浅田次郎の作品は読んだことがなかった。
知人が一番好きな作家と言うので、おすすめを聞いて読んだ。
作品によってテイストは違うのだろうと思うけれど、登場人物の人生が私の生活とはかけ離れていて、ドギツかった。
学生時代にインドの文学を少し読んでいたとき、「生老病死」は万人にあって避けられないという言葉があった。
避けられないもののある人生において、それでもどんな状況にある人も考え方によって「しあわせ」を感じることはできるということ。
そんなことを思った。
私の感覚では、ドギツイ人生なのだけれど、そんな中にも愛ややさしさが散りばめられていて、あたたかい感触の読後感となるところが、きっと浅田さんの腕なんだと思った。
説教くさいことは言いたくないけれど、生きづらいと感じている若者に読んでもらいたい。
生を手放そうとしてしまっている人たちに読んでもらいたい。
執念深く生き抜いてもらいたい。
ずっと父と不仲で私たち娘のために仕事もバリバリやってきて看護環境の改善に闘い続けてきた私の母。
しかし、娘として背負わされたものが大きく、また気性の激しい母への反発も何十年とあった私。
母とは絶縁寸前まで行ったコロナ禍。
なんだかこの本を読んで、眉間に皺寄せて凄みのある顔して生きてる人を尊く思える気がした。
どんな状況にある人も生き抜いてください。
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