My Feeling Diary

気まぐれ主婦が気侭に綴る、日常的「五感」日記。。時には「第六感」も・・・!?

「子育てパパ」が未来を変える?

2005-09-08 00:01:49 | ★Love&Peace
今日は、台風一過でかなり気温が上昇した関東地方でした。

娘達は久々に保育園に登園し、行きはちょっとグズグズしていましたが、お迎えの時には、“たくさん遊んだよ~”という、子供らしい健康的なオーラが出ていたので安心しました。

今日は保育園からのお便りに、『ところっこ(所沢の子供)子育てガイド』という小冊子が入っていて、ペラペラッと中を開くと、小説家の鈴木光司さんが子育てについて語られている記事がありました。少し長いですが、良い記事だったので紹介します。


トーク・アバウト・子育て
「たくましく生きる力を与えること」

<子育ては大変?>

少子化が進んでいるのは、昔に比べて子育てが大変になったからだと言う人がいます。果たして本当にそうでしょうか。むしろ僕は、子育ては昔よりはるかに楽になったと思います。

国のアンケート調査によると、理想の数の子どもを持たない理由として、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」「家が狭い」「育児の心理的・肉体的不安に耐えられない」などが上位に上げられています。しかし、僕の育った頃は、粉ミルクが決して安くなかった。おふくろは母乳が出なかったので、ミルク代はかなりの出費でした。また、電気ポットなどもなかったので授乳の度にお湯を沸かさなければならなかったし、便利な紙おむつや離乳食もなかった。家も狭かったし、保育園も整備されていなかった。こうした環境だけとっても、いまのほうが子育ては圧倒的に楽なはずなのです。

では、なぜ少子化が進んでいるのでしょう。それはアンケートには出てこない別の理由があるからです。

僕が思うには、これまでの良きモデルがなかったのです。つまり、いまの若者たちは、自分の親世代を含め、子育てしながらいきいきと生きている大人を見てこなかったのだと思います。

僕のおふくろは農家に嫁ぎ、自分は外で仕事を持ちながら、子供や夫の世話だけでなく、両親の面倒までみていました。こうした姿を見て育ったら、女は結婚して子供を産んでも苦労するだけだと思ってしまいます。一方、サラリーマン家庭では、父親は仕事が忙しく、子育ては母親に任せきり。子どもとふれあうゆとりもなく、休日は疲れて寝ているばかり。こんな家庭に夢が持てないのも当然ではないでしょうか。

子育ては大変、子供をもつことに何のメリットも感じない社会の風潮を断ち切るのは、やはり「父親の社会参加」にあると思います。もちろん、夫婦そろっているなら、二人で子育てしたほうが楽に決まってますし、何より子育てを楽しい作業に変えられるのは、父親と母親が共に子供とかかわり、家族のコミュニケーションを深めていくことが一番です。



<子育てが楽しくなるコツ>
しかし、実際の子育ては楽なことばかりではありません。特に子どもが小さいうちは24時間営業ですから、大変です。僕は作家デビューする前、デビューしてから、そしてベストセラーが出てからと合わせて10年、保育園の送り迎えをはじめ子育てを担ってきました。正直にいうと、最初の子のときは、面倒くさいなと感じることもしばしばでした。

でも、やっているうちに慣れてくるものです。慣れると余裕ができ、だんだん面白くなっていきました。やがて可愛くてしょうがない瞬間が生まれてきたのです。そうなるとしめたもので、夜中に泣こうが、オムツを濡らそうが、ハイハイと笑顔で世話ができるのです、「パパでないと一緒に寝ない」なんて言われると、ますます可愛くなる。可愛いから、もっと愛情をそそいでやりたくなる。すると、すべていい方向に作用していきました。娘が大きくなると、父親は嫌われて口を利いてくれなくなるという話を聞きますが、我が家ではそんなことはありません。相変わらず懐いてくれていて、よく話もします。
ですから、僕は子育てを楽しくやるコツは、できるだけ父親も生まれたときからかかわることが大事だと思います、なかには父親の出番は、子どもが思春期になってからという人がいますが、それでは遅すぎます。問題が起きたときに、突然、父親が出てきても子どもには通じませんから。

そして母親は、子育て中でも、仕事を続けるなり、自分の夢中になれることを持っていることです。母親自身が自分の生き方をしっかり持っていれば、子離れもうまくいきますし、自立の道をスムーズに歩めるはずです。


<子育てのできる男性は仕事もできる!>
振り返ってみると、僕は子育てから多くのことを学んだ気がします。プロの作家へのハードルを越えられたのも、人間の本能が凝縮された子どもと向き合ってきたからかもしれません。

とはいえ、世の父親たちからは、「子育てに深くかかわるなんて、作家だからできたこと。サラリーマンでは無理」と言われるかもしれません、

確かに積極的に子育てに参加したいと思っても、企業や社会の意識が変わらなければむずかしいでしょう。現状では男性の育児休業取得率1%にも満たないのですから。でも僕は子育てに熱心な父親には、ぜひ出世してほしいと思っています。子育てのできる男は仕事もできる。これが僕の経験から得られた実感です。ですから、企業の側もそういう父親をどんどん出世させてあげてほしいのです。

さらにもっと言えば、とかく親は子どもに安定した世界を与えがちです。しかし、子どもがいきいきと楽しい人生を送るためには、自らの足で立つ力が必要です。たくましく生きる力を与えてやるのが父親ではないでしょうか。豊富な経験を持つ父親こそ、次世代の子どもたちに向けて、チャレンジ精神や力強く生きるための情報を伝えてあげられると思います。



何年か前に、鈴木さんご自身の子育てについて書かれていた本を読んだ事がありますが、お子さんの保育園からの汚れ物を洗濯する話があり、週末に布団カバーやシーツ等を園から持って帰って、ちょっと開けてみて、“汚れていないならもう一度次週つかう・・・”という話を読んだ時には、“そのアバウトさ、いいよな~!”と思いました。
(保育園の方針として、汚れていようがいまいが持って帰ってもらわないといけないという事もありますからね。(^_^;))

子育てを経験する事で、親として、又、人間としての“柔軟さ”や“しなやかさ”等を獲得していく男性が、これから増えていくような気がしますね。


(KIN:149 赤い律動の月/流れをつり合わせる)