散歩と俳句とスワローズ

2016年に大野鵠士宗匠と出会い
芭蕉・支考由来の「美濃派獅子門」に入会
日々俳句生活を楽しんでいます

ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日

2008年06月03日 | 読書
キンバリー・ウイリス・ホルトという作家の名前は聞いたこともなかった。
図書館でふと見つけた本で、
「夕日の田舎道で、トレーラーを引く車が行く表紙画」に惹かれたのが出会い。

舞台はテキサス州の田舎町、時は1971年。ベトナム戦争の最中。
12歳の主人公トビーは仲良しのキャルと、
体重250キロ以上もある見世物小屋の少年ザッカリー・ビーヴァーに出会う。
その時期に母の家出、両親の離婚、キャルの兄の戦死、
親友キャルとの仲違いなどの辛い現実が、次々と彼の身に降りかかる。
それに加えてさらに、想いを寄せるスカーレットには見事に振られる。
が、トビーは奮起して、
スカーレットの好きなメキシコ人ファンとスカーレットの取り持ちもやってみせる。

そしてある日、
始めは嫌いだった同年代のザッカリービーヴァーに、興味を持ち、
彼が望んでいる「洗礼儀式」を企てて、周りの大人も巻き込んで見事に実現する。
(バプテスト派の洗礼というのは思い切り水の中に浸けるらしい・・。)

ほのぼのとした話で、周りの大人たちもみんな善意の人たち。
田舎町ならではの、ご近所との濃密な関わりのある毎日の生活。
しかし、その中にそれぞれの人生の悲哀はたっぷり混じり、悲しい・・・。
悲しくはあるが、その一つ一つを大事に記憶に留めたいような思いがする。

うまくまとまらないけど、そんなお話です。


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