
Philip K. Dick "Dr. Futurity"
佐藤龍雄◎訳
Cover Illustration 瀬戸羽方
(創元SF文庫 SFテ1 19)
医師パーソンズは突如として25世紀の北米へ時間移行した。そこでは人種の混交が進み、全員が混合言語を話し、複数の部族に分かれて生活している。人間の平均寿命は15歳、さらに医療行為が重大な罪とされていた。この悪夢社会を変えようとする一派の活動に巻き込まれたパーソンズは、さらに幾度もの時間航行に連れ出され、重要な役割を果たすことに。時間SFの秀作、本邦初訳!
最近、全く本屋さんに寄ってないのでこの本が出ていることを知りませんでした。出版社からの~作とかいう文言はたいてい割増し表現になっているので、ここでも秀作というのはあえて無視しますが、腐ってもディックです(笑) なので主人公パーソンズ医師は中年ながら例によって何に突き動かされるのかバイタリティ溢れています。本編272頁とディックにしては割と短めの長編。これで未訳SF長編はあと3編になったんだとか。この本もそのカタログ番号から創元SF文庫での19冊目のディック(もっとも裏表紙のそでを見ると現在新品で入手可能なのは『最後から二番目の真実』と『去年を待ちながら』『死の迷宮』『ヴァリス』『ドクター・ブラッドマネー』の5冊のみみたいですが)。自分も含めてやっぱりディックの本を待ち望むファンって多いんですね。