ドイツやイングランドに続いて、とうとうスペインやイタリアでもフットボール・リーグが開幕し、地元アーリントンのスポーツパブに数ヶ月ぶりの騒がしさが戻ってきた。昼過ぎ、遅めのランチを食べながらバルセロナ対アラベスの試合を見ていると、「久しぶり」と友人のウィルフレッドが登場。ブラジルの名選手ジャイルジーニョを彷彿とさせる立派なアフロヘアーを揺らしながら、数十秒おきに紙のセット具合を手で確かめるウィルフレッドは、「今年こそインテル・ミラノがチャンピオンになるだろうね」といつもの一言。家族そろってインテル・ファンだという彼は、毎年この時期になるとインテルがイタリア・リーグを制すると言い切るものの、同じように毎年行われるブッシュ大統領の一般教書演説とそれほど違わず、当たったためしは全く無い。シーズン前の補強が上手く行ったとかで、少なくとも10回以上は「今年は特別」というフレーズを連発したウィルフレッド。気の毒に、大金を賭けてなければいいんだけど。
バルセロナの試合がハーフタイムを迎え、延々と続く同じコマーシャルにも飽きた僕らは、ブルガリアで一昨日発生した暗殺事件の話題で盛り上がった。黒海沿岸のリゾート地をホームとするロコモティブ・プロブディフがCSKベオグラード(セルビア)に1-0で勝利した。プロブディフはこれでUEFAカップ本戦に出場が決まり、会長のゲオルギ・イリエフは自らが経営するナイトクラブで祝勝会の準備をしていたと報じられている。試合終了後すぐ、正確には試合終了から40分後、ナイトクラブ店内で電話中のイリエフが何者かに狙撃され死亡した。警察関係者の話では、狙撃は店の外から軍用ライフルで行われた可能性が高く、イリエフは一発で心臓を撃ち抜かれていた。サッカーの試合と直接関係があったかどうかは不明だが、イリエフが地元犯罪組織の重要メンバーだったという話がブルガリアでは定着しているようで、地元警察もイリエフとスペインの麻薬組織との関係を捜査している最中だった。イリエフの兄もマフィアのボスとして知られていたが、10年前に殺害されている。
「凄い話だね…」、僕の横に座っていたアメリカ人の友人はそう言った。たしかにアル・カポネがシカゴ・ブルズを所有していたり、ジョン・ゴッティがニューヨーク・ヤンキースのオーナーだったりする事は、この国では想像し難い話ではあるけど、東ヨーロッパではこんな話が日常茶飯事だ。「ブルガリア国内のフットボール事情は今が最悪の時かもしれないね。犯罪組織がマネー・ロンダリングなんかを目的にサッカーチームを買収するケースが増え続けているから」、ボストン在住のスティーブン・アポストロフは昨日、僕に電話でそう語ってくれた。ソフィアで生まれ育ったスティーブンは、FIFA(国際サッカー連盟)の仕事で母国のサッカー関係者にインタビューを何度も行っているが、その腐敗ぶりに絶句した経験が何度もあったそうだ。以前、このブログでアルカンというセルビア人大物マフィアについて書いた事があったけど、今回も東欧のサッカーチームのオーナーが血なまぐさい事件の主役となったようだ。
大型ハリケーンのカトリーナがニューオーリンズ一帯を直撃する可能性が高まり、周辺の湾岸地帯に住む住民らはすでに安全な場所への移動を開始している。過去にハリケーンがニューオーリンズを直撃した例はほとんど無いものの、CBSニュースの報道によると、地元当局はすでにハリケーンが直撃する可能性が極めて高いと判断し、災害に備えた対策に追われているとの事だ。「皆さん、これはテストではなく、現実の話です」、ニューオーリンズのレイ・ネギン市長は27日の記者会見でそう切り出すと、市民に対し暴風対策のために家に板を打ち付けて、十分な医薬品とガソリンを用意するように呼びかけている。現在カトリーナは1時間に約115マイルの風速で北上しつつあるが、メキシコ湾上でさらに巨大化すると見られており、ニューオーリンズ周辺には29日未明に上陸する見込みだ。
バハマ諸島周辺で発生したカトリーナは、25日にフロリダ半島南部を通過し、メキシコ湾に抜けたものの、そこから進路を変え、ルイジアナ州湾岸部に再上陸しようとしている。フロリダ南部では7人の死亡が確認されている。仮にカトリーナがニューオーリンズを直撃した場合、その被害は通常よりも大きなものになるだろうと懸念されている。ニューオーリンズは海抜ゼロメートル以下にあり、洪水を防ぐためにこれまでも堤防やポンプに依存してきた。しかし、ハリケーンによって堤防が崩壊し場合、市内が大洪水に見舞われる危険が存在する。さらに、市内在住の約10万人が車を所有しておらず、ルイジアナ州政府は市内にあるスーパードーム(NFLのニューオーリンズ・セインツが本拠地として使用している)を仮説避難所に指定する模様だ。
市内にあるガソリンスタンドの中には、27日夕方の時点でガソリンを売りつくしてしまった所もすでに存在し、ガソリンを求めて市民が町中を走り回る状態となっている。また、ニューオーリンズから脱出する市民が急増したため、周辺のホテルやモーテルも全てブッキングされ、150マイル離れたミシシッピー州ジャクソンのモーテルまで満室となっている。40年前にニューオーリンズをハリケーンが襲った際には、市内で20フィートの高さに及ぶ大洪水が発生し、6万人が家を失っている。このハリケーンによって、ルイジアナ・ミシシッピー・フロリダの3州で74人が死亡している。25日にフロリダ南部を通過したカトリーナは、ハリケーン自体の規模は小さかったものの、大雨と洪水を引き起こしている。複数の保険会社によれば、フロリダの被害は軽く見積もっても6億ドル以上になるとの事だ。また、100万人以上が電力を失い、現在も70万人以上が復旧作業を待つ状態だ。
バージニア州北部にあるクリスタル・シティはペンタゴンからわずか1マイルの距離という事もあり、ペンタゴンと契約を結んだ軍需産業のオフィスが非常に多い。ワシントン郊外のオフィス街として知られるクリスタル・シティだが、町の将来を危惧する声があとを絶たない。ペンタゴンは国内で837ヶ所に及ぶ軍事関連施設の閉鎖・再編成案を独立機関の「基地再編・閉鎖委員会(BRAC)」に提出しており、9月初めまでに大統領と連邦議会によって承認の可否が決定する予定だ。ワシントン市内のウォルター・リード陸軍病院も閉鎖の対象となっており、バージニア州北部で働くペンタゴン受託業者ら2万人も、遠く離れた郊外への移転を求められている。これら2万人の多くがクリスタル・シティのオフィスで勤務しており、(承認可決後)にペンタゴンが市内にあるオフィスビルとのリース契約行進をストップした場合、町が一夜にしてゴーストタウンに変わる可能性もある。
クリスタル・シティで働く受託業者らが一斉に去った場合、町はどのように変わるのか?受託業者のひとりボブ・モリソンさんはワシントン・ポスト紙の取材に対し、過去に勤務していた海軍作戦センターの例を挙げて答えた。「作戦センターの移転が決まった時、クリスタル・シティはもう終わりだという声がたくさんあったけど、実際に町がダメになる事は無かったですしね」、モリソンさんはそう語る。また、モリソンさんの同僚デボラ・ベアーさんも、地下鉄などの交通網が整備されているため、この町が住む場所としても申し分ないと語っている。1960年代に作られたクリスタル・シティはポトマック川をはさんでワシントンの真向かいに位置し、非常に便利なロケーションではあるものの、オフィス街以上の発展はこれまで無く、平日の昼間以外はあまり人を見かけない町としても知られている。
「町の将来は、不動産業者がどのように物件を売りさばくかで決まってくるでしょうね」、隣町のアレクサンドリアから来たロバート・ブローダスさんはそう語り、仕事以外で人が集まる事がほとんど無い町の現状を心配する。周辺のレストランの多くが午後7時過ぎにはシャッターをおろしており、幾つかのレストランやバーは深夜までオープンしているものの、その数は極めて少ない。「もっとクラブでも作って、みんながクリスタル・シティで楽しんでお金を落としていく環境にしないと…」、ブローダスさんはそう語った。クリスタル・シティにあるオフィス・ビルの約70パーセントを所有する開発会社チャールズ・E・スミスでは、すでに「新ダウンタウン計画」をすすめており、受託業者らの移転後にオフィスビルを商業施設やコンドミニアムに替える模様だ。すでに放送局や政府機関がテナントを希望しており、近いうちに町の様子がガラリと変わるかもしれない。
ポールポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが再び映画で共演するかもしれないという話が入ってきた。残念ながら、「明日に向かって撃て」の続編ではないようで、全く別物のストーリーらしい。ニューマンを最後に映画で見たのは数年前、トム・ハンクスが主演した「ロード・トゥ・パーディション」の中でだけど、もう何年も前から僕の中では映画俳優ではなくパスタ・ソースのセールスマンというイメージが出来上がってしまっている。「ニューマンズ・オウン」というブランドがスタートしたのが1982年で、最初はサラダ・ドレッシングのみを売っていたそうだけど、いつの間にかパスタ・ソースやポップコーンも売り出されていた。僕も中学生の頃、姉が住んでたセントルイスのスーパーでパスタ・ソースを購入し、それがキッカケとなって自分でパスタを作るようになったのだ。食品業でも成功を収めたニューマンだけど、やっぱり俳優としての彼の姿が一番カッコいい。今年80歳の不良ジジイ、早くスクリーンで見たいものです。
バルセロナの試合がハーフタイムを迎え、延々と続く同じコマーシャルにも飽きた僕らは、ブルガリアで一昨日発生した暗殺事件の話題で盛り上がった。黒海沿岸のリゾート地をホームとするロコモティブ・プロブディフがCSKベオグラード(セルビア)に1-0で勝利した。プロブディフはこれでUEFAカップ本戦に出場が決まり、会長のゲオルギ・イリエフは自らが経営するナイトクラブで祝勝会の準備をしていたと報じられている。試合終了後すぐ、正確には試合終了から40分後、ナイトクラブ店内で電話中のイリエフが何者かに狙撃され死亡した。警察関係者の話では、狙撃は店の外から軍用ライフルで行われた可能性が高く、イリエフは一発で心臓を撃ち抜かれていた。サッカーの試合と直接関係があったかどうかは不明だが、イリエフが地元犯罪組織の重要メンバーだったという話がブルガリアでは定着しているようで、地元警察もイリエフとスペインの麻薬組織との関係を捜査している最中だった。イリエフの兄もマフィアのボスとして知られていたが、10年前に殺害されている。
「凄い話だね…」、僕の横に座っていたアメリカ人の友人はそう言った。たしかにアル・カポネがシカゴ・ブルズを所有していたり、ジョン・ゴッティがニューヨーク・ヤンキースのオーナーだったりする事は、この国では想像し難い話ではあるけど、東ヨーロッパではこんな話が日常茶飯事だ。「ブルガリア国内のフットボール事情は今が最悪の時かもしれないね。犯罪組織がマネー・ロンダリングなんかを目的にサッカーチームを買収するケースが増え続けているから」、ボストン在住のスティーブン・アポストロフは昨日、僕に電話でそう語ってくれた。ソフィアで生まれ育ったスティーブンは、FIFA(国際サッカー連盟)の仕事で母国のサッカー関係者にインタビューを何度も行っているが、その腐敗ぶりに絶句した経験が何度もあったそうだ。以前、このブログでアルカンというセルビア人大物マフィアについて書いた事があったけど、今回も東欧のサッカーチームのオーナーが血なまぐさい事件の主役となったようだ。
大型ハリケーンのカトリーナがニューオーリンズ一帯を直撃する可能性が高まり、周辺の湾岸地帯に住む住民らはすでに安全な場所への移動を開始している。過去にハリケーンがニューオーリンズを直撃した例はほとんど無いものの、CBSニュースの報道によると、地元当局はすでにハリケーンが直撃する可能性が極めて高いと判断し、災害に備えた対策に追われているとの事だ。「皆さん、これはテストではなく、現実の話です」、ニューオーリンズのレイ・ネギン市長は27日の記者会見でそう切り出すと、市民に対し暴風対策のために家に板を打ち付けて、十分な医薬品とガソリンを用意するように呼びかけている。現在カトリーナは1時間に約115マイルの風速で北上しつつあるが、メキシコ湾上でさらに巨大化すると見られており、ニューオーリンズ周辺には29日未明に上陸する見込みだ。
バハマ諸島周辺で発生したカトリーナは、25日にフロリダ半島南部を通過し、メキシコ湾に抜けたものの、そこから進路を変え、ルイジアナ州湾岸部に再上陸しようとしている。フロリダ南部では7人の死亡が確認されている。仮にカトリーナがニューオーリンズを直撃した場合、その被害は通常よりも大きなものになるだろうと懸念されている。ニューオーリンズは海抜ゼロメートル以下にあり、洪水を防ぐためにこれまでも堤防やポンプに依存してきた。しかし、ハリケーンによって堤防が崩壊し場合、市内が大洪水に見舞われる危険が存在する。さらに、市内在住の約10万人が車を所有しておらず、ルイジアナ州政府は市内にあるスーパードーム(NFLのニューオーリンズ・セインツが本拠地として使用している)を仮説避難所に指定する模様だ。
市内にあるガソリンスタンドの中には、27日夕方の時点でガソリンを売りつくしてしまった所もすでに存在し、ガソリンを求めて市民が町中を走り回る状態となっている。また、ニューオーリンズから脱出する市民が急増したため、周辺のホテルやモーテルも全てブッキングされ、150マイル離れたミシシッピー州ジャクソンのモーテルまで満室となっている。40年前にニューオーリンズをハリケーンが襲った際には、市内で20フィートの高さに及ぶ大洪水が発生し、6万人が家を失っている。このハリケーンによって、ルイジアナ・ミシシッピー・フロリダの3州で74人が死亡している。25日にフロリダ南部を通過したカトリーナは、ハリケーン自体の規模は小さかったものの、大雨と洪水を引き起こしている。複数の保険会社によれば、フロリダの被害は軽く見積もっても6億ドル以上になるとの事だ。また、100万人以上が電力を失い、現在も70万人以上が復旧作業を待つ状態だ。
バージニア州北部にあるクリスタル・シティはペンタゴンからわずか1マイルの距離という事もあり、ペンタゴンと契約を結んだ軍需産業のオフィスが非常に多い。ワシントン郊外のオフィス街として知られるクリスタル・シティだが、町の将来を危惧する声があとを絶たない。ペンタゴンは国内で837ヶ所に及ぶ軍事関連施設の閉鎖・再編成案を独立機関の「基地再編・閉鎖委員会(BRAC)」に提出しており、9月初めまでに大統領と連邦議会によって承認の可否が決定する予定だ。ワシントン市内のウォルター・リード陸軍病院も閉鎖の対象となっており、バージニア州北部で働くペンタゴン受託業者ら2万人も、遠く離れた郊外への移転を求められている。これら2万人の多くがクリスタル・シティのオフィスで勤務しており、(承認可決後)にペンタゴンが市内にあるオフィスビルとのリース契約行進をストップした場合、町が一夜にしてゴーストタウンに変わる可能性もある。
クリスタル・シティで働く受託業者らが一斉に去った場合、町はどのように変わるのか?受託業者のひとりボブ・モリソンさんはワシントン・ポスト紙の取材に対し、過去に勤務していた海軍作戦センターの例を挙げて答えた。「作戦センターの移転が決まった時、クリスタル・シティはもう終わりだという声がたくさんあったけど、実際に町がダメになる事は無かったですしね」、モリソンさんはそう語る。また、モリソンさんの同僚デボラ・ベアーさんも、地下鉄などの交通網が整備されているため、この町が住む場所としても申し分ないと語っている。1960年代に作られたクリスタル・シティはポトマック川をはさんでワシントンの真向かいに位置し、非常に便利なロケーションではあるものの、オフィス街以上の発展はこれまで無く、平日の昼間以外はあまり人を見かけない町としても知られている。
「町の将来は、不動産業者がどのように物件を売りさばくかで決まってくるでしょうね」、隣町のアレクサンドリアから来たロバート・ブローダスさんはそう語り、仕事以外で人が集まる事がほとんど無い町の現状を心配する。周辺のレストランの多くが午後7時過ぎにはシャッターをおろしており、幾つかのレストランやバーは深夜までオープンしているものの、その数は極めて少ない。「もっとクラブでも作って、みんながクリスタル・シティで楽しんでお金を落としていく環境にしないと…」、ブローダスさんはそう語った。クリスタル・シティにあるオフィス・ビルの約70パーセントを所有する開発会社チャールズ・E・スミスでは、すでに「新ダウンタウン計画」をすすめており、受託業者らの移転後にオフィスビルを商業施設やコンドミニアムに替える模様だ。すでに放送局や政府機関がテナントを希望しており、近いうちに町の様子がガラリと変わるかもしれない。
ポールポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが再び映画で共演するかもしれないという話が入ってきた。残念ながら、「明日に向かって撃て」の続編ではないようで、全く別物のストーリーらしい。ニューマンを最後に映画で見たのは数年前、トム・ハンクスが主演した「ロード・トゥ・パーディション」の中でだけど、もう何年も前から僕の中では映画俳優ではなくパスタ・ソースのセールスマンというイメージが出来上がってしまっている。「ニューマンズ・オウン」というブランドがスタートしたのが1982年で、最初はサラダ・ドレッシングのみを売っていたそうだけど、いつの間にかパスタ・ソースやポップコーンも売り出されていた。僕も中学生の頃、姉が住んでたセントルイスのスーパーでパスタ・ソースを購入し、それがキッカケとなって自分でパスタを作るようになったのだ。食品業でも成功を収めたニューマンだけど、やっぱり俳優としての彼の姿が一番カッコいい。今年80歳の不良ジジイ、早くスクリーンで見たいものです。