
彼は非常に礼儀正しくもなく
会っても挨拶もしない人でした
キーボードで入ってきたのですが
国立大学の学生で
英語はぺらぺら
譜面は何でも演奏してしまう
僕にとってはとても厄介な
存在でした

☆****☆
バンド演奏で
メロディを右手で弾きながら
左手で僕が苦労して弾いている
ベースの譜面を笑いながらひいていました
☆****☆
彼はメンバーの話だと
校長先生の2号さんの子供で
とても頭がいいんだと
言っていました

演奏が始まる30分前、
「社員風呂へ入りたいんだけど..」
「バンドマスターが入っているからな..」
と、困っていたので、僕が
「上の大浴場へ行けばいいじゃん」と言うと
彼は喜んで飛んでいきました
ところが、開演の時間になっても
戻ってこない
バンドマスターはイライラして
「あいつはいったいどこへ行ったんだ。」
「風呂へ行くって言ってましたよ。」と、僕が言うと
「風呂になんかいなかったぞ。」
「大浴場じゃないですか..」
「なに、」
「あそこは従業員は入浴禁止だぞ、、
オレだって一度も入ったことがないんだ」
そこへ、彼が、濡れた頭で
息を切らせて走って来たのです
「ば、ばかやろーっ」
バンドマスターの大きな声がホールに響きました







