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CyberChaos(さいばかおす)

プログラミング言語、トランスパイラ、RPA、ChatGPT、データマイニング、リバースエンジニアリングのための忘備録

劔とOracle RAC、cockroach DBのうち、最も優れたものはどれか?

2025-04-07 07:24:10 | SQL
劔とOracle RAC、cockroach DBのうち、最も優れているものはどれか?また銀行のような高いセキュリティと耐高負荷性能を求められる場合はどれが最もふさわしいか?

### **1. 各データベースの特徴と比較**
#### **(1)劔(Tsurugi)**
- **強み**
- **超低レイテンシ・高スループット**:NTTデータが開発した高性能トランザクションエンジン。OLTPワークロードに最適化。
- **ACID保証**:分散環境でも強い一貫性を維持。
- **研究開発段階の先進性**:将来性があるが、エンタープライズサポートは未成熟。

- **弱み**
- **マルチクラウド/地理分散**:現状ではCockroachDBのような自動シャーディングやグローバル分散に弱い。
- **実績不足**:金融機関での大規模採用事例が少ない。

#### **(2)Oracle RAC(Real Application Clusters)**
- **強み**
- **エンタープライズ向け成熟度**:銀行を含む金融業界で長年の実績あり。
- **高い可用性**:ノード障害時も透過的なフェイルオーバーを提供。
- **セキュリティ機能**:監査、暗号化、細かいアクセス制御が充実。

- **弱み**
- **コスト**:ライセンス費用が非常に高額。
- **スケーラビリティ**:垂直スケーリングが主流で、地理分散には不向き。
- **ベンダーロックイン**:Oracleクラウド以外での運用効率が低下。

#### **(3)CockroachDB**
- **強み**
- **マルチクラウド/地理分散**:データを自動的にシャーディングし、リージョン間で一貫性を保つ。
- **水平スケーリング**:ノード追加で線形に性能向上。
- **オープンソース基盤**:ベンダーロックインが少ない。

- **弱み**
- **書き込みレイテンシ**:強い一貫性を保つため、地理分散環境では遅延が発生。
- **金融向け実績**:Oracleほどではないが、近年採用事例が増加(米国FinTechなど)。

---

### **2. 「最も優れている」システムの選定基準**
#### **比較軸ごとの勝者**
| 評価軸 | 優位なシステム | 理由 |
|-----------------------|----------------------|----------------------------------------------------------------------|
| **トランザクション性能** | 劔(Tsurugi) | 超低レイテンシかつ高スループットなOLTP処理に特化。 |
| **マルチクラウド分散** | CockroachDB | 自動シャーディングとマルチリージョン対応が組み込み。 |
| **エンタープライズ実績** | Oracle RAC | 金融業界で圧倒的な採用実績とサポート体制。 |
| **コスト効率** | CockroachDB | オープンコアモデルでOracleよりライセンス費用が安い。 |
| **将来性** | 劔(Tsurugi) | 研究開発が活発で、日本の技術スタックとしてのポテンシャルあり。 |

#### **総合評価**
- **「最も優れている」は存在せず、ユースケース依存**です。
- **単一データセンター内での高性能処理** → **劔(Tsurugi)**
- **グローバル分散とスケーラビリティ** → **CockroachDB**
- **既存金融システムの保守とセキュリティ** → **Oracle RAC**

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### **3. 銀行システムへの適用性**
#### **要件:高いセキュリティ + 耐高負荷性能**
- **Oracle RACが最適な場合**
- **既存の銀行基幹システム**で、規制対応(PCI DSS、SOXなど)が必須の環境。
- 24/365の可用性と、Oracleのエンタープライズサポートを優先する場合。

- **CockroachDBが適する場合**
- **新規FinTechサービス**で、マルチクラウド展開や水平スケーリングが必要な場合。
- オープンソース活用でコスト削減を図りつつ、分散耐障害性を求めるとき。

- **劔(Tsurugi)の可能性**
- **国内銀行の次世代基盤**として、NTTデータと連携したカスタム開発が可能な場合。
- 単一リージョン内で超高性能なトランザクション処理(例:証券取引)を求めるとき。

#### **懸念点**
- **劔**:セキュリティ認証(Common Criteriaなど)の取得状況要確認。
- **CockroachDB**:地理分散によるレイテンシ増加が許容できるか。
- **Oracle RAC**:クラウドネイティブ時代の柔軟性欠如。

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### **4. 結論**
#### **銀行システム向けの推奨**
1. **現行システムの延長(保守・規制対応優先)** → **Oracle RAC**
2. **新規クラウドネイティブ基盤(分散性・コスト削減)** → **CockroachDB**
3. **国内技術スタックによる高性能化(将来投資)** → **劔(Tsurugi)+周辺保証体制の構築**

**最もバランスが良い選択はCockroachDB**ですが、**既存の金融機関ではOracle RACの採用が依然として主流**です。
**劔は日本の技術力として注目**ですが、エンタープライズ導入にはさらなる実績蓄積が必要です。


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