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◎1.17は基弘さんとともに 競さんら、ゆかりの場所でしのぶ

2010年01月18日 | 阪神淡路大震災
 阪神・淡路大震災から15年を迎えた1月17日。競基弘さん(当時=自然科学研究科博士前期課程1年)の遺族や友人らはこの日、基弘さんにゆかりのある場所を巡った。基弘さんをそばに感じながら。【1月18日 神戸大NEWS NET=UNN】

 5時46分。東遊園地では、例年より暖かい朝の空気の中、黙とうがささげられた。競さん夫婦も、献花台近くで手を合わせた。基弘さんを失って数年は「彼に会うため」(父・和巳さん)に1月17日に神戸に来ていたというが、今では「彼と一緒に友人に会いに」神戸に来る、という感覚なのだという。「ここ(東遊園地)に来る人は、個人への祈りもあると思うけど、みんな同じ気持ちを共有したいってのがあるんじゃないかな。基弘も私たちのそばにいて、6434人みんなに鎮魂を祈ってると思う」。

 今年、競さんらは初めて長田の町を訪れた。震災で大火に見舞われ、甚大(じんだい)な被害を受けた長田区では、市がロボット産業による活性化を目指しており、若松公園には「鉄人28号」の巨大モニュメントもある。さらに1月15日には、基弘さんの恩師、松野文俊・京大教授が設立した「国際レスキュー研究機構」の研究拠点が、ポートアイランドから「鉄人28号」のそばにある旧市立二葉小の校舎に移された。「ドラえもんのようなロボットを作りたい」という基弘さんの夢は、この場所でも生き続ける。「鉄人28号」を見上げながら、和巳さんは「基弘によって長田とつながりができた。ここ(長田区)も東遊園地と同じ。来ているみんなと同じ気持ちになれる場所」と話した。

 その後、競さんらは、六甲にある基弘さんの下宿跡、そして神戸大慰霊碑を訪れた。「1月17日が近づくといやな気持ちになる。みんなで黙とうして一緒に涙する今日(1月17日)を乗り越えることによって1年が始められる」と和巳さん。1月17日を「基弘さんとともに」過ごした競さんらは、ひと足遅れて新たな1年を迎えた。(記者=浅井淳平)

【写真上】献花台近くで黙とうをささげる競さん夫婦(1月17日・神戸市中央区加納町6丁目で 撮影=浅井淳平)

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