いに迷ったそうですが、やはり希望する「一本院学」の大学に是非入りたいと「復読」をする決心をしたとの事。

この事を燕趙都市報で読んだある読者は、毎月600元の給料の中から、毎月500元をこの女子高校生に援助すると申し出たそうです。援助を申し出た男性は、消防署員で(注:中国では、消防組織は「武警」という武装警察に所属)、部隊に入って二年目だそうで、部隊で生活しているので、食費、住居費は必要ないので残り100元でも何とか生活できると話しているそうです。

出身大学により就職の際に、差別するのは中国でも禁止されているものの、実態は企業により就職の際には「一本」ないしは「二本」以上の大学を卒業した者のみ募集を受け付けると明示する企業も多いとの事。そういう背景もあり「一本」は人気も高いようです。「三本」は授業料等も高いようで、「一本」「二本」にランクされる大学の年間の授業料が4000元から5000元位なのに対して「三本」は、授業料が1万元位の大学も多いとの事です。また、「三本」にランクされる大学には私立大学が多いとも言われているようです。

「復読」とは言わば留年のような制度のようです。その費用も「高考」の点数が低いと高くなるようで、家出中の少年の場合は年間の授業料が7000元との事ですが、通常はこの程度の点数だと年間一万元位かかるようです。「復読」も同じ高校で引き続き留年する場合と、別のレベルの高い高校へ転校して、3年生をやり直し、再度「高考」に挑戦する場合があるようです。

中国では、大学は一般に「一本」「二本」「三本」と三段階にランク付されるようです。現在は中国では「一本」の中でも特に211工程と呼ばれる重点大学にランクされている大学が100校あったと思います。「高考」もある中で、「自考」と言う制度もある等中国の大学制度は、とても分かり難いです。中国では一般に大学への進学率は「毛入学率」という言葉で表現しますが、この言葉も良く分かりません。

例えば貴州省、雲南省、河南省等の多くの省には、210工程の重点大学にランクされる大学はそれぞれ貴州大学、雲南大学、鄭州大学のように僅か一校づづしかありません。北京市にはこの211工程重点大学に属する大学が23校、上海市には9校、江蘇省には11校、広東省には4校と、この2市、2省だけで全体の47校と100校の「211工程重点大学」の内の約半分近くを占める事になります。当然この地域には「二本」にランクされる大学も多い訳ですから、北京市や上海市に住む人は(戸籍を持って住んでいる人)、大学への進学も他の地域に比べれば、比較的簡単です。ですから当然、これらの地域では大学への毛入学率(進学率)も、他の地域に比べ当然高いようです。(注:戸籍がある地域で大学は受験しなければならない。北京で住んでいても戸籍が無ければ北京では受験出来ない。) 因みに、中国の高等教育段階での2010年度における毛入学率は26.5%で、中国教育部では、2015年度には毛入学率を36%に迄にする計画との事。(2011年03月29日の人民網による)

河南省は人口が約一億人で、「一本」にランクされる大学が一校のみ、北京では、北京の戸籍のある人口は多く見ても約800万人位と考えるといかに北京、上海等の地域では大学へ入り易いかが分かります。また、北京などの多く大学では、その学生の半数は北京の戸籍を持つもので占められるようです。同様に上海の多くの大学では、全学生のその約半分は上海の戸籍を持つ学生が占めるようです。それは貴州大学等も同じで、貴州省の戸籍を持つものが優先されます。

 



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