ネコオヤジのゆらりゆらゆら生活

これから数ヶ月のテーマは「ゆらりゆらゆら生活」です。私が興味を持っているもののまわりをゆらりゆらゆらして書いてみます。

陽水との出会いは萩原朔太郎でした

2010-02-14 22:57:53 | 芸能人&有名人
 遠い昔、陽水を初めて聞いた時、ガツンと殴られたようなショックを受けた。その当時凝っていた萩原朔太郎の世界と共通する、ナイフのような透徹さを感じたからだ。「氷の世界」で一気にメジャーになってお金持ちになる前の、ハングリーな陽水の世界、「断絶」、「センチメンタル」、「氷の世界」の3枚のアルバムに流れる世界はこれだと今でもそう考えている。
 ハングリーじゃなくなって、一時期陽水の音楽から刺すようなシャープさが消えて、失望とともに陽水からすっかり離れた時期が、実は長かった。聞いてても全く感動しなくなった。ハングリーでなくなった陽水が「Make-up Shadow」に代表されるような「やるせなくてカラフルな色気」とでもいう世界を自分の世界として身につけた時、陽水はまた、私の中で存在感を取り戻した。これが陽水のエラいところで、一発屋で終わる人は、売れてハングリーでなくなると同時に魅力もなくしちゃうんだろうが、彼はハングリーでなくなった自分から出発して新たな世界を築いて、一層大きくなってしまうんだから。
 それにしても、詩、音楽、ボーカルという芸術の3つのジャンルを独り占めにし統合して縦横無尽に自由にしなやかに飛翔する陽水、あなたってホントにスゴすぎますね。

陽水のNHKロング特番を見て感じた、同時代に生まれた幸福

2010-02-14 18:54:22 | 芸能人&有名人
 年末に大画面テレビに買い替えてから、NHKのBSを見る機会が多くなったが、先日陽水の5時間くらいぶっ通しの特番を見た。陽水のことをしみじみ考えなおすことができ、楽しい時間だった。「断絶」で出てきたときからの大ファンだから、無限に書くことがあるが、あれだけ長時間、陽水に関するコンテンツを見続けたのは初めてで、陽水にどっぷり浸ったわけだが、そこで感じた正直な感想として、彼と同時代に生まれ育ってラッキーだったと思った。かつてある評論家が、志ん生と同時代に生まれたことを幸福に思う、と書いていたが、まったく同じ気持ちだね。月並みだが、やぱりとてつもない魅力をもった、他に比肩できる人が世界に誰もいない、オンリーワンの大天才だと思った。こういう人を生み出した日本という国はすごいと思ったし、こういう人をきっちりスターにする我々日本人も結構すごいと思った。
 それにしても、ロングインタビューで見る陽水って、あんなに大巨匠なのに、威張らず飄々として、気さくなフツ―のおっさん、みたいで、また惚れ直した。
 書きたいこといっぱいあるので、これから何回かに分けて書いていくが、今日はあと一点、彼の代表作について。番組の中で彼自身が「少年時代と答える人も多いのではないか」というようなことを言っていたのを聞いて、自分にとっては何かなと考えてみた。一つを選ぶのはもちろん不可能だが、あえてひとつ選ぶなら、やっぱり「心もよう」だね。彼のエッセンスがすべて入っているような感じがする。発売当時、「帰れない二人」のB面として出そうという意見が多かったというの話も初めて知っておもしろかった。「心もよう」に関してはまた改めて書く。私にとっての代表作群、としていうなら、「いっそセレナーデ」、「Makeーup Shadow」、「夢の中へ」、「五月の別れ」、「いつのまにか少女は」などかな。ちなみに、カラオケで一番多く歌った回数が多い彼の作品は「Make-up Shadow」で、女の子のいる店で歌ったりすると盛り上がる。あなたはどうお考えですか?
 

上村選手お疲れさま。オリンピックで勝つ難しさを痛感。

2010-02-14 18:10:08 | スポーツ
4位の上村、涙「悔しいけど満足」(読売新聞) - goo ニュース

 4位という成績で、いい滑りができて満足というのもウソじゃないだろう。でも、本心は悔しくて悔しくて号泣したいんじゃないか。金メダルだけを狙ってここまで厳しい練習に耐えてきたはずだ。でもそうは言えない彼女の「おりこうさんぶり」がかえって痛々しくて、見ていられなかった。
 「オリンピックで4位」という成績だって、ものすごく偉大なことなのに、こちらは期待しちゃってるもんだから、申し訳ないがつい「なんだ4位か」なんて思ってしまう。 これで、またひとり、瀬古を筆頭とする「オリンピックで勝てなかった世界的名選手」クラブに入会だ。オリンピックで優勝大本命とと言われて勝つことの難しさをまたも思い知らされた。彼女の場合、あれだけオリンピックに出て、ワールドカップでも勝って、実力は世界レベルなのに、金どころかメダルが一個もないんだから、悲運というほかはない。厳しいけど、実績としては、メダルを2個取った里谷選手の方が、段違いで格上ということになっちゃうわけでしょ。
 先日NHKアーカイブズで、72年の札幌で、絶対本命と言われて金メダルを取ったジャンプの笠谷選手のドキュメンタリーをやっていたが、あそこまで日本中だれもが金メダルを確信するような期待が充満していたとは知らなかった。あの状況で期待通り勝った笠谷選手の偉業に今更ながら驚きどころか恐ろしさを覚えた。あれはもう人間技じゃあないね。同じ人間としてはむしろ上村選手に大いに感情移入してしまう。
 慰めで言うわけではないが、今回のことで、上村選手は人の弱さとかつらさとかも繊細に理解できるような人間的成長を随分果たしたんではないか。今後はこの経験を生かして指導者としていい選手をどんどん育ててほしい。もう少し現役を続行するのなら、大いに頑張ってほしい。