東海道本線・中央本線・東北本線などの起点であり、日本の鉄道の象徴とも言える東京駅は、6年がかりで1914年に完成。辰野金吾の設計による建物は、ルネッサンス様式の鉄骨煉瓦作りで、床や屋根は鉄筋コンクリート、外装は煉瓦と石材からなり、華やかな大正文化のシンボルでもあった。開業式は、第1次世界大戦で戦果をあげて凱旋帰国した神尾光臣中将を迎えて12月20日に行われた。これにより東京駅が新橋駅に代わって東海道本線の起点となり、新橋駅は貨物駅となって汐留駅と改称、以前の烏森駅が新しい新橋駅となった。東京駅は80年の歴史の間で増改築されたが、当時の煉瓦が今も使われている部分もある。ちなみに国鉄の民営化にともなって貨物線は縮小され、汐留駅の跡地利用計画が進んでいる。