背中の目

覚書

syrup16g

2008年03月08日 | 音楽
死んでしまうわけでも
生きていけないというわけでもないけれど

それでも、やっぱりその存在が
人からすれば馬鹿馬鹿しいのかもしれないけれど
なくてはいけない存在がsyrup16g、五十嵐隆、そのもの、音楽でした。

そもそも最初から知らなくても
生きてきたし
それから知ることがなくても
生きていける。
お腹は空くし、泣くし、笑うし、怒るし、息も吸える。

だから、絶対的存在なのではないと分かっています。


だけど。
「もういない」のだと思うと、少し不安定になる。
いてもいなくても同じで、音楽は傍にあると思う。
もうそれは届いたものだから。
出された答えの『解散』という事実、現実。
目の当たりにした真っ白なライトで照らされた彼と私達の決定的な瞬間。
その時に、これが最後で、これが永遠だと。

泣きたくなる。
泣いても、また笑える。
笑えるし、また、泣きたくなる。

大好きだったし、今も救われたいとしがみつきたい。
許されたいと、思っている。

どうしたら自分が抱える闇から自分が抜け出せるのかを
答えが自分の中からは見出せずに
ただ「わからない」で逃げていた。
今も。

そんな思いを投影させて、勝手に重ねて。
誰にとっての嘘で、誰にとっての真実で、それはその人それぞれでよくて。
だから私には、この人がその重ねられる人で。
闇という名の光、でした。


きっと。
あの日本武道館でのライブが最後だったと
根底では未だに実感がないのです。
あんなに晴れ晴れしく終わった、あのライブ。
後姿のあの人は、今まで見たライブのどの姿よりも
大きくてがむしゃらで。歌っていたと思うのです。


何年も前。
ROCKIN'ONの掲示板で度々見かける「Syrup16g」というバンドのアルバムを
今はもうなくなってしまった心斎橋のタワーレコードで見かけました。

その出逢いから、6年目。
まだ、6年だったんだなぁ。
彼は最初から問いかけている。
自分に、自分を聴く相手に。
君に存在価値はあるか、と。

最後まで問いかけている。
きこえているか、と。





いつのまにか
ここはどこだ
君は何をしてる

乾かぬまま
白いシャツは
風に揺られ飛ぼうとする
大空へ

歩道の上
うつぶせでも寝れる
ひんやりしてる

渦の中
覗き込めば見える
恥ずかしい気持ちが
それとなく

いいさ どんな言葉でも
受けるよ
いいさ どんな言葉でも
受けるよ

知らせるさ 君には
きこえるかい
知らせるさ 君には
きこえるかい

syrup16g「きこえるかい」