倭国、大和国とヘブライ王国

ヤマトとはヘブライ王国の神・ヤハウエの民を意味するヘブライ語‘ヤァ・ウマトゥ’が変化したものであろう

古事記編集会議「大国主命の物語」

2007-07-01 00:33:38 | 歴史
 今日の編集会議は出雲の大王・大国主命をどのように書き残すかである。
どうしても避けて通れないテーマが、大国主命の艶福家振りであろうという意見が圧倒的であった。
このテーマに沿って集めた大国主命の姫たちとの伝承は、想像していたとおり数え切れないほどであった。これらの姫達との恋の物語と絡ませて、大国主命の性格が見えてくるように構成する事となった。当時既に倭国の隅々まで大国主命に関する伝承がかなり伝わっていたので、それらを曲げて伝える事は宜しくないと言う事になり、イメージとしては受身型の人間として描く事に決まった。
次に物語に登場させる姫達を選択する事になった。
最初に選ばれたのはやはり若き大国主命の初恋の人と言われている因幡の国の八上比賣とし、因幡に伝わる白兎の話と絡めることとした。
次に選んだのは絶対に外せない人、正妻となったスサノオの娘・スセリ姫であった。物語は大国主命が兄弟神・八十神の迫害を受けスサノオの国まで逃げ、そこでスセリ姫と出会い、スサノオから与えられた数々の試練をスセリ姫と二人力合わせて乗り越えていく物語とすることに成った。
ここである編集員から意見が有った。それは「大国主命はスサノオの6代後の子孫としているのに、その娘と出会う事や、死の国・根の国に言ったスサノオが登場するのは如何なものか」と言う意見であった。
神話とはいえあまりの矛盾に一時会議は紛糾したが、「読者が上手くそれなりに判断してくれるであろう」ということでそのまま進める事となった。
次の姫は出雲の国にとって大事な国と成った越の国の沼河姫とすることになった。宗像の多紀理姫も候補として上げられたが、沼河姫を推薦する委員が多く、越の国に軍配が上がった。
沼河姫との熱き恋を描く事により、スセリ姫の嫉妬深いところも表現する事になった。
こうして大国主命の愛に満ちたラブストーリーがほぼ纏まった。
ここであまりに物語が甘すぎるのではと言う意見も多く、再度その構成の基本について討議された。その結果沼河姫の物語以前の全てに、八十神と大国主命の戦いを盛り込み、いかにして大国主命が八十神を従えたかと言う物語を絡ませる事となった。これを「八十神の迫害」として途中挿入する事と成った。
結果的にはこの八十神の物語を加える事により、物語に迫力が出て、今風に言えば「スリルとサスペンスに満ちた愛と感動のロマン」なる物語が完成した。
ここで編集委員が苦労したのは当時倭国の半分を占めていた出雲王国を、出雲国の中に閉じ込めるつもりであったが、あまり伝承と食い違ってもまずいという事で、その表現に苦労した事であった。例えば越の国までその統括範囲を広げてていたことについては、沼河姫との恋に置き換えた事、畿内とも同盟が出来ていた事は、大国主命が「倭国へ旅立つ・・・」と言う表現のみで表わした。また北九州豊の国の一部にもその力を及ぼしていたが、それは「宗像の多紀理姫を娶った」と簡単に記しておわりとした。
嘘は書いていないが表現により、読む人にどうでも解釈できるような、高等な戦略によって、大国主命の物語の構想がほぼ固まった。
次回少し詳細について詰める事として散会した。