作曲家の中村洋子氏が、雅楽の様式や沖縄音階などの影響のもとに書いた6曲の無伴奏チェロ組曲。そのどれもが雄大で能弁、耳にしているつもりが身体丸ごと呑まれる感覚に陥ります。日本の四季や古き善き農村、祭りや宴といったものたちが走馬灯のように現れては消え、また現れます。チェロの跳躍する野太い音とうねり、弾き手ベッチャー(カラヤン時代のベルリンフィルで、1963~76年まで首席チェリスト)の絶え間ない唸りに凄みを感じずにはいられません。ふと宮沢賢治の作品世界を想起させる旋律やモチーフもあり、SACD層で聴けば尚、このアルバムの醍醐味を体感できます。心が打ち震える一種幽玄なメロディー、これは紛うことなき日本人作曲家が書いた、空前絶後の作品集です!! チェロを体で味わえる一枚!!
中村洋子:無伴奏チェロ組曲第一巻(第1番~第3番)
中村洋子:無伴奏チェロ組曲第二巻(第4番~第6番)
中村洋子:無伴奏チェロ組曲第一巻(第1番~第3番)
中村洋子:無伴奏チェロ組曲第二巻(第4番~第6番)