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月子のティーハウス(絵本)を作成しております

第9話・おでむかえ

2024年04月19日 | 月子のティーハウス(第6話~第9話・エピローグ)

ご訪問ありがとうございます
最終話となります、よろしくお願いいたします

月子のティーハウス
(moon child's tea house)

第9話 おでむかえ

晩秋の陽光が、ティーハウスの窓を通して入って来る
微細な宝石のように、光はキラキラと輝いている

遅咲きのオールドローズを一輪挿しに入れ、月子はテーブルの上に飾った

まつざわたかしくんは、すでに来ていた
窓の近くの椅子に腰かけている

今日のまつざわたかしくんは、微笑みながら練習をしている
(…とう、ありがとう、ありが…)

足元には、さくらがくつろいでいる
こぼれるように月子は笑った

水の入った銅製のケトルが弱火にかけられている
ジャスミンティの茶葉を取り出し、月子はティーポットに入れた

ボーンチャイナの白いマグカップが取り出され
温めてあるオーブンの側には、少し大きめのカヌレが用意されている

ガスの火を止め、月子は耳を澄ませた
木の葉の擦れる音が聞こえ、ひとみ川の川音がする

そして落ち葉を踏む足音が、次第に近づいて来る
(シャクサク・シャクサク)
月子は頷いた

ドアを開け、エントランスの外へ出た
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」


(さくらも来ているようです)

お読み頂きありがとうございました


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