連行される?
私は解放されたわけではなかった。
まだ彼の管理下に置かれていた。
妻たち3人は、いつまでも姿を見せない私をさがして不安そうに辺りをきょろきょろしている。
でも気づいてくれない。
私は職員の制止も聞かず再び大声で[SAYOKO,SAYOKO」と声を限りに叫んだ。
するとG女史が気づいてくれ、私の方を指差して妻に教えている。
駆け寄ってくる妻。
「いったいどうしたんですか?」説明する暇はない。
「パスポート、パスポート、パスポートを出してくれ」
そばで見張っている白い制服の職員に私のパスポートを提示した。
これで地獄から完全に解放され、一件落着かと思った。
ところがパスポートは見ようともしない。
(判別、識別能力がないのであろうか?)
だめだという。
写真を撮るからと、再び私を連行していく。
自分に課せられた職責に一途なのであろうか?
妻は何が何だか理解ができない様子だが一緒についてきた。
「ここで君の写真を撮るから待つように」
そこは私が最初に眼鏡を尋ねた[DEPARTURE INFORMATION」カウンターの前であった。
取り次いでくれた彼女がまだいた。
ここが地獄の入り口だったと彼女が「不幸の魔女神」に見えた。
彼は、わたしが逃亡しないか不安なしぐさで、「ここで待つように」と言ってカメラを取りにオフィスに消えていった。
この間、妻に事の次第を説明した。
「パスポートはどこであれ、携帯していなければいけないのですね。」と妻、いい勉強になった。
反省しきりであった。
CEBU行きの飛行機にはまだ時間があるそうな。2時間の余裕が幸いした。
ところが、彼はなかなかオフィスから出てこない。
連行されても既にパスポートはあるし、心に余裕が出てきた。
先ほどまで沸騰していた血圧も落ち着いているようだ。
やっと現れた彼は、カメラではなく、あろうことか左手にコーラの紙コップ、右手をストローに添えコーラを飲みながらいたってのんびりムードで出てきた。
こちらに来るかと思いきや、私たちを見るでもなく背を丸めてストローをくわえながら立ち去って行った。
一体どういうこと。
私たちのこと忘れてしまったの?!
こちらにとっては好都合。唖然とする私たち。
妻と私は、立ち上がって彼が人ごみの中へ消えていくのを見送っていた。
自由の身を確認した瞬間でもあったが、それにしても、なんとも締まりのない結末であった。
マニラ航空職員、相当タガが緩んでいる。
全員集めてもう一度再教育をしなければいけなのでは?と痛感。
無事に、CEBU行きの飛行機に乗り、先ほどまでの地獄の出来事の数々が思い出された。
安堵感と解放感からか放心状態であった。
うつろな目で機内の窓から外見つめていた。
疲れがどっと出てきた。
やがて飛行機は騒音を響かせてcebuに向かって飛び立って行った。
それにしても許せない航空職員たちだと、再び腹の虫が騒ぎ出していた。
これから向かうセブでは4日間の滞在である。
セブキャンパスでもフォーラむが予定され私も30分のスピーチがある。
あとは、教授たちと一緒に行動を共にした観光がメイン。
セブはフィリピン最大の観光地。
日本でも有名なリゾート地だ。
これからの旅に期待しよう。
ところがcebuで再び、心凍る出来事が襲ってくるとは露とも知らなかった。(続く)
私は解放されたわけではなかった。
まだ彼の管理下に置かれていた。
妻たち3人は、いつまでも姿を見せない私をさがして不安そうに辺りをきょろきょろしている。
でも気づいてくれない。
私は職員の制止も聞かず再び大声で[SAYOKO,SAYOKO」と声を限りに叫んだ。
するとG女史が気づいてくれ、私の方を指差して妻に教えている。
駆け寄ってくる妻。
「いったいどうしたんですか?」説明する暇はない。
「パスポート、パスポート、パスポートを出してくれ」
そばで見張っている白い制服の職員に私のパスポートを提示した。
これで地獄から完全に解放され、一件落着かと思った。
ところがパスポートは見ようともしない。
(判別、識別能力がないのであろうか?)
だめだという。
写真を撮るからと、再び私を連行していく。
自分に課せられた職責に一途なのであろうか?
妻は何が何だか理解ができない様子だが一緒についてきた。
「ここで君の写真を撮るから待つように」
そこは私が最初に眼鏡を尋ねた[DEPARTURE INFORMATION」カウンターの前であった。
取り次いでくれた彼女がまだいた。
ここが地獄の入り口だったと彼女が「不幸の魔女神」に見えた。
彼は、わたしが逃亡しないか不安なしぐさで、「ここで待つように」と言ってカメラを取りにオフィスに消えていった。
この間、妻に事の次第を説明した。
「パスポートはどこであれ、携帯していなければいけないのですね。」と妻、いい勉強になった。
反省しきりであった。
CEBU行きの飛行機にはまだ時間があるそうな。2時間の余裕が幸いした。
ところが、彼はなかなかオフィスから出てこない。
連行されても既にパスポートはあるし、心に余裕が出てきた。
先ほどまで沸騰していた血圧も落ち着いているようだ。
やっと現れた彼は、カメラではなく、あろうことか左手にコーラの紙コップ、右手をストローに添えコーラを飲みながらいたってのんびりムードで出てきた。
こちらに来るかと思いきや、私たちを見るでもなく背を丸めてストローをくわえながら立ち去って行った。
一体どういうこと。
私たちのこと忘れてしまったの?!
こちらにとっては好都合。唖然とする私たち。
妻と私は、立ち上がって彼が人ごみの中へ消えていくのを見送っていた。
自由の身を確認した瞬間でもあったが、それにしても、なんとも締まりのない結末であった。
マニラ航空職員、相当タガが緩んでいる。
全員集めてもう一度再教育をしなければいけなのでは?と痛感。
無事に、CEBU行きの飛行機に乗り、先ほどまでの地獄の出来事の数々が思い出された。
安堵感と解放感からか放心状態であった。
うつろな目で機内の窓から外見つめていた。
疲れがどっと出てきた。
やがて飛行機は騒音を響かせてcebuに向かって飛び立って行った。
それにしても許せない航空職員たちだと、再び腹の虫が騒ぎ出していた。
これから向かうセブでは4日間の滞在である。
セブキャンパスでもフォーラむが予定され私も30分のスピーチがある。
あとは、教授たちと一緒に行動を共にした観光がメイン。
セブはフィリピン最大の観光地。
日本でも有名なリゾート地だ。
これからの旅に期待しよう。
ところがcebuで再び、心凍る出来事が襲ってくるとは露とも知らなかった。(続く)