『週金』754号(6/12)の表紙を飾るのはホリエモンだ。《検証シリーズ・ケータイバブル崩壊=借金2兆4000億円ソフトバンクの自転車操業 (1)》でインタビューに答えているからなのだが…。
それはともかく、特集記事“メディアを考える”では、「日々情報に囲まれて生きている私たちにとって、メディアはひとつの環境ともいえる。…情報を得ているようで洗脳されているのか、批判しているようで踊らされているのか、メディアが何をどう描き、…描かないのか、そして私たちは何を信じたらいいのか───」と問題提起。まず、戦後のメディア研究の流れと今の状況について山中速人関西学院大学教授(参考)が概説する“ヘーゲルを生んだドイツがなぜヒトラーにだまされたのか”。そして三橋順子早稲田大学ジェンダー研究所客員研究員の問題提起“テレビの中の性的マイノリティ”。続いて弁護士で『マスコミはなぜマスゴミと呼ばれるか』(現代人文社刊)を書いた日隅一雄さんの“氾濫する情報からいかに事実を読み取るか”、だ。
この国のメディアリテラシーの希薄さについてはリアル読者会でもたびたび取り上げられたし、当ブログでも故あってマスメディアに対してマスゴミの呼称を使ってきた(“偏向報道”、例えば小沢秘書逮捕関連記事など)。
日隅一雄さんの“氾濫する情報からいかに事実を読み取るか”では、報道の中立や客観報道がいかにありえていないか、「実は日本では、報道の自由を制約するシステムが完成されて」いることについて、《放送行政が政府から独立していないこと》、《大手新聞・テレビ・ラジオの系列化》、《超巨大広告代理店に財布を握られていること》、《記者クラブによる情報独占》など具体的な例を挙げて日本独特のメディア支配の様態を解りやすく説明し、究極のメディアリテラシーの必要性についてかんがえているので、ぜひ一読を。
とはいえ、見開き2ページ記事では物足りない。政権交代が迫った今、どんな政権であってもジャーナリズムによる権力監視は必要である。『マスコミはなぜマスゴミと呼ばれるか』では、再販制度・特殊指定・宅配(新聞)、電波管理行政・放送免許・予算承認(放送)、クロスオーナーシップ(資本の持ち合い)など…の分析を通して日本独特の“メディア規制システム”を明らかにし、どう対応すべきか考える。
(練金術師)
練馬読者会6月例会
日 時:2009年6月27日(土) 19時から
会 場:喫茶ノウ゛ェル(西武池袋線大泉学園駅北口駅前)
会 費:喫茶代
問合わせ:nerikinjyutu@mail.goo.ne.jp
または03-3925-6039 近藤まで。