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物語を食べて生きてます

アニメや小説など物語に感謝を込めて

深読み探偵 大神空也 ふぁいる十六 夢を叶えた人に感動する

2007-09-04 20:40:05 | 深読み探偵 大神空也
「夢を叶えたか」
 大神は感慨深げに言うと
  コーヒーを飲んだ。
 本人決まってると思っている。
「昼間から、何ハードボイルド1人イメクラしてんですか」
 ユリ、呆れ顔。
「人聞きの悪いこと言うなっ。
  そんなのまるっきり変態ではないか」
「これは失礼、でも変人でしょ」
 ユリ、ニッコリ。
  大神、冷や汗。
「全く、人が夢を叶えた人に素直に感動してたのに台無しだ」
「へ~そんな感動秘話の記事なんてありましたっけ」
「全く、君の目は節穴か。
  この記事を読んで見たまえ、感動で涙が止まらないぞ」

<中央教育審議会>武道必修化を大筋了承
9月4日19時21分配信 毎日新聞

 学習指導要領の改定作業を進めている中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の専門部会は4日、中学校の保健体育で選択必修になっている武道(柔道、剣道、相撲など)を1、2年生の男女を対象に原則、必修化することを大筋で了承した。昨年12月改正の教育基本法に盛り込まれた教育目標「伝統と文化の尊重」の実現を目指す。
この教育目標は「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う」といういわゆる「愛国心」表記として、賛否を呼んでいた。

「これはまた軍国主義とか叩かれそうですね」
「それは違うぞユリ君。
  そんな表面だけに捕らわれるとは、それでも深読み探偵大神空也の助手かっ。
  修行のやり直しだ」
「だったら、その前にたまっている給料払って下さい」
 ユリに未練無し、本気で給料貰えば辞める気迫。
「え~と、うんユリ君は良くできた助手だ」
「まあ、給料代わりに探偵の見解をお聞きしましょうか」
 溜息一つ。
  馬鹿話でも聞かなきゃやってられないという態度。
「ずばり、軍国主義はカムフラージュ
  その心は」
「心は」
「隠れ
 ドラゴンボー○
 北斗○拳
 魁○男塾
 聖戦士星矢ファン」
「はあ?」
「その昔一生を風靡した少年雑誌があった。
  その読者達が大人になり権力を握ればどう思う。
 そんな世界を実現してみたいと思うじゃないか。
  違うか」
「え~と」
「ガンダムに憧れた少年が、車会社でロボット作るんだぞ。
  政治で権力握ったら、その世界を実現したいと思うじゃないか」
「論理的あっているような、ないような」
「ユリ君は人間を分かってない。
  所詮人間なんて、単純なのだよ」
「裏を読み過ぎて、表にいってしまった感じですね」
「そこでどうだろう。
  今から深読み探偵大神空也の大冒険という小説を書いて
  ヒットさせ。
   その世代が権力を握ったら、
   学校教育に探偵術が採用されるかも。
    そうすれば、私も講師として雇われて、老後は安泰?」
「随分遠大な計画のことで。
  頑張って下さいね」
 ユリはスマイルゼロ円で去っていってしまった。
「ユリ君冷たい」
 別の意味で追いつめられていく大神空也
  そろそろ一山当てないと危ないぞ

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深読み探偵大神空也 ふぁいる十五 クイズ

2007-08-28 20:35:22 | 深読み探偵 大神空也
「アレ今日は新聞を読まないのですか?」
 大神は珍しく新聞を読まないで、バラエティー番組を見ている。
「ユリ君いつも世の中穿った見方ばかりしてると、性格が悪くなる」
「もう手遅れでわ」
 ボソッ
「何か言った?」
「いいえ」
「というわけで、リフレッシュに軽いクイズ
  あったらランチでもごちそうしちゃうぞ」
「ほんとですか」
「ほんとさ、吉野家で大盛りでも並盛りでも好きなの頼みたまえ」
「なんかやる気なくなりました」
「では、クイズ。
  プロ野球チームの仕事は?」
「えっ野球でしょ」
「では、政策を行うのは?」
「え~と内閣」
「ぶっぶーーー」
「なんですか」
「これを見たまえ」

新内閣始動、安倍首相は「政策実行内閣」と命名

「分かるかね。
  野球チームが、わざわざ野球やるぜ野球球団などと言わないように。
 政策実行をするのがあたりまえの内閣が、わざわざ政策実行内閣などと名乗るかっ」
「ええっあ~と」
 大神の理論にユリの思考は戸惑った。
  なんとなく正しいようにも聞こえてしまう。
  でも何か違う気もしてしまう。
「と偉そうだが、私もこのクイズの答えを探しているのだよ。
  日本国において政策を、通常実行するべき機関はどこなの?」

 
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深読み探偵大神空也 ふぁいる十四 企業戦士

2007-08-27 22:01:01 | 深読み探偵 大神空也
「ユリ君、突然だが。世界で一番強い戦士を知っているかね?」
「最強の戦士ですか?」
「ああ。不屈の闘志を燃やし、24時間休みなく戦える戦士。
「そうですね、海兵隊とかですか」
「甘いな、確かに彼らも強いかも知れないが、所詮親方日の丸。
  世間の荒波にもまれた本当の戦士
  企業戦士には勝てない」
「企業戦士?」
「そうだ、かつて世界最強不屈の男として、
  家族すら顧みず、24時間365日戦い
  利益という目的のためなら非情になれる戦士。
 彼に勝てる軍隊など存在しない」
「はいはい」
「ああ、また馬鹿のことを言っていると思っているな。
  これは冗談じゃないんだぞ。
 その強さに惹かれ、とうとう軍隊でも企業戦士導入を検討しているというのに。
 見ろ。

防○省、人材確保に民間からの「レンタル移籍制度」
8月27日14時39分配信 読売新聞
 防○省が、民間企業の若手社員を自衛○に2~3年の期限付きで入隊させる「レンタル移籍制度」の創設を検討している。

「不況という荒波で揉まれた企業戦士。
  その強さ親方日の丸戦士の比ではない。
 やはり明日をも知れぬと言うハングリーさが最強の戦士を生み出すのだ」
「へえ~」
「きっと民間の力を得た数年後には
  ミスターコストカット将軍とか
  カンバン方式軍隊とか
  ISO部隊とか生まれ
   低コスト高品質部隊が生まれ世界に轟くだろう~」
「なんか弱そうですね」
 呆れ果てるユリであった。




深読み探偵大神空也 ふぁいる十三 人生は楽苦迷動

2007-08-25 22:58:26 | 深読み探偵 大神空也
「楽苦迷動」
 昼下がりの探偵事務所、大神がぽつりと宣言した。
「突然どうしたのですか?」
 熱さで頭がいかれたかと、ユリは地球環境に優しいもいいが
  事務所にクーラーの温度を下げた方がいいのかしら?と検討
「楽しいかと思えば、辛く。
  迷いばかりが浮かぶが、動かなければ始まらない。
 なかなか含蓄のある言葉じゃないか」
「?どこかの偉人の言葉ですか?」
「ちなみに5年前は、苦縁耐忍と言われていたらしく。
 苦しいが、縁があると耐えて忍んでいく」
「???
  どうしたのです本当に、変な薬で悟りでも開いたんですか」
「人聞き悪いこと言うな、全く。
 人が人生について大事なことを噛みしめているのに」
「そうなのですか」
「そうなの。
 でどうだろう、ここらで我が事務所も永続的発展を図り
 新人を雇うというのは?」
「はあ?」
 ユリにはどこがどう話が繋がるのか不明、不可解。
「納得したみたいなので、求人広告出しておいてね。
 くっく、どんな人が来るか楽しみだな~」
 お気楽大神は言うだけ言うとまた新聞を読み出す。
 ユリは全くついていけないが、
  楽しい出会いに期待し
  苦しくなる台所事情も想像
  迷っていても仕方がない
  動きますか、命令だしと求人広告を作り出した。

ちなみに
 大神が読んでいたのは

就職活動「楽」、4年連続トップ=漢字1文字で表現-民間調査
8月25日15時1分配信 時事通信


 就職活動を「楽」と感じた学生が4年連続トップだったのに対し、内定を取れず「苦」とした割合も急上昇-。就職活動を漢字1文字で表現するアンケート調査から、大学4年生などの間にも「格差社会」が広がっている実態が浮かび上がった。
 就職情報サイトを運営する「毎日コミュニケーションズ」が実施した調査の結果によると、就職活動を表す漢字は「楽」が5.7%で4年連続トップ。「楽に内定がもらえた」「いろんな人に出会えて楽しかった」などの回答が目立った。
 昨年4位(2.6%)だった「苦」は4.7%で2位に急上昇し、苦戦したとの理由が増加。3位以下には「迷」「動」「悩」といった定番が続いた。
 同社の調査では、全体的には昨年より内定が得にくくなった半面、1人当たりの内定保有率は6月末時点で0.26社増の2.29社となった。
 同社は「内定が一部の学生に集中し、2極化している」と分析している。 


深読み探偵 大神空也 ふぁいる十二 美男美女の世界

2007-08-24 22:12:43 | 深読み探偵 大神空也
でろーーーーんとにやにや
「所長、どうしたんですか」
「うわっユリ君、いっいたのか」
 新聞を見つつ、鼻の下を伸ばしてにやにやしていた大神は
  慌てて顔を引き締まる。
「そうそう、常に人の目を意識してちゃんとしてくだしさいよ。
 そうすれば、まあまあなんですから。
 それで、なにをにやついていたのですか」
「ふんっ私はにやついてなどいないが、今まさにユリ君が言ったことだよ」
「?」
「つまり、未来の世界は美男美女が増える」
「はあ?」
「分からないか。人は人の目を気にしていると身だしなみ気をつけ
  ホルモンが活性化され美しくなる。
 例えば、素人さんがテレビに初めて出たときには、泥臭かったが
 ちょいと人気が出て、テレビに出続けているうちに、見違えようになったなんて、例は腐るほどある。
 逆に芸能人が見栄えがいいのも、人の目を常に意識しているからでもある」
「まあ、それは納得しますが、なんで未来の世界は美男美女が増えるに繋がるんですか?」
「これを見たまえ」
 大神、カメラワークを意識したポーズを作って紹介、馬鹿みたい。

<街頭防犯カメラ>1000台設置計画 警視庁八○子署
8月24日3時2分配信 毎○新聞


 警視庁八○子署が街頭防犯カメラを取り付けるよう一部住民に協力を呼びかけ、09年度までの3カ年で1000台設置の計画を進めていることが分かった。「街の安全」を掲げて商店街や国道沿いの個人宅を中心に取り組みを強化しているが、管内の住民には計画を正式に広報しておらず「監視社会を助長する」と批判の声も上がっている。

「①街の至る所にカメラが設置される。
 ②人は常にカメラを意識するようになる。
 ③それがホルモンバランスを活性化させ、美男美女が大量に発生
 どうだね、見事なまでの三段論法は、隙はあるまい」
「それで、にやにやしていたのですか」
  ・
  ・
  ・
「スケベ」
 ユリ、溜めに溜めて吐き出すよう呆れた目。
「ななななんて言い草だねユリ君。
  私は純粋に社会学説的に未来の世界を考察していたのに」
「スケベ」
 ユリ、汚物を見るかのような目。
「だから、下心はなく」
「スケベ」
 ユリ、もはや可哀想な人を見るかのような目。
「いや…」
「スケベ
 スケベ
 スケベ
 スケベ」
 ユリの視線を意識して、たじたじ大神。
  やがて負けて膝を屈すると
「ユリさんが、一番美人です」
「よろしい」
 ユリ、満面の笑顔。

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深読み探偵 大神空也 ふぁいる十一 再チャレンジ社会(美しい国)

2007-08-23 23:35:14 | 深読み探偵 大神空也
「ふむふむ、日本も再チャレンジできるようになってきたのか」
「どうしたのですか、所長?
  珍しく感心しているじゃないですか」
「いやーーー流石ビューティフルカントリージャパン。
  その気になれば、チャンスを与えられるようになってきたようだよ」
「そうなんですか、いいことですね。
 人生一度の失敗くらいで終わってどうします、失敗を糧に次に活かして、
 いつか、勝ち組人生」
 ユリが興奮し、その白磁のように白い頬を染めて力説。
  なんか思い当たることがあるのか。
「そうですとも、一度の就職の失敗で人生終わってたまりますか」
「あの~ユリ君、なにげに俺を批判してない?」
「そんなことありませんよ。
  それで、どんな再チャレンジがあったんですか」
「ああ、これだよ」

不祥事で引責辞任から1年で顧問に、三○住友海上元会長ら
8月23日19時40分配信 読売新聞

 保険金不払い問題で昨年6月に引責辞任した三○住友海上火災保険の井口武○前会長と植村○之前社長が7月23日付で常任顧問に就いていたことが23日、分かった。

 両氏は退任後に内定していた最高顧問の職をともに辞退し不祥事の責任を取る姿勢を示していたが、わずか1年後に復帰する人事には批判も出そうだ。

 井口、植村両氏は「シニアアドバイザー」の肩書で慶弔行事や講演活動など対外的な活動を行い、報酬も支払われる。三井住友海上は「両氏は社内処分などの経営責任を果たしており、今回の職は経営に関与しないため問題はないと判断した」と説明している。

「どうだねユリ君。
 失敗して責任とって辞めても、直ぐまた復帰だ。
 これぞ、再チャレンジ社会だよ。
 いや~いいね。
  辞めて→失業保険→元に復帰
 うんうん、こんなに手厚い保護を受けられる
  再チャレンジ社会に乾杯だ。
 いいな~この会社。
  上がこれだから、下も何かやらかして 横領 持ち逃げ 不正会計etc 頸になっても、一年後には再雇用して貰えるんだろう。
 一山求めて、転職しようかな」
 真剣に考え出す大神。
  その顔にユリもひらめく。
「じゃあ、所長も私が会社の金を横領しても、一年後には雇ってくれるんですね」
「え~と」
「だって所長は優しい再チャレンジ応援派なんでしょ」
「う~と」
「欲しいバックあったんだ」
 ユリはるんるん気分。
「再チャレンジ社会は、デンジャラスだな」
 大神は、金庫の管理ちゃんとしようと決意するのであった。

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深読み探偵 大神空也 ふぁいる十 真剣勝負は命がけ

2007-08-20 21:24:54 | 深読み探偵 大神空也
「ユリ君」
「なんですか所長?」
 データ入力をしていたユリに、大神が真剣な表情で問いかけた。
「命を賭けて勝負に夢に、挑む人間をユリ君はどう思う?」
「どうでしょう、まあ普通は感動するんじゃないですか」
 漠然としすぎて何とも言えないので、まあ一般論的にユリは言う。
 ちなみに、ユリは命を賭けるくらいなら諦める、逃げる。
  まあ、それが普通の人間。
 だからこそ、命を捨てて夢に掛ける人間を見て感動するのだろう。
  自分に出来ないことをする、だから感動するのである。
「そうか、そうなんだよな。
  すると来年のオリンピックは史上最大の盛り上がりになるな。
 ハイビジョンレコーダーでも買うか」
 大神は、もう確信したように言い、真剣にレコーダーを買うか検討している。
  あの貧乏探偵大神がレコーダーを買おうとするなど一大決心である。
「あの~何で来年のオリンピックが、史上最大に盛り上がるのですか?」
「これを見た前」

<北京五輪>世界保健機関が警鐘、大気汚染で観客が危険に!BBCが報道―北京市
8月20日14時11分配信 Record China
北京市で、今最も深刻な問題が大気汚染である。世界保健機関(WHO)の専門家は、イギリスのテレビ局BBCの番組の中で、北京市の大気汚染は非常に深刻なため、五輪の観客が短期間北京市に滞在するだけでも健康に影響が出るおそれがある、と警告した。

2007年8月19日。イギリスのテレビ局BBCが制作した番組の中で、世界保健機関(WHO)の専門家は、北京市の大気汚染は程度が非常に深刻なため、五輪観客が短期間北京市に滞在するだけでも健康に影響が出る可能性がある、と警告した。

「どうだ。
 オリンピック会場は、選手にとってさまに死地。
 強く勝ち進めば勝ち進むほど、命を危険に晒すことになる。
  まさに、命を賭けた死闘。
 生き残りたければ、負けて帰るしかない。
  だが、選手はその命を燃やして勝ち進む。
 そして、それを応援する観客も命を削って応援
  見る者も見られる者も命を賭けた戦い
   これが盛り上がらなくて、何が盛り上がる」
 熱弁、握り拳の大神。
「う~ん、私ならガスマスクしちゃいますけど」
「なんと、それは盲点だった。
  そうか、そうだよな」
 盛り上がっていた分、ガックリ膝を着く大神。
「なるほどね。
  史上初 選手も観客もガスマスクをしたオリンピック。
  もりあがらね~」

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深読み探偵 大神空也 ふぁいる九 選択と集中

2007-08-18 19:20:40 | 深読み探偵 大神空也
ユリが事務所に出社するといつものように
 大神のデスクは広げられた新聞に遮られていた。
「何かいいネタありました」
「やあ、ユリさんおはようございまーす」
 新聞が机に置かれ、表れたのは見知らぬ青年で、!!!
 金髪碧眼なのにどこか日本人顔のハーフらしく、なかなかハンサムじゃない
と思っている場合じゃなかった。
「あなた誰なの?
 大神はどこに行ったの?」
「そんなに驚かないでくださーい。
 私はバニー、大神さんの代行に雇われましーた」
「代行?」
 リーンリーンとユリが疑問を吟味する間もなく電話が鳴った。
 一応社会人、電話が鳴れば直ぐ取るのが常
「はい、大神探偵事務所です」
「その声はユリ君だね。どう驚いたか?」
「所長、何してるんですか」
「はっは、ユリ君今は時代 選択と集中の時代なのだよ」
「また訳の分からないことを」
 大神がどっかの経営者のようなことを言いだし、ユリは頭が痛くなった。
「いいから、ちょっと新聞の付箋の付いた記事を読んでみため」

1文字5円、卒論に代行業者…大学は「見つけたら除籍」
8月18日18時39分配信 読売新聞

 大学の卒業論文やリポートの執筆を有料で請け負う代行業者が登場し、波紋を広げている。

 学生がインターネット上で見つけた資料をリポートなどに引き写す「コピー&ペースト」が教育現場で問題となっているが、これを上回る究極の「丸投げ」で、文部科学省は「事実とすれば、到底認められない行為」としている。

 ネット検索大手のグーグルも、「こうした代行は不正行為にあたる」と判断、代行業者のネット上の広告掲載を禁止する措置に踏み切った。

 「国立大の学生・院生を中心としたチームなので安心の品質」「6年で740件の代行実績」。ある代行業者のホームページ(HP)には、そんなうたい文句が並ぶ。別の業者のHPは「社員は学生時代に必要最低限の勉強量で優やAを取ってきた精鋭ぞろい」とアピールしている。

「どうかねユリ君、時代は選択と集中、これが企業だけでなく
  とうとう個人レベルにまで到達したのだよ。
 今やガレージキット制作から墓参りときて とうとつ卒論まで
  代わりがやってくれる、これはもっともっと広がるだろう」
「はあ~、いいんだか悪いんだか」
「いいんだよ、素晴らしい世界じゃないか。
 自分が嫌なことや苦手なことは、とことん代行の者にやってもらい
 自分はおいしいところ、得意なことだけにパワーを集中する。
例えば、ちょっと気弱な青年、デートプランは完璧でも
 好きな女の子を誘う勇気だけがない。
 そんなときは、デートを誘う代行者に誘って貰い、
  自分は得意のデートプランに集中することができる。
  これで気弱な青年も彼女ゲットだぜ」
「私はそんなの嫌ですが」
「そう、嫌な奴に誘われたデート、でも断るとストーカーになりそう。
 そんなときも、デート代行者に頼めば、もう安心。穏便に振られてくれる」
「あいて、納得しませんって」  
「そうかな。兎に角時代は選択と集中。
  それに乗り遅れては探偵の名折れだからな」
「もういいです、所長と議論しても無駄ですから。
 それで、所長はバニーに何を頼んだんですか?」
「もちろん私が苦手所長業務を」
「で所長は何をしてるんですか?」
「バニー君に代わってデート。
 凄いぞ待ち合わせ場所に、二人も女の子が来た。
 おっこっちにどういうことか詰め寄ってくる。
 おおっナイフまで取り出した、見事なまでの修羅場
  って俺にナイフを向ける成って、詰め寄らないで…」
 ここまでで、電話はプチッと切れた。
「なるほど、修羅場が所長の得意分野ですか」
「ユリさーーん、お茶を入れてくださーい」
「私も代行雇おうかしら?」
 ユリはそんなことを考えつつ、お茶を用意しに消えた。

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深読み探偵 大神空也 ふぁいる8 銀座の味

2007-08-17 21:44:34 | 深読み探偵 大神空也
まじめに働いているのかいないのか
 それでも時間は流れランチタイムがやってくる。
「あっもうお昼ですね。今日はどうします?」
 唯一の社員ユリが大神に尋ねる。
「そうだな、今日は日頃のささやかな御礼だ。
  リッチに本当の銀座を味わせてあげよう」
「ほんとですか」
 ユリは大神がこんなことを言ってくれるなんて思わず
  嬉しさで顔が輝いた。
「ああ」
 がたんごとんと電車に揺られやって来たよ銀座。
  で入ったのはチェーン店
  テーブルに運ばれてきたのは、カレーライス。
「なんですか」
 ユリさんはおかんむり、心なしか髪が逆立って見える。
「何を怒っているのかね、ユリ君」
「なんで銀座にわざわざ来てチェーン店なんですか
 本当の銀座を堪能させてくれるんじゃなかったんですか」
「わかってない。
  銀座のチェーン店で食べるカレーライス、
   これぞ銀座を味わう醍醐味なのだよ」
「はあ、何言ってんですか」
「今や時代は、シャバ代時代なのだよ。
  みたまえこれを」


マックに続いてカレーの壱○屋も導入
 マクドナルド方式の「地域別価格」が他の外食チェーンにも広がった。
 カレー専門店「CoCo壱○屋」(社名・壱番屋)が、9月1日からの値上げに合わせて地域別価格を導入する。東京23区と大阪都心部、新横浜駅内の計106店舗で例えばポークカレーは400円から450円に値上げ。その他の店舗では12月1日に430円になる。つまり都市部の方が20円高い。(日刊ゲンダイ)


「これが何か?」
「つまり中身は工場生産全く同じでも、
 場所が違うだけであら不思議、お値段全く違います。
 分かるかねユリ君、銀座にある高級料理店が高いのは材料がいいとかだが
 このカレーライスは純粋に銀座だから高い
 すなわち、我々はカレーライスを食べているのではない
 銀座を食べているのに等しいのだ。
  これぞ究極の贅沢。
 さあ、ここは奢ろう、遠慮なく銀座を堪能してくれたまえ」
 ユリは大神の演説に感動したのか、ぷるぷる方を震わせ
「アホかい」
 見事右アッパーを大神に炸裂。
 地に這う大神から財布を抜き取ると、1人高級ランチを食べにいくのであった。
「ううううっ
  所詮女に男の浪漫は分からないか、ガクッ」
 
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深読み探偵 大神空也 ふぁいる七 格差社会にユートピアを見た

2007-08-15 00:57:08 | 深読み探偵 大神空也
「なっなんと、こんなところにまで格差社会が浸透しているとは」
 大神は思わず飲みかけのコーヒーを零し掛けた。
「どうしたんですか?」
「この記事を見てみた前ユリ君」


裁判員選任確率の格差

 平成21年の裁判員制度導入に向け、最高裁が昨年の対象事件数などから市民が裁判員(補充裁判員含む)に選ばれる確率を試算した結果が判明した。全国平均は年間4160人に1人。地裁別確率は管内の事件と有権者の数で差が大きく、最高の大阪(2560人に1人)は最も低い金沢(1万4800人に1人)の6倍近くに上った。
 国民の義務とされる裁判員の選任で、地域で大きな格差が生じることに批判も予想され、新たな課題となりそうだ。最高裁は15日に試算結果をホームページで公表する。

裁判員に選ばれる確率が高いのは
大阪(2560人に1人)、
千葉(2600人に1人)、
津(3130人に1人)、
高松(3260人に1人)、
名古屋(3310人に1人)、
東京(3340人に1人)の順で、13地裁が全国平均を上回った。

反対に確率が低いのは
金沢に次いで大分(8900人に1人)、
松江(8390人に1人)、
秋田(7960人に1人)、
釧路(7760人に1人)など。
 


「へえ~意外ですね。
 人口の多い都市部の方が確率高いんですね」
「そのとーーーーーーり、さっすがするどいユリ君」
「いやですわ、当然です」
 照れることなく真顔で言い切るユリ。
「…まあそのだ。
 つまり、都市部では人口の増加以上に犯罪が増加してるということで」
「いうことで?」
「都市部が悪い人間をどんどん受け入れていると」
「その心は」
「この格差が更に広がれば、地方は悪い人間などいないユートピアになるのでは」
「はあ?」
「なぜ人間社会に警察がいるかといえば、悪い人間がいるからだ。
 悪い人間がいなければ、警察もいらなくなり歳出削減で赤字問題も解決。
 善人しかいない、ユートピアワールド
  釈迦もキリストも夢見た、理想郷の出現だ」
「そうなるのですか」
「なる。
  そこでだ。その理想郷出現を予知した予言者として
  新興宗教でもつくれば儲からないかな?
  「格差社会が作る理想郷」
 いいフレーズだろ」
 悪い人間を会心させることで実現する理想郷でなく
 悪い人間がいなくなることで実現する理想郷
 宗教でいう、悪い人間を入れないことで実現する理想郷
  と似て非なる世界
「う~~ん。
  でも、あなたも私も都市にしか住めないことになるから駄目でしょ」
「あっそか」
 大神はやられたーーと頭を叩いて納得した。 

この物語は フィクションですよ
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