練金術勝手連

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※ 練金術(ねりきんじゅつ)とは『週刊金曜日』練馬読者会的やり方という意味です。

★誰もが区別しない差別されない共生社会の実現を !!!

2014年04月06日 | これだけは言いたい!
第4次原告団 東京「君が代」裁判第4次訴訟原告の渡辺厚子です。
 2014年3月17日、東京「君が代」裁判第4次訴訟を提訴しました(東京地裁=原告7名、弁護士8名、被処分者の会、支援者等約60名)。
 さあ、いよいよです。
 4次訴訟原告団は、2010年から2013年の間に処分された22件17名のうち19件14名の被処分者から成り立っています(うち9名が現職で、5名が退職者)。処分の内訳は、戒告12件,減給1月4件、減給6月2件、停職6月1件で、人事委員会審理を経て、裁判に移行しました。日ごとに厳しくなる現場で懸命にたたかう教員の声を最大限生かしながら、原告1人1人が納得できる「自分の裁判」にしていけるよう、原告みんなでスクラムを組んで活動していきます。どうか、今後のご支援をよろしくお願い致します。

 関連して、来る6月1日(日)に、アジア市民、地球市民として共生社会の実現をめざす『安倍にNO!ファシズム国家はごめんだ!6、1集会』(主催「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会)を計画していますので、ひとりでも多くの方に参加を呼びかけます。
  (このページの下の方に案内チラシ)

平成26年(ワ)第687号事件
2014年3月17日
東京地方裁判所民事19部 御中

意  見  陳  述  書

原  告       渡 辺 厚 子

1、障がい児学校での日々
 私は、1979年に入都し、都立小平養護学校武蔵分教室を皮切りに、羽村をのぞけば、府中、大泉、北養護学校と肢体不自由校を歩いてきました。そしてほとんど、超重度重複障がい児と言われる子ども達を担当しました。彼らとノンバーバル・コミュニケーション(言葉によらないコミュニケーション)を築いていく面白さ、「もう一つの世界」が見える面白さ、私は価値転換を迫られ、人間というもののコアをいつも考えさせられました。相手に自分のすべてをさらして初めて自分の限界や相手への尊敬を体感できる世界でした。そうして私は、子ども達から沢山教えられ、「主体性」と「関係性」が大変重要であると考え実践してきました。
2、10・23通達
 そんな中、2003年10・23通達が都教委から出されました。この通達はそれまでの比ではなく、私たちが大事にしてきた卒業式そのものを壊してしまいました。
 通達前の2003年3月の卒業式はフロア形式、ロの字型対面方式で、私のクラスの生徒は、習いたての電動車椅子を、自ら操作してフロア中央に証書をもらいにいき、参列者全員の大きな拍手と歓声をうけました。校長も感激していました。
 ところが、通達後は壇上使用しか許されず、フロアでの電動車椅子走行は許されませんでした。ある生徒は、自分の意志とは関わりなく手や足が暴発的に動き、自分で舌や唇を噛み切ったり、関節に入った力を緩められず泣き叫ぶなどそれはそれは大変な生活をしていました。担任は、自信と生きる希望につなげようと、電動車椅子の練習を提案、親をいれて3人4脚で頑張ってきました。その熱意で生徒は電動車椅子の操作が奇蹟的に上達しました。そして巣立ちの日、みんなに、証書を受け取るときの自分の精一杯頑張っている姿を見てもらいたいと願ったのでした。同じ病気の弟がなくなっていたので生きている日の自分をみんなの中に残したい、と切実な思いだったと思います。
 しかし、この誇らしい小さな希望は、フロアで証書を受け取ることは「都教委が許可しないからだめだ。」と同じ校長にはねつけられました。担任は悔し涙で不起立しました。
 大事な卒業生を、最も輝かして送り出すことができない。絶対この通達は間違っている、この命令には従えない、担任の気持ちは痛いほど良くわかりました。私自身は、君が代起立時にトイレ介助で会場から出ないようにさせるため、受け持ち児におむつを付けろ、といわれ、屈辱と怒りに身がふるえ、絶対に従いたくないと思いました。
 「通達」は人間の尊厳を卑しめ、教育を破壊しています。このことを私は身をもって告発します。間違った通達と命令には従えません。
3、停職処分の過酷さ
 自分の良心、教育信念を曲げられない私は、否応なく不起立を繰り返すこととなり、停職処分を受けるに至りました。子どもに真摯に向き合おうとすると、子どもから引き離されてしまう。大変な苦しみでした。
 誰にとっても今日という日は大事です。が、夭折していく彼らにとって、今日のこの日の,家族、友達、先生たちと過ごす時間の大切さ、短い生命だが、精一杯生ききる日のこの貴重さは格別なものがあります。
4、採用拒否されて
 しかし、都教委が私の静かな40秒の不起立に対して加えた制裁は、停職処分だけではありませんでした。2010年11月、翌年3月の定年退職を迎え、非常勤教員を申し込み、面接にいきました。面接者は、私に2点質問しました。培ってきた実力のうち何を最も生かしたいか、ベテランとして若い教員をどう育てていくか。私は丁寧に答えています。しかし、1月、校長から申し渡されたのは、採用拒否でした。
 ところが、情報開示資料によると、戒告処分はおろか停職処分を受けた人も採用されていました。他方、「日の丸・君が代」で処分された者だけが100%拒否されていたのです。
 とどのつまり、都教委が「日の丸・君が代」で処分を受けた者だけを、思想的な理由で排除している、これが非常勤教員不合格の正体ではないでしょうか。いったい、裁量権をもつ者は、その権力をそのように恣意的、差別的に行使して良いものでしょうか。
 私は子ども達との関わりを熱望していました。生徒達への音楽療法を通じた関わりも、差別され苦しむ生徒達への権利学習も、板橋駅へのエレベーター設置要求も、多民族多文化の共生社会の一員として朝鮮学校やアイヌの人たちとの文化交流も、定着には道半ばであり、私はさらに努力したいと考えていました。
 それらを断ち切った都教委に対して、謝罪と損害賠償を求めます。
以上


東京「日の丸・君が代」処分取り消し訴訟 第4次提訴にあたっての声明
― 心の通い合う教育現場の再生を求めてー

 今年も卒業式の季節になりました。本日、私たち14名の原告は、東京都並びに都教育委員会(都教委)を被告として、処分の取消と損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴しました。
 私たちは、2003年10月23日に出された通達(「10・23通達」)に基づく職務命令に違反したとして処分を受けました。この通達は、教職員に対して職務命令を出し、「日の丸」に正対起立して「君が代」を斉唱させること、音楽教員にピアノを伴奏させることを校長に命じたものです。今回の提訴は、東京「日の丸・君が代」処分取消訴訟としては第4次提訴となります(第1次提訴2007年2月:原告173名、第2次提訴2007年9月:原告67名、第3次提訴2010年3月:原告50名)。
原告は、経済的損害に加え、筆舌に尽くしがたい精神的苦痛を被りながらも、粘り強く裁判を闘ってきました。その結果、2012年1月、第1次提訴に関して、最高裁の判決が出され、2013年9月には第2次提訴の最高裁判決が出されました。両判決とも、不充分ながら「職務命令が思想良心の自由への間接的制約になる」ことを認め、都教委の「累積加重システム」を断罪、減給以上の処分をすべて取り消しました。戒告については、残念ながら違法とまでの判決は出ませんでしたが、反対意見や補足意見が多く出されました。2012年判決では「自由で闊達な教育が実践されていくことが切に望まれるところであり、全ての関係者によってそのための具体的な方策と努力が真摯かつ速やかに尽くされる必要がある」(櫻井龍子裁判官)、2013年判決では「謙抑的な対応が教育現場における状況の改善に資するものというべきである」(鬼丸かおる裁判長)と述べられ、都教委に対し、反省・見直しを求める補足意見が相次ぎました。

それ以降、都教委は最高裁判決に沿った対応をするどころか、全く逆の対応を進めています。被処分者・該当者が求める話し合いには一切応ぜず、処分を取り消された方々への謝罪・名誉回復は全く行わない、さらにはあろうことか再処分を強行する、再発防止研修を異常なまでに強化する、一方現場では、批判を許さない体制を作り上げていく等々、反省のかけらも見られません。
また、この数年間で、都職員の昇給と勤勉手当に関する規則が2度にわたって改訂され、懲戒処分による経済的損失が大幅に強化されました。現在の戒告処分の方が、以前の減給処分より経済的損失が大きくなっているという状況が生まれていることも指摘しなければなりません。
「10・23通達」に起因する懲戒処分を受けた教職員は、延べ457名という膨大な数になりました。この数字は、東京の教育行政の異常さを雄弁に物語っています。
 
「10・23通達」からすでに10年余の歳月が流れました。この10年もの間、通達によって現場に大きな混乱がもたらされ、都教委による異常ともいえる「専制支配」がすすみました。今、現場の管理職は、都教委の顔色をうかがうだけで教職員の声に耳を貸さず、その結果、「何を言ってもムダ」という雰囲気が蔓延しています。通達以来の都教委のやり方は、学校の命である自由闊達な教育実践を大きく阻害してきました。その最大の被害者は生徒たちです。可能性に満ちた生徒たちを、これ以上都教委の横暴と強制の下に置くことは許されません。
私たちは、都教委の10年余の「暴走」を告発し、25名の処分取り消しを勝ち取った力で原告全員の処分を撤回させるため、本日第4次訴訟を提訴しました。教職員や生徒らの「思想・良心の自由」を守り、自由で民主的な教育をよみがえらせるために、教職員・生徒・保護者・市民と手を携えて、「日の丸・君が代」強制に反対し、すべての処分を撤回させるまで闘い抜く決意です。ご理解とご支援を心から訴えるものです。
2014年3月17日

「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団
共同代表  岩木 俊一  星野 直之
【連絡先】被処分者の会事務局 近藤 徹 携帯:090-5327-8318 e-mail:qq947sh9@vanilla.ocn.ne.jp

ファシズム国家はごめん

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