日本会議唐津支部 事務局ブログ

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【中学歴史教科書8社を比べる】659 29 日米関係 -223- 《戦後》 Ⅺ 占領期(1945-52)-57- ■まとめと考察 ⑻主権回復 6/n:考察と評価4/n:非締結国

2019年01月07日 | 中学歴史教科書比較(2)h28-令和2年度使用

29 日米関係 -223- 《戦後》Ⅺ 占領期(1945-52)-57-

■まとめと考察  ⑻主権回復 6/n

~考察と評価 4/n(一部評価)~




 

2「非締結国」の描き方を評価する

 この平和条約は、同時締結の安保条約と合わせて、68年経った現在でも、日本(および世界)の現状に関して極めて大きな影響を及ぼしている。したがって、日本国民にしっかりと周知すべきことがらだ。では、どの程度教えるべきなのだろうか?

 《過去の歴史を学ぶのは、現在と未来の状況を理解・推理するためだ》という〝実用的な”見解を是とするならば、義務教育用教科書においては、《現在の状況を理解させるため》というのが最低限の目標になるだろう。

 ということになると、1951年の平和+安保条約についての必須知識は、《①締結の意図、②在日米軍基地:米国駐留軍の永続的存在》だろう。

 次に、ソ連崩壊後の現在もまだ、《「(共産主義関連の)独裁的国家」対「自由・民主主義国家」の対立》が続いているので、《③冷戦関連の状況ある程度必要だろう。さらに、アジアの諸国との関係およびわが国がしたことを理解するために、ある程度の《④賠償の状況》の知識も必要だろう。(※「領土」についてはここで扱わなくともかまわない。)

 

⑴ 冷戦状況が、平和条約締結にどう反映したか。~主要な非締結国の状況~ ※言及するのならば下記①②は最低限必要だろう。

 ① ソビエト連邦(共産党独裁)・・・出席したが、署名せず。/理由「ソ連、ポーランド、チェコスロバキアの共産圏3国は講和会議に参加したものの、同じ共産主義国の中華人民共和国の不参加を理由に会議の無効を訴え署名しなかった。」<ウィキペディア:「日本との平和条約」より>

 ② 中国亜大陸:中華民国政府(国民党)と、中華人民共和国政府(共産党独裁)・・・不参加:どちらも招待されず。理由:まだ内戦中で米英の意見が対立。

 ③ インド・・・不参加。理由は、上記表中の備考参照を。※日本の味方!

※ソ連の非署名の理由については、全社とも「冷戦描写」をしているので、書かなくてもいいと思う。しかし、「中国」と「インド」の不参加の理由については(簡単な)説明がいるだろう。

 

⑵ 考察と評価

【育鵬社】 ソ連・「中国」に言及しているが、インドは無記。 ※「中国」不参加の理由無記。→ △

【自由社】 すべて無記。 → △

 

【東京書籍】 ①「…日本が侵略したアジアの国々の多くとの間では講和が実現しませんでした。」と書いている。しかし、国際標準的に「侵略」と言えるのは「中国亜大陸」だけだろう。また、「アジアの国々の多く」という表現は極めてあいまいで印象操作的であり、「侵略」とまで言うのならば、国名を挙げるべきだろう。 → 
 さらに、「アジアの国々」という言い方では、中学生は「現在の国々」と思うにちがいない。しかし、大東亜(太平洋)戦争時は、アジアに(タイ王国以外には)独立国はなく、ことごとく植民地だった史実を考えれば、このような表現は不適切だろう。

 ② インドの不参加の理由が無記。また、「…不満を持ち…承認を行わなかった国・・」のことを58字も使って書いているが、その国名をかいていない。(※インドネシアのことだろう。) → △。

 

【帝国書院】 「中国」とインドの不参加理由無記。/また、「拒否」という〝強烈な”語彙選択は不適切であり、「拒否」とまで書くのならば、拒否理由を書かねばならない。インドによる日本擁護の不参加(拒否)理由を書きたくなかったのだろうか。 → 

 

【教育出版】 「中国」とインドの不参加理由無記  → △。

【日本文教】 「中国」の不参加理由無記。インドの「条約反対」の理由無記  → △。

【清水書院】 インドの不参加理由無記。「中華人民共和国」は書いているが「中華民国」が無記。 → △。

【学び舎】  「中国」とインドの不参加理由明記 → 〇。

 

~次回、7/n:「賠償」「安保条約」の描き方~

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者:松永正紀  教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<または >へのコメントで教えてください。 


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