倭国、大和国とヘブライ王国

ヤマトとはヘブライ王国の神・ヤハウエの民を意味するヘブライ語‘ヤァ・ウマトゥ’が変化したものであろう

古事記編集会議「海彦と山彦の戦い」

2007-09-24 13:14:24 | 歴史
 古事記編集会議の小委員会から日向三代の前半の草稿があげられてきた。前回の核子に従って上手く纏められていた。
山彦が小舟に乗って着いた海の宮と、そこでの生活は「浦島太郎伝説」のそのまんまのコピーのようで、一寸新鮮味にかけ、編集委員をがっかりさせたが、他にいい変更案もなくそのままとした。
`浦島伝説'では太郎は一人で帰ってくるが、今回上がってきた草稿では、言い伝えに合わせ、山彦は綿津見神の娘・豊玉姫を娶るところとが違いの一つと成った。
それと`浦島'ではお土産が`玉手箱'であったが、今回は不思議な霊力を持つ二つの‘玉’とされてあった。`玉'と言う共通点があるが趣旨が解らなかった正委員(編集会議のメンバー)が小委員会のメンバーに尋ねた。「このお土産の‘玉’はどんな意味を持つのかね?」。あるメンバーが答えた。「言い伝えでは綿津見神は潮を自在に操る不思議な玉をもっていたという話があったので、海彦・山彦のその後の戦いの道具として使えると判断しました。と言うのも`玉'の名前が誠に意味ありげで`潮満玉'と‘潮乾玉'と言う名なのです」。
編集委員達からどよめきが起こった。と言うのも言い伝えでは海彦・山彦の権力争いは、最後は海上での戦いで決着がついたことを聞いていたからだ。伝承によれば綿津見神から海戦のノウハウを全て会得した山彦は、海彦との海上での戦いに潮の流れを巧みに使って勝利した、と言い伝えられているからだ。
これで海彦と山彦の物語はほぼ固まった。
海の宮から豊玉姫を娶って帰った山彦は、海彦と壮絶な覇権争いを演じ、不思議な玉潮満玉と潮乾玉を上手く使って兄海彦を懲らしめ、最後は兄が弟の軍門に下ったという物語がここに纏まった。
今日はまだ時間が大分ある。神武天皇誕生までの荒筋を考える事になった。
山彦の妃となった豊玉姫が神武の父となった鵜茅草葺不合命を生み、その命が豊玉姫の妹、つまり自分の叔母・玉依姫を娶って生まれた御子が神武天皇になったと伝承されている。
この間山彦が造った日向王朝は、安定して平和であった。伝え聞く所の争いは殆ど無かったと言われている。変な物で、編集委員にとっては古事記を作る上で、やはり波乱万丈な争いや恋が欲しい。と言ってもあまりに火の無い所にむやみに煙を出すわけには行かない。
ある委員から、「豊玉姫の一族(綿津見神のこと)は、南の海人の習慣を今に伝えている。お産も南の国の習慣で、水中出産されたと聞いているが、それを何か物語りに出来ないか」との提案があった。
何か良いネタは無いかとあせっていた委員たちは飛びついた。ある委員が妙な提案をした。「海人族の中には和邇(ワニ)族といわれている人達も居る。(ワ二は今で言う鮫の事である)豊玉姫がお産するとき鮫の姿に変わって水中で出産するという話は如何であろう」。
話題に事欠いていた他の編集委員は皆「まだ神代の物語だからそれも良いだろう」と異論無く賛同した。
しかし中にはぶつぶつと独り言を言う委員も居た。「神武天皇からはもう物語を人の世にしなければいけないのに、ここでこんな御伽噺を入れていいのだろうか」。
しかし彼の意見は独り言で終わった。
このお産のシーンの詳細は小委員会の知恵に任せる事とし、本日の編集委員会は解散とした。


古事記編集会議「日向三代」

2007-09-06 22:41:22 | 歴史
 天孫・邇邇芸命が日向の高千穂の峰に降臨するところまで纏まった。今日の議題は邇邇芸命の妃取りから神武天皇の誕生までどう纏めるかであった。暫定的に今日の議題を「日向三代」とした。
この章での大きな課題は、神代の物語から、人代紀に如何に不自然さ無く移していくかであった。そして日向での三代の王朝の暮らしは神代の物語として、それらしく御伽噺のような話題を加え、三代目の王子の誕生(後の神武天皇)を持って、人の世の始まりとすることで意見が一致した。
日向三代も神代とするコンセプトが出来た事で、編集者達には又楽しみが出来た。人の世とすると、あまり作り話が出来ないが、神話とすれば、史実や伝承を色々アレンジして、どのようにも編集できるので、その作業が楽しいし、又楽でも有るからだ。
先ず日向三代の荒筋を纏める事となった。
邇邇芸命は言い伝えによれば、薩摩半島の笠沙の浜に上陸したといわれている事、その土地の豪族の娘を娶ったという伝承が有るので、そのまま多少手を加えて編集する事とした。土地の豪族ではあまりにも田舎の娘と言うイメージが出てくるので、豪族は広く知られた大山津見神としたらどうかとの提案があり、みなの賛同を得た。
邇邇芸命の御子は三人居たと伝えられているが、今に伝わるのは二人の御子、火照命(ほでりのみこと)と火遠理命(ほおりのみこと)である。この二人の御子は激しい権力争いをしたらしいという話があり、それを基に物語を作ることとした。
或る委員から「火照命が漁業と水軍を所轄し、火遠理命が農業と丘の兵力を纏めていた事から、海幸彦、山幸彦と言う名で物語を作れないか」との提案があった。
「これは面白い話が生まれそうだ」と多くの委員が期待をこめて賛同した。
本来は核子を作れば後は小委員会に細かい話は任せるところであったが、皆が興味を示し海彦・山彦の話はもう少し踏み込んで荒筋を作ろうということになった。
先ず争いの原因を何にするかが話題になった。或る委員から、「山彦が釣りに興味を持ち、兄の釣り竿を借りて釣りに行き、針を無くした事から争いが起こる」としてはどうかとの提案があり、了解された。
話はどんどん膨らんで言った。その針を探しにあの浦島伝説の竜宮城に行く話を絡めたら面白い話になるのでは、と言う意見が出てヤンヤの喝采を受け採用が決まった。
話は更に膨らみ、山彦は竜宮城で乙姫様を嫁にしてしまえという乱暴な意見も出た。又、お土産にとんでもない魔力を秘めた玉を貰い、それで海彦を懲らしめるという案まで出た。
あまりに面白くて議論が発散し始めたので、今日の編集会議はこれでお開きとした。それにしてもここまで荒筋が決まれば、小委員会のメンバーの仕事は非常に楽なものになるであろう。
委員達から「今日は悪乗りしたな」と反省の弁も出たが、かなり満足したようで、この続きは飲みながらと言うことになり、夜の巷に消えていった。