天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

『家光と彦左と一心太助』(1961年東映)

2013年08月03日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都文化博物館3階のフィルムシアターで『家光と彦左と一心太助』を観てきました。

一心太助・徳川家光(二役)…中村錦之助
大久保彦左衛門…進藤英太郎
徳川忠長…中村賀津雄
お仲…北沢典子
国松…中村梅枝
竹千代…中村米吉
柳生但馬守…坂東簑助
柳生十兵衛…平幹二朗
柳生又十郎…尾上鯉之助
鳥居土佐守…山形勲

監督…沢島忠
脚本…小国英雄
撮影…坪井誠

2011年10月の新橋演舞場で上演された獅童さん主演の歌舞伎の原作です。
やっとスクリーンで観ることができました。

時は二代将軍秀忠のころ、時期将軍は家光と決まっていたが、次男忠長を溺愛する北の方が鳥居らと結託して家光を亡きものとし、秀忠を将軍にせんとたくらんでいた。
彦左はそれを心配し年始の挨拶に来た太助が家光と瓜二つだと気づき、家光と入れ替える。
入れ替わった家光と太助、お互い脳の病気だと納得させ危うくも難を逃れる。
しかし鳥居のもとにこの計画がばれてしまい、彦左の屋敷で家光と太助がいるとき一味が襲い掛かる。
鳥居らの一味は成敗され、一件落着。

面白いです。そんなに本数を観ている私ではございませんが、娯楽時代劇の教科書、お手本にすべき作品だと思います。
脚本、演出、撮影、すべてにおいてすばらしい。
爆笑場面あり、兄弟愛あり、おしまいは群集による立ち回り。
1時間半、あっという間に過ぎてしまいました。

錦之助さんの二役がすばらしい。二役というより、それぞれ化けているので、四役というべきでしょうか。
それぞれメリハリがあってもう最高。
特に大笑いしたのが、太助が袴で歩く稽古をする件。
そして、鳥居の前でころげると「苦しゅうない、捨て置け!」

もうひとつ、諸侯からの案件を処理する件。
「よきにはからえ。」とやりすごしていた太助家光。魚河岸の差配を変更の案件が出ると、「よきにはからえ…じゃないよ。」町人言葉でまくし立てる。彦左でもごまかしがきかなくなり、そこで「苦しゅうない、捨て置け!」で一同「ははぁ~っ!」間がすばらしく、客席のあちこちで笑い声が。

大好きな俳優さん、平幹二朗さん♪十兵衛役。太助に化けた家光を何かと助けます。独眼の魚屋さん、怪しさ満点やけど、むちゃくちゃかっこいいんです。そして、お茶目。お若いころから芸達者な役者さんだったとは。おしまいの立ち回りもかっこいいです。背が高いのでものすごく画面に映えます。

歌舞伎好きでもあります私が気になった点が。
幼少の家光、忠長の竹千代役の中村米吉さんと国松役の中村梅枝さん。
おそらく今の歌六さんと時蔵さんではないかと思うのですが、これをどなたにお伺いすればよいのやら。
それから、柳生但馬守役の坂東蓑助さんは今の三津五郎さんのおじいさん?
う~ん、気になる。

この作品はシリーズ4作目だそうです。
あと3作、観てみたいと思います。

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