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厚木市議会議員「奈良なおし」の思うことをそのままに

「教育困難大学」という現象

2017-11-08 12:40:14 | 日記
twitterのトレンドに「教育困難大学」という言葉が入っており、何の事かと見てみると調べてみると8月3日の東洋経済に掲載された記事がきっかけらしい。

「教育困難大学」のあまりにもひどい授業風景
小学生レベルの知識が欠落している学生たち


要約すると「教育困難大学」とは、どんな学力の志願者でも受け入れを行っている大学を指し、受け入れたまでは良いけれど、受け入れた学生の授業に対する意欲が低く、また、そもそも高等教育のレベルについていけない学生なども受け入れている事から、学生がなにも学べないまま形骸化した学士を生み出している大学を指してるとのこと。

私は32歳から日大通信の法学部で4年間大学生でした。

通信教育とはいえ、4年間で30単位ぐらいはスクーリングで単位を取らないといけないので、その期間は当時、水道橋にあった校舎に通っていましたが、そこで学生の属性をなんとなく理解した限り、

1)授業料が安く(年10万)経済困窮等の理由で来た現役学生世代の若い子
2)私のように若いころ大学に行きたくても行けなかった社会人
3)学ぶことを生涯の楽しみとして学ぶ社会人

こんな感じで、私が受けたスクーリングでは18歳から81歳の方までが肩を並べて学ぶというすごい教室だったのを思い出します。
少なくとも、学ぶ意欲がある人しか来ないのが通信であり、また、その中でも聞きたい授業を聞きに来るのが通信のスクーリングなので、学びに対する意欲の高い人であふれており、こういう記事をみると「環境があるのにもったいない」としか言いようがないです。

こうした問題が発生する背景にはもちろん原因があり、大きくは大卒じゃないと給料も上がらない、出世もしない、こうした感覚が世間には根付いており、とにかく「大学は出ろ」という親御さんは多いのではないかと思います。

こうした需要に応える形で大学側も規模を増やしており、文部科学省の「文部科学統計要覧」によれば、私たち団塊ジュニア世代が大学へ進学していた1990年の数値では全国に507校(国立96、公立39、私立372)というものが、2014年の資料では全国で781(国立86、公立92、私立603)という数字となり、少子化が進む中でも大学の設置は進んできた背景なのだと思います。

一方、twitterの意見をみていると「教育困難大学は潰してしまえ」という意見を多く見ますが、単に切り捨てるだけではなく、絶対数と大学によって違いはあるとはいえ、あらゆる大学に学ぶことが困難な学生が入って来ていると考えるべきではないか?と思ってます。人は何らかのきっかけで学ぶことの楽しさを発見出来る部分はありますから、その楽しさを発見できる工夫は必要ですし(該当する大学の講師も工夫されているとは思いますが)、入学したら卒業というシステムではなく、分野はともかく知識をつけた子だけが学士号を取得できるような形にしていくべきなのでしょうね。

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