南房総館山・なぎさの自然詩

タコノマクラとアオサギ


普段は穏やかな館山湾ですがうねりが入り波が高くなっていました。
まるで台風の時のような力強い波が大きな音をたてて、ザバーンと砂浜や磯へ打ち寄せています。
こんなに高い波を近所の海岸で見るのは珍しい事なので、波の写真を撮るのに良い機会だと思い、堤防の上からチューブ状になった波を撮ることが出来ました。


そして港ではいつものアオサギに出逢えました。
このアオサギはこのあたりの海岸をテリトリーにしているのです。
漁港がお気に入りのようで、魚市場の屋根の上にいたり、堤防で休憩していることが多く、海岸で出逢うお馴染みさんなのです。
左脚の真ん中の指を骨折してしまったようで、その指が上を向いてしまっているので、それを見て識別しています。
秋から春にかけてこの海岸で過ごし、繁殖期になるとここから姿を消して居なくなります。


砂浜には綺麗な貝溜まりが出来ていました。
どんな貝殻が打ち上がっているのかワクワクします。
ゆっくりと貝殻を探しながら歩くと、ミスガイを見つけました。
手に取ってみると、住人がいて身を動かすのがわかりました。
生きていると思い潮溜まりに連れて行きました。


海水に浸かったら縮んていた体を少しずつ広げていって、ゆっくりと磯を移動していました。
元気な姿を見てひと安心です。


そして8本脚のヒトデ。
その名もヤツヒトデと言うそうで、初めて見ました。


荒波に揉まれてたくさんタコノマクラが打ち上がっていました。
表側の棘は無くなっていて、裏側の棘は残っていましたが、この状態では多分死んでしまっていると思われます。
タコノマクラ(蛸の枕)と名付けたのは神奈川県三崎の東大臨海研究所にいた漁師の青木熊吉さんという方だそうです。
とてもチャーミングな名前を付けてもらったこのウニですが、普段磯で見るウニと比べて棘が短くなっているのは、砂底や砂の中に潜って生息するからなのだそうです。
底生生物と呼ばれるこの生きものはこの海岸には他に、スカシカシパン、ハスノハカシパン等がいます。
どれも独特な名前ですが、みんなウニの仲間です。


タコノマクラと同じ場所にアオイガイもありました。
ここ数日でかなりの数のアオイガイを拾っているので、海がとても荒れていた事が想像出来ました。
アオイガイのように海面を漂いながら生活する生きものにとっては、穏やかな海と荒れた海で生死を分けることになるのだと思います。
自然の中に生きる事は厳しい条件の中で生き残ることだと考えますが、自分にはその中で生き残れるために必要なの事が、足りないものばかりだと感じます。
海岸で出逢う生きもの達にたくさんのことを教えてもらっているのですが、まだまだ色々と試行錯誤な状態です。


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