出雲の八十神の迫害を逃れ、根の国に渡った大国主命はそこでも直ぐに姫に見初められる。因幡の姫にもてたとき、結果的には八十神の恨みを買うと言う‘女難’であった。この根の国のスセリ姫との恋もまた、姫の父の色々な攻めに会うという女難となる。出雲の地では母に助けられたが、この根の国での虐めでは、スセリ姫の内助の功によって、全ての攻めをしのいだ。しかし最後の結果を見るとこの父の攻めは、婿殿を男にするための修行の意味があったような気がする 。
古事記はこの父をスサノオとしているが、大国主命の6代前の人が生きているのは現実的ではない。スサノオ直系か、或いはスサノオの一族の長であったのであろうと解釈している。
古事記では父の執拗な攻めから逃れるため、姫と一緒に根の国から逃げることになるが、出雲の地まで追ってきた父君が、婿殿に次のようなアドバイスをしたことから、攻めは虐めではなく、婿殿を男にするための修行であったと考えた。そのアドバイスとは「その汝が持てる生太刀、生弓矢を持ちて、汝が庶兄弟(八十神)をば、坂の御尾に追い伏せ、また河の瀬に追い掃いて、俺大国主命となり、その我が娘スセリ姫を妻とし、・・・」であった。
紀の国で八十神の執拗な追尾を逃れてかなりの時間がたっていたが、八十神の執念は深く、いまや遅しと大国主命の帰りを待っていた。
根の国の修行で一回り大きくなって出雲の地に帰った大国主命は、今度は逃げなかった。スセリ姫の父から盗んできた弓矢と剣は、倭国より文明の進んでいた朝鮮製である。生太刀、生弓矢の‘生'とは‘生まれた’と読めば、‘生まれたばかりの新型’という意味と解釈してよいのではないだろうか。根の国=朝鮮で新型の武器と考えれば、出雲の武器より数段優秀であったに違いない。父のアドバイスどおり、その‘生’弓矢と‘生’剣で八十神を山に追い詰め、河に追い落とし、瞬く間に亡ぼした。
古事記はこれを「初めて国を造りたまいき」と記している。古事記には記述が無いがスサノオが出雲の国を造り、根の国に去った。その後出雲の国は再び細かく分かれ、国としての体裁がなくなっていたと想像する。代を経るに従い更に細かく分かれ、スサノオから数えて6代後の大国主命の時代になると、正に八十神によって治めらる、豪族の集まりの様な状態になっていたのではないだろうか。
そこに‘双葉より芳しかった’大国主命が、一回りも二回りも大きくなって帰ってきた。その大器が新兵器を持って帰ってきたのであるから、全ての八十神は敵ではなかった。
此処に大国主命が治める、新しい出雲の国が誕生した。しかし前途多難であった。スセリ姫の父から「スセリ姫を嫁として迎え、王と成れ」と言われていたにも拘らず、先に八十神に追われる原因となった因幡の八上姫を正妻に迎える。この辺は善人の大国主命の一面が見られる。しかし根の国からはるばる大国主命に着いてきたスセリ姫も立場がない。大国主命に対する父の攻めを、姫の機転で乗り切ってきた気丈夫な姫である。これには納得が行かなかったであろう。その激しい嫉妬に、八上姫は実家に帰ってしまう。帰り際、大国主命との間にもうけた御子を、木の股に挟んで帰っていったと記されている。御子の名は木俣神という。
大国主命が治める出雲の国は、どのような国になっていくのであろうか。
古事記はこの父をスサノオとしているが、大国主命の6代前の人が生きているのは現実的ではない。スサノオ直系か、或いはスサノオの一族の長であったのであろうと解釈している。
古事記では父の執拗な攻めから逃れるため、姫と一緒に根の国から逃げることになるが、出雲の地まで追ってきた父君が、婿殿に次のようなアドバイスをしたことから、攻めは虐めではなく、婿殿を男にするための修行であったと考えた。そのアドバイスとは「その汝が持てる生太刀、生弓矢を持ちて、汝が庶兄弟(八十神)をば、坂の御尾に追い伏せ、また河の瀬に追い掃いて、俺大国主命となり、その我が娘スセリ姫を妻とし、・・・」であった。
紀の国で八十神の執拗な追尾を逃れてかなりの時間がたっていたが、八十神の執念は深く、いまや遅しと大国主命の帰りを待っていた。
根の国の修行で一回り大きくなって出雲の地に帰った大国主命は、今度は逃げなかった。スセリ姫の父から盗んできた弓矢と剣は、倭国より文明の進んでいた朝鮮製である。生太刀、生弓矢の‘生'とは‘生まれた’と読めば、‘生まれたばかりの新型’という意味と解釈してよいのではないだろうか。根の国=朝鮮で新型の武器と考えれば、出雲の武器より数段優秀であったに違いない。父のアドバイスどおり、その‘生’弓矢と‘生’剣で八十神を山に追い詰め、河に追い落とし、瞬く間に亡ぼした。
古事記はこれを「初めて国を造りたまいき」と記している。古事記には記述が無いがスサノオが出雲の国を造り、根の国に去った。その後出雲の国は再び細かく分かれ、国としての体裁がなくなっていたと想像する。代を経るに従い更に細かく分かれ、スサノオから数えて6代後の大国主命の時代になると、正に八十神によって治めらる、豪族の集まりの様な状態になっていたのではないだろうか。
そこに‘双葉より芳しかった’大国主命が、一回りも二回りも大きくなって帰ってきた。その大器が新兵器を持って帰ってきたのであるから、全ての八十神は敵ではなかった。
此処に大国主命が治める、新しい出雲の国が誕生した。しかし前途多難であった。スセリ姫の父から「スセリ姫を嫁として迎え、王と成れ」と言われていたにも拘らず、先に八十神に追われる原因となった因幡の八上姫を正妻に迎える。この辺は善人の大国主命の一面が見られる。しかし根の国からはるばる大国主命に着いてきたスセリ姫も立場がない。大国主命に対する父の攻めを、姫の機転で乗り切ってきた気丈夫な姫である。これには納得が行かなかったであろう。その激しい嫉妬に、八上姫は実家に帰ってしまう。帰り際、大国主命との間にもうけた御子を、木の股に挟んで帰っていったと記されている。御子の名は木俣神という。
大国主命が治める出雲の国は、どのような国になっていくのであろうか。