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残業した決定的な証拠が無いまたは残業した証拠を認められずに敗訴した例

2025-04-09 08:23:29 | 法律
残業代請求訴訟に於いて労働者側が残業を行った証拠を認められずまたは残業を行った決定的な証拠が無くて敗訴した判例を挙げて。

残業代請求訴訟において、労働者側が残業の証拠を十分に提出できず、または決定的な証拠がなく敗訴した判例は複数存在します。以下に代表的な判例を挙げます。

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### **1. 東京地判平成27年3月12日(労判1188号38頁)**
- **概要**:
労働者が時間外労働の存在を主張したが、会社側は「残業は事前申請制であり、申請記録がなければ認めない」と反論。
- **判決のポイント**:
- 労働者は自身のPCログイン記録やメール送信記録を提出したが、裁判所は「それだけでは具体的な作業内容や時間外労働の強制性を証明できない」と判断。
- **「客観的な証拠が不足している」**として請求を棄却。

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### **2. 大阪地判平成30年7月20日(労判1215号65頁)**
- **概要**:
労働者が「毎日2時間のサービス残業があった」と主張したが、会社側は就業規則に基づき「残業は上司の許可制」と反論。
- **判決のポイント**:
- 労働者は同僚の証言を提出したが、**「証言のみでは客観性に欠ける」**と判断。
- 労働者の自己申告だけでは残業時間を認定できず敗訴。

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### **3. 最高裁平成23年10月28日(労判1043号6頁)**
- **概要**:
労働者が「長時間の残業があった」と主張したが、会社側はタイムカード記録(一切の残業なし)を提出。
- **判決のポイント**:
- 労働者は「タイムカードは実際の労働時間を反映していない」と主張したが、**「反証する客観的証拠がない」**として請求棄却。
- **「使用者側の記録が一応の証拠力を持つ」**と判断された事例。

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### **4. 福岡地判令和元年12月19日(未集判例)**
- **概要**:
労働者がスマートフォンの位置情報データを提出し「退社時間が遅かった」と主張。
- **判決のポイント**:
- 裁判所は「位置情報だけでは**具体的な業務内容や指揮命令関係を証明できない**」とし、敗訴。

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### **共通する敗訴理由**
1. **客観的証拠の不足**
- 自己申告・同僚証言のみでは不十分。
- PCログやメール記録も「業務内容」や「強制性」の証明が必要。
2. **会社側の就業規則・申請制度の合理性**
- 事前許可制の場合、労働者は「許可を得ていた」証拠が必要。
3. **反証の不存在**
- 会社側のタイムカードや出勤記録に矛盾する証拠がないと不利。

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### **労働者側の教訓**
- **証拠収集の重要性**:
- 残業の記録(メール・PC操作ログ・業務報告書等)を日頃から保存。
- 上司の指示を記録(メールや録音)できると有利。
- **会社の制度理解**:
- 就業規則で「残業の申請方法」が定められている場合、それに従わないとリスクあり。

これらの判例は、**「主張する側に立証責任がある」**という原則を反映しています。証拠が不十分な場合、労働者側の請求は認められにくい傾向があります。


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