前の記事からの続編ですが、
我々シャバの人間でも、確定死刑囚にお金や切手を贈ることができます。それは簡単です。
ちなみに…昔はそういうことができなかったのですが、死刑廃止活動家の方々が、Tシャツ訴訟を起こしてくれて頑張ってくれたおかげです。
で…たぶん、日本人のほとんどが、「はあ?死刑囚は俺らが払ってる税金で、三食昼寝つきで生かしてもらっとんのやろ?なんで、プラスしてお金や切手を渡さんとあかんのや?」と思うんだろうね。どうせ。
拘置所の被収容者(囚人)の方々は、ギリギリ、『生きれる』という状況にいさせてもらっている、というだけでしかないんですね。
服は国から支給されないから、ボロボロになっていくし、甘味や嗜好品(コーヒー)は、別に拘置所はまめに彼らに食べさせてません。(まったく甘味が支給されてない、というわけではないが、回数が少ない。)
それと、色々、自分でお金を出して購入しないと得られないものが沢山あるそうです。
一例をあげると、リップクリームだの、保湿クリームだの…とにかく、色々。
拘置所の中で労働してお金を得ることができないから(文才があって本とか書ける人は印税稼げますけど、そんな人は少数派)、お金がない被収容者は、シャバと連絡をとりあうことができません。
なので、切手を贈ることは、重要になります。彼らは、別に、さびしいから手紙を出したいというだけではありません。再審請求するにあたりシャバと連絡がとりあえないと、とっとと死刑になって死ぬので、重要なんです。
で、もうそろそろ、シャバの我々が確定死刑囚に切手やお金を郵送する方法を書きます
奥本章寛死刑囚を例にあげますが…以下のように住所を書いて、切手シートを入れて、送るだけです。●●拘置所、と書く必要はありません。現金を贈る場合は、書留で送ってください。(2019.3.12追記:金、切手以外のものも死刑囚に渡せるようになった。詳細は一番下に追記。)
しかし、気を付けないといけないことがあります。
手紙を同封してはいけない、ということです。
現金と切手シートは送っていいのですが、手紙(私信)は、“拘置所から認められている決められた人(外部交通を認められている人)”しか送れないそうなので、現金、もしくは、切手だけを入れるようにしてください。
年賀状もダメだそうです。年賀状を送っても、看守は年賀状を確定死刑囚に渡してくれません。
そして!東京拘置所にお住まいの確定死刑囚の方々に何か送るときは、気を付けないといけないことがあります。
東京拘置所に送る時のみ、住所の最後に、「-A」と入れないといけないのです。
これは、東京拘置所のみに送るときだけ、なぜか、「-A」と入れると、決まりがあるそうなのです。「-A」とは、被収容者宛、という意味だと思います。だから、東京拘置所におられる被収容者に切手や現金を送るときだけは、気を付けてください。
それと、もう1コ、シャバの人達に行っておきたいことがあります。
「死刑囚からお礼の手紙が届かない!なんて失礼な死刑囚だ!」と、怒らないこと。
そうやって、死刑囚の方々からお礼の手紙が届くのを当然のことだと思わないでください。中には、病気になってる人、高齢の人、精神的に余裕がないという人もいます。死刑囚からの手紙をコレクションしている人達もいる、というのは聞きますが、絶対にお礼の手紙を期待したり、
「死刑囚は、俺様にお礼の手紙を送って当然だ!」なんて考えないこと。
「刑務官が、死刑囚(獄中者)に渡さないで、私が送ったお金をパクってるんじゃないか?死刑囚からお礼の手紙をもらわないと安心できない!」という場合は…各死刑囚の支援団体のほうにお金を送ったほうがいいと思います。しかし、必ずしも、各死刑囚に支援団体が存在するわけではないです。私の知る某死刑囚の元支援者の方は、「刑務官が金をパクるのはまず無いと思う」と言っていますが…
ここで私が書いた情報は、2017年2月に書いたものです。刑事施設被収容者の扱いについての決まりや法律は、後で変わる可能性がある。もしも私がここで書いたのが古い情報であり、今、変更されているのであれば申し訳ありません。
ではでは
私が獄中者支援をなさっている方から教えていただいた、新たな情報を追記します。
東京拘置所の確定死刑囚の処遇規定には、『再審や裁判に関する連絡は例外的に認める』…と書いてあるが、まったく関係の無い人からのいきなりの助言や、裁判情報は届かない可能性がある。(再審に関係している人からの必要な連絡調整などに限るのではないか。)