だらけ

楽しく生きることを考える

世話する人々(前半)

2008-03-11 08:11:10 | Weblog
昨日の夕方は美しい色の空でした。午前中に降った雨が空のヨゴレを払ったかのようです。揺り篭みたいな細い月が美しく輝いて空に掛かっておりました。
さて、少し早目に帰宅すると、家の手前でいつもより甲高い野良猫の声が聞こえてきました。にゃおん。にゃあにゃあ。一匹の鳴き声ではありません。何事かと思って足を速めると、野良たちにご飯をやっているオバサマがいたのです。
(この人か・・)
私の住むマンションの敷地内では毎日野良猫に餌をやる人がいて、そのことをよくないと思っている人たちもいます。時々問題にはなるのですが、今まで具体的に策がこうじられたわけではなく-そのことに私はそっと胸を撫で下ろしているのですが-一体どういう人が猫たちに餌をやり、批判が出ていることを知っているのだろうかと一人気を揉んでおりました。
そのオバサマはトレーナーにジャージ、軍手というラフな恰好でしたが、仕事から帰ったばかりなのでしょう、顔は綺麗にメイクされ、いやそうでなくてもかなりの美人で上品そうな人です。
「3匹もいるのですね。」オバサマの横にしゃがみ込み、思いきって話し掛けました。
「あ、えぇ。本当は2匹なんですけどね。発情期だからこのメスのところに黒ちゃんが来ちゃって。あっ、黒、ダメでしょっ、お前はあっちでもらってるんだから。」
「あっち?他にもご飯をやっている方が?」
「ええ。マンションの向こうのブロックでね。」
「毎日?」
「はい、毎日。黒、だめだって!」
黒と呼ばれたその老齢のオスはライバルのオス猫に唸り声をあげはじめます。オバサマがすかさず軍手の手を挙げ追い払う・・そのための軍手だったか。
「この(メス)子は避妊手術したから大丈夫なんですけどね。」
「えっ!」
「去年、やっと捕まえられてね。この子は去年一匹子猫を産んで、それはすぐに捕まえられたから里子に出したのですけど。」
「ボランティアで?」
「ええ、野良猫を保護するボランティアをやっています。」
「この子、慣れてますものね。」
「だいぶんね。もうそろそろこの子も引き取り先を探してもいいかしら。この黒はね、もう10年ぐらい野良だから無理ですけれど、この子は3才だからまだ大丈夫。」


※長くなりそうなので後半につづく。(職場に着いてしまった)

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