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日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

7月24日付の北京共同のニュースには問題が

2017年07月25日 | 中国事情

7月24日付で共同通信が「中国共産党中央規律検査委員会は24日、重慶市トップの市党委員会書記を15日に解任された孫政才氏(53)=党政治局員=に重大な規律違反の疑いがあるとして、調査し立件することを決定したと発表した。」との記事を載せましたが、これは正しいとは云えない様です。

云うまでもない事ですが、中国共産党の最高意思決定機関は中国共産党党中央委員会です。この共同通信の記事を見ると「中国共産党中央規律検査委員会」が「孫政才氏(53)=党政治局員=に重大な規律違反の疑いがあるとして、調査し立件することを決定した」とありますが、この様な権限は、そもそも中国共産党中央規律検査委員会にはありません。党中央の決定を受けて、「中国共産党中央規律検査委員会」が党員の規律違反について取り調べを行い、立件するのです。

中国語のサイトを検索すると、今回の孙政才氏の件に関しては、「新华社北京7月24日电  鉴于孙政才同志涉嫌严重违纪,中共中央决定,由中共中央纪律检查委员会对其立案审查。」とあります。中国では、今回の件に関しては、これだけの報道しかありません。

共同通信の記者も、この記事を元ネタにしたと思いますが、この記事をよく読めば、「孙政才同志が重大な規律違反をした事に鑑み、中共中央は、中共中央纪律检查委员会にこの件での調査、立件する様に指示」したとあります。決めたのは、中共中央であり、中共中央纪律检查委员会ではありません。また、これは決まり文句の様な物で、党員が重大な規律違反を犯し、調査、取り調べを受ける場合には必ず使われる文言です。中共中央規律委員会で彼が取り調べを受ける事は、彼が完全に失脚した事を意味し、全ての党の役職を解任され、党籍もはく奪されると思われます。

中国では、党員が何らかの違法行為をした場合、先ず党規律委員会で審査をうけ、その結果、党に関わる全ての役職の解任、政府関係の役職の解任、党籍はく奪等の処分を受け、その後、司法当局で審査を受けます。党規律委員会は省、市、県、郷の党委員会の内にもあります。大学内の党委員会の中にも党規律委員会、党組織部、党宣伝部等の各組織があります。党員が違法行為をした際には、先ず党規律委員会で取り調べを受け、党規則に基づいて処分を受け、その後司法の場で、裁きを受けるのです。この点は他の国とは決定的に違う点でもあります。

私が、見た限りでは東京新聞や琉球新報もこの北京共同のニュースをそのまま配信してますが、この記事には、中国語を訳す上でも間違いがあると思われますし、中国共産党の組織に関しての認識についても誤りもあります。東京新聞や琉球新報も、この共同通信の記事は可笑しいとは思わなかったのでしょうか。私としては、些か気になりました。

当然ですが、他の新聞では、中国共産党中央が、調査するように決定したと伝えています。

 



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