先日ゴスペラーズが出演して話題になりました「愛は地球を救う」。
おかげさまで私も映像を見せていただきました。
そして、親切なお友達に10年前にゴスが出演した時の映像も見せていただく事ができました。
ここに、私がその映像を見て感じた事を書き残しておこうと思います。
まず、10年前の映像。
内容は今回ダイジェストで放送されたもの。
― ロッシェルちゃんとの出会い ―
1996年まだ現役の大学生だったゴスが訪れたフィリピン。
スモーキーマウンテンのふもとに暮らす、手に火傷を負った少女ロッシェルちゃんとの出会いはボランティアが学校の代わりにと開放している場所。
今と変わらない優しい声で、初めに声をかけたのが酒井さん。
一生懸命絵を書いている少女に笑顔は無かった。
そんなロッシェルちゃんに折鶴を折ってあげる酒井さんの、自然で優しい表情がとても印象的でした。
自分達の不注意で娘をこんな風にしてしまったと悔やむご両親。
危険なマニラで深夜のガードマンをするお父さん。
皿洗いの仕事をしているお母さん。
「お嫁に行くまでにはきっと綺麗に治してあげたい」
そんな思いで一生懸命働き、わずかな貯金をしていました。
箱に大切に入れられたわずかな貯金を見て、ゴスは何を感じたのでしょうか。
貧しくても、いつも笑顔でロッシェルちゃんを見守るご家族。
そんなご家族と、将来は医者になりたいと夢を持つロッシェルちゃんに笑顔が戻るようにとゴスが唄ったのは。
「夢をあきらめないで」
ゴスの綺麗なハーモニーに、酒井さんの美しく優しいリードのアカペラ。
唄いながら子供達に向けるゴスの優しい眼差しが、すごく心に残っています。
そしてそんなゴスの姿に彼等の人格を感じました。
彼等は純粋に優しい心の持ち主なんだと。
― 火山灰に埋もれた村 ―
ピナツボ山の大噴火被災者の暮らす村に訪れたゴス。
そこで、お母さんと生き別れになった男性と出会う。
今でもきっと山のどこかで生きていると信じている男性に、一緒に探しに行こうと誘うゴス。
いまだに残る噴火への恐怖が男性の心を迷わす。
そんな男性のお子さん達が、おばあちゃんへのメッセージを紙に書き出すと男性は勇気を出して探しに行く決意をします。
自分達が見た事、感じた事を、素直に行動に出せる子供。
やはり、子供は素晴らしいパワーの持ち主だと感じました。
火山灰に埋もれてしまった村に行くのは安易ではありません。
灰で足を取られそうな道。
濁流の中。
それでも、その先に希望がある限り進む事を諦めないゴス。
誰一人、泣き言も文句も不平不満も言わずに歩き続けるその姿に、ゴスの人間的な強さを見たような気がします。
そして、それは同時に。
夢を追いかけるゴスペラーズの姿そのものを見たような気がしてなりません。
たどり着いた先に、かつての村の姿はありませんでした。
灰に埋もれてしまった村を見てゴスは何を思ったのだろう。
そこにはいなかった母に語りかける息子さんの姿、そしてその現実にゴスは何を感じたのだろう。
少なくとも、彼等の人生の中でかけがえのない貴重な体験になったことは間違いないと思う。
生きている・・そう信じていた母はいなかった。
そんな男性の気持ちを思い、いたたまれなくなったゴスは男性の母の名前を一生懸命叫び続ける。
人の心が、痛みが分かる人でなければできません。
私は涙が出ました。
村上さんがリードを取る、アカペラ「川の流れのように」。
今まで確かめられずにいた現実を受け止める勇気を、男性に与えてくれる歌声に私も感動しました。
フィリピンに響いたゴスペラーズの歌声。
日本語歌詞で言葉は通じない・・そう思うけれど。
何かを伝えたい、何かを感じて欲しい、そんなゴスの歌声に反応する子供達や現地の方々を見ていると、「歌」ってすごい力を持っているんだなと改めて感じます。
"歌は世界共通の言葉"
どの国にもあって、誰にでもできること。
それが「歌」。
そして、国や人種を超えて、人と人の心を結ぶもの。
それが「歌」。
人は素敵なアイテムを考えたと思います。
この映像を見ていてふと思い出したことがありました。
「夢をあきらめないで」
この曲には私個人的に思い出があるんです。
昨年、次女の授業参観に行った時のこと。
音楽の授業をやっていました。
その時に、子供達がおうちの方と一緒に唄う歌として教えていただいたのがこの曲でした。
渡された歌詞を読んで、涙が出そうになったことを今でも覚えています。
そしてこの歌詞が、私がいつも愛する人に対してそう思っていてあげたい、と願っていることと重なって。
それは家族であり、お友達であり、ゴスペラーズであり。
そんな思い入れのある曲を、偶然にも過去にゴスが唄ったことがあると言う事に感動している自分がいます。
少し重いエントリーでしたが、ぜひ書いておきたいテーマでしたので。
次回は、今年の放送について少し書きたいと思っています。
| Trackback ( 0 )
|