腹水が溜まって入院してから、1ヶ月経った。
腹水を抜き、いままでの抗がん剤が効いていないことがわかった。
抗がん剤を新しくしようとしていた矢先、依然からの足のしびれや傷みがひどくなりMRIを撮る。がん細胞が骨を浸食していることが判明。入院している病院では放射線治療が受けられないため他の病院に二回通ったところで肺炎になる。
肺炎から二日で自立歩行が難しくなる。
生きていくのに介護されることが必要と . . . 本文を読む
猫村さん目指して、とれーにんぐ中にゃ。
目標は、完全自立型二足歩行!
前掛け(エプロン)の蝶結びの練習も必要にゃのだ。
あとは、ご主人のために働こうという前向きな気持ち………これが一番の難関かもしれにゃいにゃーん。 . . . 本文を読む
今日の病院のおやつはカボチャ餡のおまんじゅう。割ると、濃い黄色のカボチャ餡がたっぷり詰まっていた。
赤ん坊の煎餅などが出されてげんなりする時もあるのだが、時々、粋な手作り菓子が出てきてほっこりさせてくれる。
菊の御紋みたい。 . . . 本文を読む
昨日までの雨はあがったが、太陽はまだ雲の中だ。京都の空は厚い雲で覆われている。
…暇だ。
時間があるのに、何もやる気がしない。したがって、暇。
テレビを点けても、気分が悪くなるニュースばかり…タニガキさんとかオザワさんとかカンさんとかの小学生並みのボス席争いにはうんざり。
てなわけで、テレビも観る気がしない。
ふと、自分の足を見る。
筋肉が落ち、骨が浮き出た棒のような足がそこにある。急 . . . 本文を読む
弟たち夫婦がやってきた。かわいい青い目の猫ちゃんを連れて。
義妹は、母を亡くしたばかりだけど笑顔だった。前より饒舌で、親しみを感じた。
彼女は来る直前にメールを寄越し、「私の母は亡くなりましたが、京都のお母さんにはがんばってほしいです。」と言っていた。
私の母も嬉しそうだ。
ふと、私がもし母より先に逝っても、ここに新しい母娘がいるのだ、ということに気づく。
にゃーんだ。
少し安心した。 . . . 本文を読む
夕飯のデザートにカステラのクリームサンドがついてきた。
ストロベリークリームとバニラクリーム。カステラの生地にバタークリームの組み合わせはどこか懐かしい味だ。
夕飯の前に病室を訪れた主治医が、
「来週から抗がん剤の点滴か、今腹水を抜いているチューブから抗がん剤を直接入れるか…治療しましょうね。」と言って去っていった。
私のお腹の中で、勝手気ままに振る舞うがん細胞たちよ、ざまあみろ、来週は抗がん . . . 本文を読む
食べ物が口に入ると、空気も一緒に飲み込む。それが詰まってしまうので、食事を摂るのが難しい。
病院の食事は4割程度食べられればよい方だ。
なかなか食事量が増えない私に、回診にきたドクターがいろいろと聴いてくれる。
食べやすいものを食べればいいからね。
う~ん…アイスクリーム?
おっ、アイスクリームいいねえ。タンパク質、糖質、脂質。あのガリガリってやつじゃなくてね。
バニラとか?
そうそう . . . 本文を読む
庭のチェリーセージが咲き誇る。一度咲き始めると、息の長い植物である。
セージは様々な香りのものがあるが、このチェリーセージは特に甘い香りで良い。
近くに寄ると、知らず知らず息を深く吸い込む。
サルビアの花に似た花弁をひっぱり、がくについていた白いところを口に含んで吸うと、砂糖の塊をちょいと舌に載せたぐらい甘い。そして、純粋な甘さである。
はやく家に帰って、チュッてやりたいなあ。 . . . 本文を読む
母が毎朝ネコの写真を送ってくる。ネコの写真を撮るのが今一番楽しいらしい。
昨日、急に電気屋に行って、ハンディカムを買ってきた。「撮る」だけではなく、「録る」方もやりたくなったとか。
母なりに何か残したくなったか。
我が家にやってきたビデオカメラは、これで2台目である。初代は私が小学高学年頃にやってきたのだったか。
おそらく、子どもたちの成長を記録したかったのだろう。…実際、録ったものをみせ . . . 本文を読む
雑誌に載っていた空豆のフォカッチャ。携帯で撮ったら、自分の手の届くところにこのパンがありそうだ。
今日、主治医から「腹水がたまるのは、多分散らばっていたがん細胞のせい。」「今までの抗がん剤をやめて、点滴の抗がん剤を使います。」「だから、あと1週間は腰を据えて入院になります。」と言われた。
12月に手術した時には遠のいたはずの「死」が、実はすぐ手の届くところに居たことに気づかされる。
健康に過 . . . 本文を読む