三国ヶ丘便り

旅行、釣り、周辺の自然について、書き綴りました

人類の横暴

2020-04-13 16:13:41 | コロナ
愚かな人類 

ケンが生まれたのは地球に新型コロナウイルスが襲った21世紀から200年が経過していた。
ケンが住んでいる地球上からはすでに緑が消えてしまっていた。
森が消えたことで鳥たちの鳴き声も消え動物たちも食べ物や住みかがなくなり
たくさんいた動物たちも全くいなくなってしまった。
ケンたちも食べ物もほとんどなくなり毎日食べることができなくなっていた。

ネーネーじいちゃん、どうして地球はこんなことになってしまったの?
大洋に沈んでいく真っ赤な太陽が二人の顔を染めていた。
じいちゃんはやせこけた腕でケンの肩をそっと抱き寄せた。
二人がながめている丘の上も見渡すがぎり草や木は全く生えていない。
海の色も鉛色にそまり魚もいない死んだ海だった。
                          続く
そうだね、昔の大人たちが贅沢しすぎたのだよ。
じいちゃんは遠くに目線を送り静かに言った。
ぜいたく?孫のケンには「ぜいたく」という言葉がわからなかった。
ネーネーじいちゃん、昔の人達は毎日3回もたべていたとは本当なの?
そうだよ。それもごちそうをお腹いっぱい食べることができたのだよ。
ケンとは違い大人も子供たちも体は丸々と太っていたそうだ。
やせ細った二人には昔の人たちがうらやましいと思った。
じいちゃんは静かに話し出した。
それもね、美味しいものを食べ過ぎて病気になる人がたくさんいたみたいだよ。
病気になるまで食べたの?どうして。ケンには理解できなかった。
動物は生きていくために食べているだろう。
ところが人間は生きるためではなくグルメとか言ってさらに美味しいものを求めていた。
それと昔の人間は美味しいものがたくさんあったから、ついつい食べ過ぎていたのだよ。
そしてたくさんの人が病気を抱えることとなった。
食べ物も、少しでもふるくなると賞味期限が過ぎたといって捨てていたそうだ。
「ショウミキゲン?」ケンにはまたもや初めて聞く言葉であった。
じいちゃんそれどういうことなの?