事のなりゆき

日々のなりゆきを語ります

逝ってしまった迎人②

2008-12-10 15:57:41 | Weblog
北海道を旅する人は夏派と冬派に分かれるかもしれない。夏は開放的で、大地や草原に包まれているかのうような快感を味わえる。一方の冬は生命の危険さえ感じられるほどの厳しさに襲われ、人間の小ささ、自然の驚異を感じざるを得ない。美瑛には通算すると冬に訪れた回数の方が多い。そういう面では私は冬派かもしれない。車での渡北は無理なので、あまり気が進まないが飛行機を利用する。千歳に降りると、ピリッとする寒さが北海道に降り立った、らしさを感じる。レンタカーに乗り、札幌へ行くと千歳とは雪の量が違う。さらに北上し旭川へ行くと雪の量に加え、気温がまったく違う。千歳よりも札幌よりももっとピリっとする。真冬だと日中でもプラス気温にはならない。夏は砂埃が舞う国道沿いも冬には雪煙が舞い、前の車を見失う。美瑛は雪に覆われ、動植物が眠りについているかのうように静寂が保たれていた。車から降りて、1~2分歩いただけで、体温が奪われる。迎人のいらっしゃいの声で、生命の危機さえ感じる脅威から開放される。そして玄関入ってすぐのところには大きな薪ストーブが芯まで冷えた身体を暖めてくれる。ペンションの中はいつもポプリの香りがする。迎人の心遣いが感じられる瞬間でもある。以前聞いたことがあった。ペンションの中で一番こだわったのが、風呂だという。それぞれの部屋にも風呂はもちろんあるが、もうひとつある。それは貸切風呂で、使用中の木の札を入り口にぶら下げておくだけで、貸切に出来る。20畳もあるだろうか。タイルはまぶしいほどの白。正面は一面ガラス張りで夏ならば草原、冬ならば雪原が一望できる。建物がまったくないから覗かれる心配がない。暗くてジメジメ雰囲気はなく、開放的で心から温まれる空間だ。しかもジャグジーがついている。この空間に入りたいがために来るという旅人もいるという。迎人のこだわりがうれしい。
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