スサノオは大蛇を退治した後、稲田姫を娶り斐伊川の上流の須賀の地に宮を建てた。現在その地にはスサノオを御祭神とする須賀神社があり、その分社は全国に広がっている。スサノオが宮を建てた時、その喜びを表して一句詠む。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」
これが我が国で読まれた最初の和歌とされている。この歌の意味は「古代神話」の作者武光誠氏は次のように解説している。「直訳すると‘美しい雲に守られた出雲の国の屋敷よ 妻のために作った屋敷よ 素晴らしい屋敷よ’となり解説すると‘愛する妻のために手間を掛けて立派な屋敷を作る行為は、素晴らしいことだ。そしてこの歌には国という大きな家を経営して、民衆の生活を安定させることを祝福している’意味が含まれている」としている。
これ以外にも色々な解釈があって、興味が尽きない歌である。その一つに安田嘉冶氏の著作「古事記の謎が解けた」では‘妻'を投馬国(魏志倭人伝の邪馬台国へ至る国の中に登場する国)として次のように解釈している。「出雲は厳重な国境線(八重垣)を作り、投馬国(つまこく)を閉じ込める(妻籠・つまごめ))ものである」と。魏志倭人伝では投馬国を、邪馬台国に至る手前の国としていることから、九州の北部に在った国と考えられる。出雲が北九州の覇権を掛けて、邪馬台国とにらみ合っていた、と考えればこの解釈もありうる。この歌の解釈にこれ以上の深入りはしないが、何れにしろスサノオは出雲の国の王として、確固たる位置を占めたことを表した歌であろう。
そしてスサノオは稲田姫の父を、この国の長官に定めた。その後稲田姫のほかに大市姫、木花知流姫を娶り多くの子をもうける。大市姫は伊邪那岐命の子・大山津見神の娘となっていることから、草薙の剣を天照大神に謙譲したことにより、出雲王国と邪馬台国はまだ争いに至るような関係にわ至っていなかったと想像される。或いは戦いを避けるための、政略結婚であったかもしれない。その大市姫が生んだ子が、後に大国主命の国造りに協力する大年神である。そして木花知流姫の子から数えて6代目に日本神話で最も有名な神・大国主命が生まれる。スサノオは子供達に出雲を任せ、根の国(母/伊邪那美命の国・黄泉の国=朝鮮)へ隠居した。
古事記では大国主命の名は合わせて五つ有るとしているが、別の資料によると七つになる。先ず古事記の五つを記すと;大国主神、大穴牟遅神、芦原色許男神、八千矛神、宇都志国玉神。更に大物主神、大己貴神がある。これに大国主命は現在でも‘大黒様’として慕われていることから、八つの名を持つ神といえる。
この多くの名に対しても種種の意見がある。例えば「多くの人の伝説を大国主命に置き換えた」と言う意見や、「大国主命は各地に出向き、善行を施したのでその土地その土地で成した仕事によって名が付いた」などがある。私は私のテーマから見ると、大きな問題ではないと思っているので判断は避ける。
古事記はいよいよ大国主命に係わる話に移る。その最初は誰でも知っている「稲羽の白兎」の話である。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」
これが我が国で読まれた最初の和歌とされている。この歌の意味は「古代神話」の作者武光誠氏は次のように解説している。「直訳すると‘美しい雲に守られた出雲の国の屋敷よ 妻のために作った屋敷よ 素晴らしい屋敷よ’となり解説すると‘愛する妻のために手間を掛けて立派な屋敷を作る行為は、素晴らしいことだ。そしてこの歌には国という大きな家を経営して、民衆の生活を安定させることを祝福している’意味が含まれている」としている。
これ以外にも色々な解釈があって、興味が尽きない歌である。その一つに安田嘉冶氏の著作「古事記の謎が解けた」では‘妻'を投馬国(魏志倭人伝の邪馬台国へ至る国の中に登場する国)として次のように解釈している。「出雲は厳重な国境線(八重垣)を作り、投馬国(つまこく)を閉じ込める(妻籠・つまごめ))ものである」と。魏志倭人伝では投馬国を、邪馬台国に至る手前の国としていることから、九州の北部に在った国と考えられる。出雲が北九州の覇権を掛けて、邪馬台国とにらみ合っていた、と考えればこの解釈もありうる。この歌の解釈にこれ以上の深入りはしないが、何れにしろスサノオは出雲の国の王として、確固たる位置を占めたことを表した歌であろう。
そしてスサノオは稲田姫の父を、この国の長官に定めた。その後稲田姫のほかに大市姫、木花知流姫を娶り多くの子をもうける。大市姫は伊邪那岐命の子・大山津見神の娘となっていることから、草薙の剣を天照大神に謙譲したことにより、出雲王国と邪馬台国はまだ争いに至るような関係にわ至っていなかったと想像される。或いは戦いを避けるための、政略結婚であったかもしれない。その大市姫が生んだ子が、後に大国主命の国造りに協力する大年神である。そして木花知流姫の子から数えて6代目に日本神話で最も有名な神・大国主命が生まれる。スサノオは子供達に出雲を任せ、根の国(母/伊邪那美命の国・黄泉の国=朝鮮)へ隠居した。
古事記では大国主命の名は合わせて五つ有るとしているが、別の資料によると七つになる。先ず古事記の五つを記すと;大国主神、大穴牟遅神、芦原色許男神、八千矛神、宇都志国玉神。更に大物主神、大己貴神がある。これに大国主命は現在でも‘大黒様’として慕われていることから、八つの名を持つ神といえる。
この多くの名に対しても種種の意見がある。例えば「多くの人の伝説を大国主命に置き換えた」と言う意見や、「大国主命は各地に出向き、善行を施したのでその土地その土地で成した仕事によって名が付いた」などがある。私は私のテーマから見ると、大きな問題ではないと思っているので判断は避ける。
古事記はいよいよ大国主命に係わる話に移る。その最初は誰でも知っている「稲羽の白兎」の話である。