南房総館山・なぎさの自然詩

絶滅危惧種のシロチドリ

3月30日、31日、4月1日の3日間南西風が吹き続き、ようやく風が止んで穏やかな天候になりました。

南房総でも南西風の影響を特に強く受けるのは太平洋側の平砂浦から白浜にかけての海岸です。

ここ最近は強風が続けて吹く日が多いので、WINDYというサイトを見て風予報の参考にしているのですが、南西風が強い時は東京湾奥の都心部でも強風が吹いている事に気がつきました。

都心部での強風はビル風となって、四方から吹き、竜巻のようになったりしないのかと想像しました。
風という空気の塊は様々なものを吹き飛ばしてしまうので、途轍もない脅威に感じています。
小さなシロチドリ達にとっても強風は、ひたすら耐えて過ぎ去るのをジッと待っているのだと思います。
ようやく穏やかになった海岸へ行くと、早速シロチドリの姿を見ることが出来ました。
 
ここでは6羽のシロチドリが餌を探したり、海藻の側で休んでいましたが、時々オス同士の争いが起こっていました。
 
海が荒れた後の砂浜にはたくさんの海藻が打ち上げられていました。
こういった海藻にはシロチドリが餌とする生き物がたくさん集まって来ています。
 
そしてウミスズメも多数打ち上げられていました。
私が確認したのは6匹。
荒れ続ける海の中で逃げ場もなく、耐えられなくなってしまったのかもしれません。
 
打ち上げられた海藻の縁に見つけたのはネコザメの卵です。
一見すると海藻と見分けがつきません。
卵といってもすでに孵化した後のもので、打ち上げられてから時間が経っていたのかカラカラに乾いていました。
 
そして先程のシロチドリの群れから離れた場所にも、番と思われる2羽がいました。
この2羽のシロチドリから随分離れた場所で、夫が偶然卵を見つけたのです。
 
その場所を教えてもらって見てみると、小さな凹みの中にウズラ卵と同じくらいの大きさの卵が3つ置かれていました。
近くに親鳥の姿が見えず離れた場所でしばらく待っていたら、いつの間にか親鳥が戻ってきていました。
シロチドリの卵は約3週間で孵化するそうなので、4月2日に見つけた卵は4月23日頃にヒナの姿が見られるかもしれません。
孵化したヒナは約3週間位で飛べるまでに成長するそうなので、これから先が楽しみです。
しかし人間的感覚だと樹上の巣では無く砂浜に直に卵を産んでいたので、間違って踏んでしまわないかと心配です。
これで無事にヒナが孵化出来るのか、とても不安に思いました。
この海岸は観光地と言う事もあって、土日ともなると人の出入りが激しく、更にヒナ達が動き回る時期はちょうどゴールデンウィークと重なります。
海岸では犬を連れた方もいるので、犬に捕まってしまったり、まだ飛べないヒナ達が人に踏み潰されたりしないかと色々想像してしまいます。
シロチドリは千葉県では絶滅危惧種としているのですが、特に対応をしているようではありません。
シロチドリを守る条例などがあれば、海岸への人の立ち入りを制限出来たり、他にもシロチドリの繁殖を妨げる行為にも規制が設けられたら、とても心強いと考えています。
この海岸を8羽4カップルが繁殖地として選び、これから9月までの半年間を過ごしていきます。
これからしばらくは、シロチドリの子育てを影ながら見守っていきたいと思います。
 
餌を探し脚を素早く動かしていたシロチドリの動画です。

 

 

 
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