それでも永山則夫が好きだ(スピンオフ)

「ねっとわあく死刑廃止」や、無期懲役囚で「とらえなおし」で知られる飯田博久さんや、小松川事件の李珍宇のことを書いたり色々

奥本章寛死刑囚の犯行当時の心理分析(誰でも、こういう状況に陥ることがあるのでは?)

2017-02-06 20:07:57 | 奥本章寛死刑囚(福岡拘置所)

ここで私が気にしてる死刑囚の方の話をします。

私は死刑廃止派なので、全ての死刑囚の心配をしなければいけないのですが、

…私が特に心配してるのは、奥本章寛死刑囚(福岡拘置所)と松本健次死刑囚(大阪拘置所)です…。

 

 

くどいけど、私は死刑廃止派なので、全ての死刑囚の心配をしなければいけないのですが…

“どう考えても、奥本さんが死刑判決って酷いでしょ”って感じなんですよね。

上の画像で左側の『青空』と書かれている冊子の中に、奥本さんの犯行前の心理分析のわかりやすい文章が載っていたので、それを紹介します。

オークスから発行されている私家版『青空』P.6より、以下抜粋

-------------------------------------------------------------------------------

五、犯罪心理鑑定

章寛君は、一審の裁判員裁判で、動機や当時の状況について、自分の考えを十分に伝えることができなかった。その結果、動機を間違った内容で認定されてしまった。それだけでなく、裁判の申で検察官や裁判所の質問に対し「わからない」と繰り返し答えたことを、「事態の重大性の認識や内省の深まりは乏しいと言わざるを得ない」と指摘されてしまった。そこで、弁護側は控訴審段階で、犯行当時の章寛君の心理状態や動機を解明するため、臨床心理上による心理鑑定を実施しか。鑑定の結果、臨床心理士は動機を、次のように分析した。また、更正可能性が十分にあることも示した。

【動機の分析結果】

奥本被告は、雄登くんが誕生してから、育児や仕事で日々の睡眠時聞か極めて短くなり、慢性的な睡眠不足に陥っていた。事件の発端になった2月23日ごろには、睡眠不足に加え、貴子さんからの叱責などで、心身の余裕がなくなり、視野や意識が狭まった状態(視野狭窄、意識狭窄)に陥り、極めて短絡的になりやすい状態たった。また、心身の疲労感、焦燥感、攻撃性が高まっていた。

そんなとき、貴子さんから頭を叩かれた上、「に帰れ」と差別的な言葉を言われ、強いショックを受けた。

「義母から逃れたい」という気持ちが強くなり、貴子さんの殺害を思いついてしまった。 

当時の奥本被告は、育児を通じてつながりを強くする3人の中に入っていけず、自分1人だけが別世界にいるような孤独感を感じていた。そういう思いを抱えているうちに、いつのまにか奥本君は3人を一体と捉えてしまい、義母だけでなく、妻と子の殺害を決意してしまった。 

奥本被告は、貴子さんを除いた妻子との3人の生活を望んでいたのに、妻子を殺害してしまった。それは、妻子への恨みの感情ではない。義母がいると自己が破滅してしまうという強い恐怖感が原因で、自分を守るための一種の心の防衛反応(自己危求反応)だと考えられる。奥本被告は殺害を考えつく前、福岡の実家に帰ることや離婚など色々な解決方法を考えたが、いずれもうまくいかなかった。部屋に入り込んだ小鳥が、壁や窓ガラスに体をぶつけ、たまたま窓の空いた隙間からに外へ出ることがある。奥本君も色々な考えをめぐらし、闇雲に解決策を模索しているうちに混乱状態になり、最終的に思いついた3人の殺害という最悪の方法に飛びついてしまった可能性がある。 

奥本被告のように、故郷や親元を離れ、別の場所で生活している大は、孤立感を抱きやすく、故郷に帰りたいという気持ちが強くなる。この感情が、うつや不眠、食欲不振につながり、錯乱状態や衝動的な心理状態に行き着くこと(郷愁反応)かある。郷愁反応が、衝動的犯罪の原因になるケースがあり、奥本被告についても同様の面部あった可能性がある。

(抜粋以上)

-------------------------------------------------------------------------------

 

ついでに人間相関図載せます。

※殺されたのは、貴子さん、奥本さんの妻のくみ子さん、雄登くんです。

 

 

上の分析結果の文章読んだとき、「…ああ、私が九州で一人暮らししてたとき陥った心理状態と、かなり似てるわ~」と思った。

ろくに睡眠がとれない、疲労困憊、人間関係が最悪、イジメられる、孤独、相談できる人がいない…

ここまで追いつめられると、精神が正常じゃなくなる。なんていうか、頭の中、“正常じゃないナニカ”でいっぱいになるんだよね。

そして、そんな状況に陥る可能性がある人達なんて世の中沢山いると思うんだけど?

多少変わってくるのは、「自殺してしまうか」「他殺に走るか」の違いじゃない?

そこで、「じゃあ、奥本は自殺すりゃよかったんや」とか言う人は、ほんと終わってると思うわ…

 

それと、私個人思うのが…真面目な人ほど、極端な行動に走ってしまうということかな。

「不真面目でどうしようもない奴だから殺人をする」ではなく、

「真面目すぎて、物事を、0か100でしか考えられない」だから極端な行動に出てしまう。

ぶっちゃけ、永山則夫や加藤智大くんもそのタイプだったかなと私は思ってる。

 

世の中には、『精神的にも肉体的にもタフで、協調性があって、人付き合いがうまくて、

どんな過酷な状況でも解決したり、クリア(解決)してしまう』…

そういう器用な人達もいるとは思うし、そういう人に生まれることができるのであれば、

それに越したことはないと思う。だけど、誰しも、そういう人に生まれるわけじゃないしね。

それと、ろくに休めないとか、労働問題っていう視点でも、まずいよね。

冷静に考えられなくなるくらい働かせてしまうという社会。

 

なので、人が逮捕されたのを見て、「こいつ変な奴~」じゃなくて、

「自分もそういう状況に陥ってしまって、他殺はしないにしても、自殺してしまうかも」とか、

「こういう人を出してしまう社会って、本当に正しいのか?」とか、そういうふうに考えられないといけないと思うんだけどね…

それがね~…

伝わらないのよ。

日本の多数派の『努力教』『勝ち組教』『自己責任教』の人達には。

「じゃあ、会社辞めればよかっただけじゃないの?」とか、

「こいつの努力が足りなかっただけじゃないの?」とか…

「この社会では、ちょっと頑張れば、大成するはずでしょ?脱落する奴がいるとしたら、そいつ1人が悪いんじゃないの?」

とかいう考え方の人達とかね…。

 

それと、上の私家版『青空』に恐ろしいことが書いてあったのだが…。

奥本さんの裁判を担当した検察が、非公開の場で、

「別に死刑求刑じゃなくても良かったんだけど(死刑より軽い刑でも良かったんだけど)、

求刑したら、死刑判決通っちゃった」的なことを言ったらしい。

 

以下、画像貼りますが…奥本さんが私に送ってきた手紙。これくらいの内容なら、公開してもいいでしょ?

(込み入ったことが書いてある私信だったら載せませんけどね)

 

 

それと、確定死刑囚に、お金や切手を渡すことは、シャバにいる私達全員ができます。

その方法は次の記事に載せます。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。