「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちれば只の人だ。」とは、自民党の初代副総裁だった大野伴睦の名言なのだが、代議士から「只の人」になりたくない現職議員や、代議士を目指す新人候補らが、12月16日に投開票が行われる衆議院選挙へ向けて動いている中、マスコミ各社は挙って選挙に関する世論調査の結果を報じている。
それに依ると、選挙戦序盤は自民党が小選挙区で圧倒していて、「自民党、単独過半数の勢い」とか「自民党、地滑り的勝利」等の文字が躍り、既に衆院選で自民党の大勝が決まったかの様な情勢である。
圧倒的優位であると報道され、選挙陣営の「気の緩み」を恐れる自民党は、引き締めを厳しく通達し、劣勢が伝えられた民主党や第三極勢力は、戦略の練り直し等を模索している状況。
自民党の石破茂幹事長は6日、候補の各選挙事務所に「至急・重要」と記したファックスを送付。
ファックスには、「自民党に追い風が吹いている訳では無い」やら「僅かでも緩みや驕りが感じられれば、忽ち情勢は逆転する」と言った文言が並んでいたと言う。
安倍晋三総裁は、「自民、公明両党で大きな議席を取る様な報道がされているが、これは違う。過半数に行くかどうかだ」と述べ、安倍総裁と石破幹事長共に、陣営の引き締めに躍起だ。
一方、議席を大きく減らすと予想されている民主党の野田佳彦首相は、「(第三極は)輝きを失っている。ごった煮になり、有権者に判りにくい。最後は自民党と民主党の対決になる」と述べ、二大政党の構図を持ち出し、第三極を牽制している。
しかし、である。衆院選で台風の目になると予想されていた第三極勢力も伸び悩んでおり、日本未来の党の嘉田由紀子代表は「がっくりした。私の思いがまだまだ伝わっていない」と述べている。
マスコミ各社による衆院選の情勢は「自民党が優位に立っている」と言う事だが、これらの報道が「アナウンス効果」の「バンドワゴン効果」と「アンダードッグ効果」として、有権者にどの様な影響をもたらすのかが、興味深い所である。
アナウンス効果に付いて説明すると、「バンドワゴン効果」とは所謂「勝ち馬効果」の事で、物を選ぶ時や選挙での選択をする際に、流行していると言う情報や、多数の人に支持されている政党や候補者と言った情報が流れると、その物や政党、候補者への支持が強くなる事。
バンドワゴン効果は「バンドワゴンに乗る」とも言い、時流に乗ったり、勝ち馬に乗る事を意味する。
因みに、バンドワゴン効果の「バンドワゴン」は、行列の先頭で太鼓を叩いたり笛を吹いている楽隊車の事である。
バンドワゴン効果の対義語は「アンダードッグ効果」であり、所謂「負け犬効果」とも言い、選挙で劣勢が伝えられる政党や候補者に同情が集まると言う所謂「判官贔屓」的な事である。
これらを踏まえて見てみると、自民党には「バンドワゴン効果」による影響、その他の政党は「アンダードッグ効果」による影響がどう出るのか?。と言う事になるだろう。
さて、今回のエントリではアナウンス効果が云々と書いて来たが、それらの話のベースとなっているのはマスコミ各社による「世論調査」である。
その世論調査なのだが、当ブログのエントリ、青木の方程式と7月の世論調査にも書いた様に、私は「世論調査と占いは鵜呑みにしない。依って世論調査の結果は眉唾物。」と言う考え方なので、世論調査と言う物は「話し半分」にしているのだが、世論調査の信憑性に付いて、「週刊ポスト」(12月14日号)に「大手新聞 世論調査は質問の仕方で結果を操作出来ると認める」と言うタイトルの面白い記事を見付けたので、以下に抜粋してみる。
「11月26日に読売新聞と朝日新聞が、総選挙投票先の世論調査を掲載したが、朝日と読売は違う結果になったおり、これに付いて読売は27日の朝刊に『世論調査結果 質問方法で差』と言う見出し記事で、朝日との結果の違いが起きた理由は、読売は質問時に14政党の名前を読み上げて選んで貰っているが、朝日は政党名を読み上げない為、新たに結成された政党の名前は思い付きにくく、数値がやや低めになる。」
「世論調査の結果は選択肢の読み上げの有無だけで無く、質問文の違いや全体の質問の構成・並び順などにも影響を受ける。」
「要は『世論調査は質問の仕方で結果を操作出来る』と認めているのである。世論の変化を掴むには、同じ報道機関の調査で推移を見て行く事が有効だ。と言うに至っては笑う他無い。」
「過去、自前の世論調査の結果を振りかざして、政権や特定の政治家を追及して来た反省を述べるべきだろう。」
以上が「週刊ポスト」の記事からの抜粋だが、「世論調査は世論操作である」と、ポストは指摘している訳だ。
まぁ、調査は固定電話に掛けて、答えるのは平日昼間に家に居る有権者なのだから、それらを考えても答えは片寄るだろうし、そんな世論調査を真に受けるのはどうなのよ?。って話だな。
まぁ、あれだ。「コンピューター付きブルドーザー」こと田中角栄元首相が「選挙こそが世論だ」と、言っていた様に、選挙結果が本当の世論なので、12月16日の投開票が楽しみですな。では。
【ネッタイムス・東坊京門・作】
それに依ると、選挙戦序盤は自民党が小選挙区で圧倒していて、「自民党、単独過半数の勢い」とか「自民党、地滑り的勝利」等の文字が躍り、既に衆院選で自民党の大勝が決まったかの様な情勢である。
圧倒的優位であると報道され、選挙陣営の「気の緩み」を恐れる自民党は、引き締めを厳しく通達し、劣勢が伝えられた民主党や第三極勢力は、戦略の練り直し等を模索している状況。
自民党の石破茂幹事長は6日、候補の各選挙事務所に「至急・重要」と記したファックスを送付。
ファックスには、「自民党に追い風が吹いている訳では無い」やら「僅かでも緩みや驕りが感じられれば、忽ち情勢は逆転する」と言った文言が並んでいたと言う。
安倍晋三総裁は、「自民、公明両党で大きな議席を取る様な報道がされているが、これは違う。過半数に行くかどうかだ」と述べ、安倍総裁と石破幹事長共に、陣営の引き締めに躍起だ。
一方、議席を大きく減らすと予想されている民主党の野田佳彦首相は、「(第三極は)輝きを失っている。ごった煮になり、有権者に判りにくい。最後は自民党と民主党の対決になる」と述べ、二大政党の構図を持ち出し、第三極を牽制している。
しかし、である。衆院選で台風の目になると予想されていた第三極勢力も伸び悩んでおり、日本未来の党の嘉田由紀子代表は「がっくりした。私の思いがまだまだ伝わっていない」と述べている。
マスコミ各社による衆院選の情勢は「自民党が優位に立っている」と言う事だが、これらの報道が「アナウンス効果」の「バンドワゴン効果」と「アンダードッグ効果」として、有権者にどの様な影響をもたらすのかが、興味深い所である。
アナウンス効果に付いて説明すると、「バンドワゴン効果」とは所謂「勝ち馬効果」の事で、物を選ぶ時や選挙での選択をする際に、流行していると言う情報や、多数の人に支持されている政党や候補者と言った情報が流れると、その物や政党、候補者への支持が強くなる事。
バンドワゴン効果は「バンドワゴンに乗る」とも言い、時流に乗ったり、勝ち馬に乗る事を意味する。
因みに、バンドワゴン効果の「バンドワゴン」は、行列の先頭で太鼓を叩いたり笛を吹いている楽隊車の事である。
バンドワゴン効果の対義語は「アンダードッグ効果」であり、所謂「負け犬効果」とも言い、選挙で劣勢が伝えられる政党や候補者に同情が集まると言う所謂「判官贔屓」的な事である。
これらを踏まえて見てみると、自民党には「バンドワゴン効果」による影響、その他の政党は「アンダードッグ効果」による影響がどう出るのか?。と言う事になるだろう。
さて、今回のエントリではアナウンス効果が云々と書いて来たが、それらの話のベースとなっているのはマスコミ各社による「世論調査」である。
その世論調査なのだが、当ブログのエントリ、青木の方程式と7月の世論調査にも書いた様に、私は「世論調査と占いは鵜呑みにしない。依って世論調査の結果は眉唾物。」と言う考え方なので、世論調査と言う物は「話し半分」にしているのだが、世論調査の信憑性に付いて、「週刊ポスト」(12月14日号)に「大手新聞 世論調査は質問の仕方で結果を操作出来ると認める」と言うタイトルの面白い記事を見付けたので、以下に抜粋してみる。
「11月26日に読売新聞と朝日新聞が、総選挙投票先の世論調査を掲載したが、朝日と読売は違う結果になったおり、これに付いて読売は27日の朝刊に『世論調査結果 質問方法で差』と言う見出し記事で、朝日との結果の違いが起きた理由は、読売は質問時に14政党の名前を読み上げて選んで貰っているが、朝日は政党名を読み上げない為、新たに結成された政党の名前は思い付きにくく、数値がやや低めになる。」
「世論調査の結果は選択肢の読み上げの有無だけで無く、質問文の違いや全体の質問の構成・並び順などにも影響を受ける。」
「要は『世論調査は質問の仕方で結果を操作出来る』と認めているのである。世論の変化を掴むには、同じ報道機関の調査で推移を見て行く事が有効だ。と言うに至っては笑う他無い。」
「過去、自前の世論調査の結果を振りかざして、政権や特定の政治家を追及して来た反省を述べるべきだろう。」
以上が「週刊ポスト」の記事からの抜粋だが、「世論調査は世論操作である」と、ポストは指摘している訳だ。
まぁ、調査は固定電話に掛けて、答えるのは平日昼間に家に居る有権者なのだから、それらを考えても答えは片寄るだろうし、そんな世論調査を真に受けるのはどうなのよ?。って話だな。
まぁ、あれだ。「コンピューター付きブルドーザー」こと田中角栄元首相が「選挙こそが世論だ」と、言っていた様に、選挙結果が本当の世論なので、12月16日の投開票が楽しみですな。では。
【ネッタイムス・東坊京門・作】