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広島高裁、2012衆院選は無効

2013-03-26 00:46:14 | ニュース
今回のエントリは昨年末に行われた衆院選に纏わる話なんだが、2012年の衆院選を簡単に整理してみると、昨年11月14日、当時の首相で「嘘吐き総理」と呼ばれた野田佳彦が、衆議院の解散を表明し、11月16日に嘘吐き総理が嘘では無くて、本当に衆議院を解散した。
この解散に付いて、田中角栄の娘、田中真紀子曰く「自爆テロ解散」と言う事なのだが、野田首相の、この自爆テロ解散と言うか「電源解散」に依って、衆議院は解散総選挙に突入する。

そして、12月16日に投開票が行われた第46回衆議院総選挙で、自民党が294議席を獲得して圧勝した為、民主党政権に依る「忌まわしき悪夢の三年」は終演したのである。
まぁ、衆院選に関する話を簡単に振り返ってみたのだが、これらの流れは当ブログのエントリ、2012年の衆院総選挙は売国無惨とか2012衆院選、開票速報番組の話やら日本未来の党はレミングの群れ等に詳しく書いているので、各々のエントリを読んでみて下され。

さて、そんな2012年の衆院選なのだが、衆院の「一票の格差」を是正する為に小選挙区の定数を「0増5減」する選挙制度改革関連法は11月16日の衆院本会議で可決し、成立した。
しかし、である。師走の決戦となった衆院選は、現行の区割りで実施された為、違憲状態は解消されないままの選挙となった訳だ。

御存知の方も多いと思うのだが、1962年から衆議院と参議院の選挙が行われる度に、「一票の格差」は選挙権の平等に反すると主張して、選挙管理委員会を相手に、選挙無効を求める訴訟を起こす人達が居る。
その人達は、弁護士を中心としたグループなんだが、違憲状態で実施された昨年の衆院選に付いても、当然として訴訟を起こしている。

昨年12月の衆院選は、一票の格差が最大で2.43倍と、前回4年前の衆院選の2.30倍よりも更に格差が広がっており、これに付いて二つの弁護士グループ等が「国民の意思を反映した正当な選挙と言えない」と主張し、全国で選挙の無効を求めている。
この内、広島1区と2区を対象にした裁判が、3月25日に広島高等裁判所で行われ、筏津順子裁判長が一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡した。

ただし、である。筏津裁判長は、衆議院の選挙区画定審議会が昨年11月26日から区割りの改定作業を始めた事を重視し、選挙無効は作業開始から1年後に当たる今年11月26日の経過を以て発生するとしている。
期限付きとは言え、選挙区毎の「一票の格差」が最大で2.43倍あった事に付いて、広島高裁は一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡したのだが、国政選挙を無効とする判決が言い渡されたのは戦後初の事である。

これまで最高裁は、選挙で著しい不平等が生じており、不平等がかなりの期間続いているのに是正措置が講じられず、国会の裁量権の限界を超えている場合には違憲状態と判断している。が、である。最高裁は選挙無効までは認めていない。
では、何故、広島高裁は選挙無効と言った厳しい判決を言い渡したのであろうか?。

2009年8月の衆院選は違憲状態とした2011年3月の最高裁判決も、選挙の無効までは認めなかったのだが、問題は、これを時の民主党政権が、何もせずに放置し続けた事が大きかったのではないだろうか。
広島高裁は、「優先的に実行すべきだった筈の是正措置が、何故なされなかったのか」と、述べている。

そして、「最高裁の違憲審査権が無視され、もはや憲法上許されるべきではない事態に至っている」とも述べているのだが、この言葉が裁判所の怒りの程を顕しているのである。
勿論、2011年3月の最高裁判決を放置し続けた事だけが原因では無く、「一票の格差」の問題を根本から改善するべく、政治家が動いていない事が最大の原因と言えるだろう。

選挙制度の在り方を書いて行くと、長くなるので別の機会に書くとして、今回の選挙無効判決に付いて書くと、選挙管理委員会側が上告すれば裁判が続く為、今回の判決によって直ちに選挙が無効にならない。
が、である。判決が確定すれば、無効になった選挙区では議員の当選が取り消され、選挙を遣り直す事になる。

因みに、広島1区の選出議員は現外務大臣の岸田文雄で、広島2区の選出議員は平口洋なのだが、遣り直し選挙となると区割り変更が必要になるので、広島1区と2区だけの問題では無く、大事になるのである。
まぁ、あれだ。この選挙無効と言う判決が、他の選挙無効裁判にどう影響するのか?、同様の裁判に注目である。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】