2008年の最初の和菓子屋訪問は、お気に入りの店「喜久月」から。ショップデータはすでに去年、アップしてあるので(文末参考)、まずは正月の生菓子を紹介しますね。

菓銘は「梅」。江戸なお味のシャキットした生菓子です。

菓銘「昆布巻」。これはなかなか変わっているお菓子です。昆布と思いきや、実は薄切りの羊羹なのですねー。中には漉し餡。正月ならではのかわり菓子。

菓銘「古露柿」。このタイプの生菓子はほかの店にもあるけど、歯切れのよさが「喜久月」ならでは。

菓銘「うぐいす」。定番菓子ですが、やっぱりこの店ならではのさっくり食感は面白いです。ねちーーっとのびず、さっくり歯ごたえ。もちろん柔らかいのだけど。
そんなわけで、また通っちゃうだろうなぁ。
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以下は2007年6月6日にアップした文章です。
すっかりおさぼりしちゃったけど、和菓子屋めぐりは着々と実行中。手持ちネタが増えてしょうがないです。
さてと。今回はだいだいだい好きなお店のルポです。場所は根津駅から徒歩6分ほど。東京芸術大学の裏手という感じのロケーションにある「喜久月」。お江戸の和菓子の味を知りたい人なら、絶対に行かなくちゃ!

言問通りに面した店舗は東京大空襲でも焼けなかった年代物です。左側が店舗、右側にはお茶をいただけるテーブル席が少々在ります。

娘たちを連れて、わさわさ買い物に参上。

小さなガラスのショーケースがひとつあるだけの昔ながらの店構えで、さりげなく神棚があったりして。店に飾ってある絵画は店主の青山信雄さんが収集しているもの。青山さんは御年85歳だけれど、それはちゃきちゃきした江戸っ子職人さんで、和菓子を語らせると面白いことこの上ない。現在は2人の息子さんたちが作業の実際をやって、青山さんは厳しい味チェックで「喜久月」の和菓子を守っているそうです。
さて、さっそく和菓子を並べてみましょうね。

「山吹」。毛篩で細かく押し出したきんとんが綺麗。

「君時雨」。焼き色がきれいな上に香ばしい。

「若楓」。 上生菓子のお手本。さっくりした歯触りが麗しい。

「若鮎」。これは鮎のかわいい意匠がすてき。

「清流」。琥珀と羊羹の部分のさっくりした感触が完全に一致しているのには驚きます。

「柏餅」。中は漉し餡で、この一種類しかないけどぜひに食べたいひと品。というのも...理由は以下の青山さんから直接うかがったお話しで納得してくださいませ。
「柏餅の皮(餅)は二回蒸さないといけないのよ。昔通り、がったんこがったんこと搗くでしょ。搗いたら人肌の熱さにして葛粉を入れてよく揉んで、柏餅にこしらえて蒸籠に入れる。ふかすと葛が透明な葛に帰る。その時、カニみたいにぷくぷくと柏餅全体が吹くんですよ。と、パーッと泡を消して、もう一回ふかす。三回やったらできる。搗いたしんこの中に混ぜた葛がもとの透明なくずになるでしょ。で、ぴかっと光った。葛はしこしこするでしょ。しんこはねとりねとり。しこしこねとりねとり。だから食べてちょうどいい。これが本当の日本の味なんですよ」
この話を聞いたら、もうこれは「喜久月」の柏餅を食べずに和菓子は語れない。そんなわけで食べました。しこしことねとりねとりが合体して、しゃきっと、あるいはさくっと。これが江戸っ子な歯切れ良さで。我が口と舌よ。しっかり覚えておけ。

最後に「喜久月」の看板菓子、「柚子餅」と「青梅」を。

梅そっくりなんだけど、外側は抹茶いり求肥。中は京の白味噌と砂糖を入れて煉り上げた白餡。美味爛漫。

こちらが柚子餅。柚子も青山さんのお眼鏡にかなったものを一年分、まとめて仕入れているらしいです。柔らかさに香りの瞬間を閉じこめる。そんな菓子の文化なのだなぁ。
嬉しくて書きすぎちゃいました。店舗詳細情報はここ↓に書いたものがありますから(私が書いたのですww)、ぜひごらんくださいな。
喜久月
東京都台東区谷中6-1-3
03-3821-4192
9:00~18:00
火曜休
地下鉄千代田線根津駅より徒歩6分
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菓銘は「梅」。江戸なお味のシャキットした生菓子です。

菓銘「昆布巻」。これはなかなか変わっているお菓子です。昆布と思いきや、実は薄切りの羊羹なのですねー。中には漉し餡。正月ならではのかわり菓子。

菓銘「古露柿」。このタイプの生菓子はほかの店にもあるけど、歯切れのよさが「喜久月」ならでは。

菓銘「うぐいす」。定番菓子ですが、やっぱりこの店ならではのさっくり食感は面白いです。ねちーーっとのびず、さっくり歯ごたえ。もちろん柔らかいのだけど。
そんなわけで、また通っちゃうだろうなぁ。
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以下は2007年6月6日にアップした文章です。
すっかりおさぼりしちゃったけど、和菓子屋めぐりは着々と実行中。手持ちネタが増えてしょうがないです。
さてと。今回はだいだいだい好きなお店のルポです。場所は根津駅から徒歩6分ほど。東京芸術大学の裏手という感じのロケーションにある「喜久月」。お江戸の和菓子の味を知りたい人なら、絶対に行かなくちゃ!

言問通りに面した店舗は東京大空襲でも焼けなかった年代物です。左側が店舗、右側にはお茶をいただけるテーブル席が少々在ります。

娘たちを連れて、わさわさ買い物に参上。

小さなガラスのショーケースがひとつあるだけの昔ながらの店構えで、さりげなく神棚があったりして。店に飾ってある絵画は店主の青山信雄さんが収集しているもの。青山さんは御年85歳だけれど、それはちゃきちゃきした江戸っ子職人さんで、和菓子を語らせると面白いことこの上ない。現在は2人の息子さんたちが作業の実際をやって、青山さんは厳しい味チェックで「喜久月」の和菓子を守っているそうです。
さて、さっそく和菓子を並べてみましょうね。

「山吹」。毛篩で細かく押し出したきんとんが綺麗。

「君時雨」。焼き色がきれいな上に香ばしい。

「若楓」。 上生菓子のお手本。さっくりした歯触りが麗しい。

「若鮎」。これは鮎のかわいい意匠がすてき。

「清流」。琥珀と羊羹の部分のさっくりした感触が完全に一致しているのには驚きます。

「柏餅」。中は漉し餡で、この一種類しかないけどぜひに食べたいひと品。というのも...理由は以下の青山さんから直接うかがったお話しで納得してくださいませ。
「柏餅の皮(餅)は二回蒸さないといけないのよ。昔通り、がったんこがったんこと搗くでしょ。搗いたら人肌の熱さにして葛粉を入れてよく揉んで、柏餅にこしらえて蒸籠に入れる。ふかすと葛が透明な葛に帰る。その時、カニみたいにぷくぷくと柏餅全体が吹くんですよ。と、パーッと泡を消して、もう一回ふかす。三回やったらできる。搗いたしんこの中に混ぜた葛がもとの透明なくずになるでしょ。で、ぴかっと光った。葛はしこしこするでしょ。しんこはねとりねとり。しこしこねとりねとり。だから食べてちょうどいい。これが本当の日本の味なんですよ」
この話を聞いたら、もうこれは「喜久月」の柏餅を食べずに和菓子は語れない。そんなわけで食べました。しこしことねとりねとりが合体して、しゃきっと、あるいはさくっと。これが江戸っ子な歯切れ良さで。我が口と舌よ。しっかり覚えておけ。

最後に「喜久月」の看板菓子、「柚子餅」と「青梅」を。

梅そっくりなんだけど、外側は抹茶いり求肥。中は京の白味噌と砂糖を入れて煉り上げた白餡。美味爛漫。

こちらが柚子餅。柚子も青山さんのお眼鏡にかなったものを一年分、まとめて仕入れているらしいです。柔らかさに香りの瞬間を閉じこめる。そんな菓子の文化なのだなぁ。
嬉しくて書きすぎちゃいました。店舗詳細情報はここ↓に書いたものがありますから(私が書いたのですww)、ぜひごらんくださいな。
喜久月
東京都台東区谷中6-1-3
03-3821-4192
9:00~18:00
火曜休
地下鉄千代田線根津駅より徒歩6分
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