IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

「暑い×2」とボヤいていたけど

2005-07-19 15:18:41 | イラク関連
レアル・マドリー、今日はロサンゼルスで親善試合を行っていて、僕はラジオの仕事前に試合の中継をテレビで見ていたんだけど、テレビ画面に面白いものを発見。試合中、画面に何度かヘッドフォンをつけたキツネのようなロゴが登場し、「どこかで見たことあるよなぁ」と考えていたら、なんとそれはナップスターの広告だったのです。ファイル共有ソフトのナップスターは一時期、音楽ファイルを簡単にシェアするソフトとして人気があったけど、全米レコード協会の圧力や裁判所が違法性を認める判決を出した事もあって、いつの間にか有料サービスへと変わっていた。それからナップスターがどうなっていたのか、僕には知る由も無いけど、今日のテレビ広告を見ている限りはビジネスの方も順調そうだ。

ブッシュ大統領は昨年、今年1月に行われたイラク総選挙に出馬した複数の候補に対し、極秘の資金援助を行うよう承認していた模様だ。18日のワシントン・ポスト紙が報じた。ブッシュ政権はアメリカ側と繋がりの深い候補者に対して一定額の資金援助を実施しようとしたが、政府関係者らが17日に明かしたところでは、この計画は1月の選挙前に中止に追い込まれたのだという。計画が中止となった背景には議会からの反対があったと複数の政権高官はワシントン・ポスト氏に語ったが、同時に諜報機関内部でも極秘の資金援助がかえって逆効果になるだろうと懸念する声が出ていた模様だ。ホワイトハウスは現在まで、計画の存在を公式には認めていない。

しかし、国家安全保障会議(NSC)のフレデリック・ジョーンズ広報官は声明文の中で、ブッシュ政権が1月の選挙前に外国勢力の動きが懸念していた事を明かし、イランからイラクの選挙関係者に流れた巨額のカネが存在したと語っている。広報官は外国勢力がイラクでの選挙に与える影響が政権内で非常に問題視され、アメリカ側が何らかの形で選挙に介入できないかと模索していた事を明らかにしている。しかし、声明ではブッシュ政権がイラク国内の政党に秘密裏に資金援助を行ったかどうかは明らかにされなかった。イラクでの選挙が行われる前、米国務省は政党を組織するイラク人に対してオープンに資金援助を行っている。一方、近く発売されるニューヨーカー誌の最新号はブッシュ政権がイラク暫定政府首相だったアヤド・アラウィに資金援助を行っていたと報じており、CIAと繋がりの深かったアラウィ氏をイラクの政治中枢に残そうとした可能性が指摘されている(アラウィ氏の政党は有権者から十分な支持をえれず、政権の座につくことは無かった)。

ニューヨーカー誌の記事では、アラウィ氏への資金援助が議会の管理下にない秘密予算を使って行われたと指摘されていたが、ホワイトハウスや議会、そして国務省は記事の内容に反論を唱えている。大統領は議会の承認なしにアメリカ政府の秘密活動を認めれるが、通常ならば秘密活動用資金は議会が管理する予算から捻出されている。複数の政権高官はワシントン・ポスト紙に対し、ブッシュ政権がアラウィ氏への資金援助に議会以外から資金を捻出するのは考えにくいと語っている。しかし、計画自体は以前から政権内で周知の事実だった模様で、別の政権高官達はイラクのシーア派政党がイランから受けている資金援助への対抗策だったと語った。ある高官は匿名を条件にワシントン・ポスト氏の取材に答え、計画自体がかなりのレベルまで進んでいたが、実行段階になってマイナス面が多い事に気付き、最終的に計画は座礁したのだと語った。

18日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ビデオ機能が搭載された新型のiPodが9月までにアップル社から発表される可能性があると報じた。アップル社は複数のエンターテーメント業界幹部に対し、新機種が9月までに発表される可能性が高い事を明らかにしているが、アップル社はこの件についてコメントを控えている。アップル社はすでにいくつかの大手レコード会社とライセンス契約の話し合いを行っており、新機種の市場投入の目玉としてミュージック・ビデオの動画販売が計画されている。アップル社はミュージック・ビデオの販売を傘下のアイチューンズ・ミュージック・ストアで展開したい模様で、新型iPodでは将来的に映画やテレビ番組を見ることも可能になるとの事。ミュージック・ビデオや映画がインターネット上で不正にコピーされる現実に頭を抱えているメディア業界では、アップル社のすすめるプロジェクトで確実に利益を上げられる可能性が注目されている。

動画の見れる新型iPodが噂どおりに発表されるとすれば、ミュージック・ビデオの配信サービスは音楽愛好家がほとんどのiPod購入者の需要とマッチし、アップル社にとって大きな金脈に十分なりうる。アップル社によるミュージック・ビデオの配信サービスはすでに開始されているが、これはアイチューンズ・ミュージック・ストアで1枚のアルバムに収録された全ての曲を購入した際にもらえる「オマケ」のようなもので、現在はiPodではなくコンピューターでしか見ることができない。ウォール・ストリート・ジャーナル紙はアップル社がすでにワーナー・ミュージック、EMI、ユニバーサル・ミュージック、ソニーBMGの4社と接触を図り、9月初旬にはミュージック・ビデオが1曲1ドル99セントで販売されるだろうと報じている。曲とビデオの両方を購入する場合、ディスカウントが設けられる可能性もある。

音楽業界にとって、アップル社との新ビジネスはミュージック・ビデオで利益を生み出す大きなチャンスとなり、制作費として投入した莫大な資金の回収も困難な物ではなくなる事を意味する。ミュージック・ビデオは「ただ同然で」MTVが毎日放送しているが、音楽業界とMTVの20年間の関係がアップル社の新ビジネスによって大きな変化を起こす可能性もある。アップル社はテレビ番組の動画配信にむけて、すでに幾つかのプロダクションに接触しているが、テレビ番組のインターネット配信は音楽よりも権利関係が複雑なため、すぐに実現する事は難しい。3年前に発売されたiPodはアップル社にとって起死回生の一発となり、昨年度収益の約3分の1を稼ぎ出している。iPodの動画配信ビジネスには未知数な部分も多いが、アナリストの多くはアップル社の動画用ソフト技術のクオリティに注目し、技術的にも問題はほとんど見当たらないのではと語っている。

クーラーが2つもついたアパートに引っ越してからというもの、外出する度にワシントンのジメジメとした蒸し暑さへの抵抗力が弱まったのか、天気への愚痴を友人にこぼす事がある(こぼしたからって、ど~にもならんけど)。「こんな気候の下で暮らす自分は、世界一の不幸者」みたいな自虐の気持ちを、まぁ大阪でもボストンでも夏になると感じずに入られなかったんだけど、アリゾナ州フェニックスの気温を聞いて気持ちを入れ替える事に。なんでも、月曜日の最高気温が華氏113度(計算してみたら、摂氏45度だってよ!)に達したそうで、この日の最低気温ですら摂氏33度。日曜日にはカリフォルニア州のニードルズで摂氏51度を記録していて、ここまで来ると人間が生存できるのかが心配だ。とにかく、30度程度の気温でブツブツと文句をたれる自分が恥ずかしくなったわけで、明日から心を入れ替えます、たぶん。

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2 コメント

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御無沙汰してます (ktj)
2005-07-19 16:28:42
ボストンも毎日蒸し暑い日が続いてます。特にアパートのクーラーが貧弱で、さらに部屋が最上階にあるので、リビング以外に行くと死にそうです。



でもこの夏の暑さが懐かしくなるくらい冬は寒いので、むしろこの天候をありがたがった方がいいのかもしれませんね。
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おひさしぶりです (ひろふみ)
2005-07-20 13:32:44
ktjさん、おひさしぶりです。学校のほうが大変かと思いますが、ニューイングランドの夏をたまにはエンジョイしてくださいね。ボストンの夏といえば、インターンとサッカーとパブ通いに明け暮れる毎日だった気がします(苦笑)。



僕のボストンでの最初の住まいはサウスボストンにあるタウンハウスの屋根裏だったんですが、夏は本当にシャレにならなかったです。ただ、ユーティリティ込みで550ドル(当時)という誘惑に負けてしまったんですね。今では懐かしい思い出です。
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