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天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

『華岡青洲の妻』(1967年)

2014年09月21日 | 時代劇(テレビ・映画)
大阪歴史博物館4階講堂で『華岡青洲の妻』(1967年大映)を観てきました。

華岡青洲…市川雷蔵
加恵…若尾文子
於継…高峰秀子
直道… 伊藤雄之助
小陸…渡辺美佐子

監督…増村保造

江戸後期、紀州の医師華岡青洲が麻酔薬を使った外科手術の成功の陰に妻・加恵と姑・於継の葛藤、一家の不幸、青洲の苦悩を描いた秀作。

子供のころテレビで見たことがあり(確か十朱幸代さん主演)、そのときに感動したので雷蔵さんで映画があったことを知り、楽しみにしていました。

テレビ時代劇も良かったのですが、青洲、加恵、於継はこのお三方がいちばん合っていたかと思います。
家族の病魔に屈し、また嫁姑の葛藤にも悩み(悩んでない?)その中で医師として命を助けることが使命とひたすら研究に打ち込む青洲は雷蔵さんにぴったりでした。

美しい於継にあこがれ、華岡家の嫁としてつとめ、そして青洲帰国後の於継の豹変で今度は青洲の嫁として、また武家の娘として懸命に妻のつとめを全うする加恵は若尾文子さんでないと。

いちばん驚いたのは於継の高峰秀子さん。当時42歳だったそうで、息子、嫁役のお二人とあまり歳が変わらなかったのにあの貫禄と老けた演技はすばらしかったです。

青洲とその父直道がひたすら「カダ、カダ」と言っていたのがわからず、後で調べてみると三国志に出てくる華佗でした。中国の歴史に弱いと本当だめですね。いやあ。まったく。
これがわかっていたらもっと良かったのにと後悔。

衝撃的なシーンは、麻酔実験から目覚めた加恵に青洲が口移しで気付薬を飲ませるところを於継が屈辱的な目で眺めているシーン。

さらに、その後青洲より「一緒におかゆを食べるから作ってくれ」と頼まれ、泣く泣く作っているところ、青洲の弟子には「大奥様は実験の成功を喜んでうれし泣きしながら粥を作っていらっしゃる。」と。

そして、青洲の妹・小陸が血液のガンで倒れ、病床で加恵から嫁にやらずにすまなかったという加恵に対して「私は見てました。おかあはんとおねえはんのことを。嫁に行かんと病気になったほうが良かった。私は次は女に生まれとうない。嫁にも姑にもなりとうない。」と言うような台詞があり、まさにこの作品の主題を象徴していました。渡辺美佐子さんも良かったな。

冒頭の於継がチョウセンアサガオ畑(?)を歩くシーンと、おしまいの盲目の加恵が同じところを歩くシーンがとても美しく印象的でした。もしかすると於継も過去には加恵のような苦しみがあったのかもしれない。そんな風にも思えました。

華岡青洲の妻 [DVD]
市川雷蔵,若尾文子,高峰秀子,渡辺美佐子
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『若親分出獄』(1965年大映)

2014年07月20日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都みなみ会館で催されている「市川雷蔵映画祭2014」。
『若親分出獄』(1965年大映)を観に行ってきました。

南条武…市川雷蔵
中津京子…朝丘雪路
お芳…坪内ミキ子
三吉…山田吾一
竹村一夫…戸田皓久
仙之助…水原浩一
鈴木源吉…千波丈太郎
中新門勇吉…神田隆
堀越伝三郎…内田朝雄

元海軍の軍人で大浜のやくざの若親分南条武は、大正天皇御大典の恩赦で六年振りに出獄した。しかし不在の六年間で大浜は、九州から流れて来た中新門勇吉一家がが政界の実力者堀越伝三郎の庇護を受け、すっかり牛耳られていた。かつての勢いを取り戻そうと南条組の子分たちは武に詰め寄るが、彼にはもうやくざ渡世から足を洗う決心でいた。
口入屋家業を行うも中新門一家に拒まれる毎日。また、海軍時代の旧友・竹村から海軍上層部の汚職に堀越伝三郎が黒幕であると知る。子分がさらわれた武は救出に向かうが結局、中新門一家を絶滅させ、血気に逸る竹村たちをかばうため、自ら海軍鎮守府にかつての軍服姿で堀越を斬殺。竹村の説得で自首せず、軍艦でどこか海外に向かう武であった。

雷蔵さんのやくざ映画を初めて観ました、というより、60年代のやくざ映画を初めて観ました。
普段目張りバリバリの雷蔵さんしか知りませんでしたので、あんなにあっさり顔やったんですね。
なんとなく縄張りだの義理だ、人情だの暑苦しいのって似合うか~?と思っていましたが、この若親分シリーズ?は元海軍でやくざというめちゃくちゃな設定で、雷蔵さんにぴったりでした。かっこよかった~。

敵はバンバンと銃を乱射してくるのに、刀しか持ってない雷蔵さんには当たらない。
しかも立ち回りは時代劇のチャンバラ風。肩脱ぎするとワザとらしい昇り龍?の刺青。楽しすぎ

ラストは白い海軍の軍服姿で、ツカツカツカっと黒幕が座る部屋へ入って行き、刀でぶわぁっさぁ~っと一太刀。返り血で白い軍服が真っ赤。ワザとらしい演出が素敵~。

私は歌舞伎風味な楽しくて明るい時代劇が好みで、股旅任侠ものも好きでないのに、やくざ映画大丈夫かなあと思っていましたが、この設定なら大丈夫でした。

この作品は2作目で全7作あるそうです。
機会があれば他の作品も観てみたいです。
面白かった♪
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『陽気な殿様』(1962年大映)

2014年07月19日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都みなみ会館で催されている「市川雷蔵映画祭2014」。
『陽気な殿様』(1962年大映)を観に行ってきました。

市川雷蔵…榊原隼之介
坪内ミキ子…弥々姫
高田美和…八重
宇津井健…松平長七郎
小林勝彦…八五郎
天知茂…挙手田多門
藤原礼子…ゆき
真城千都世…お光
佐々十郎…三次
菅井一郎…田口半兵ヱ

父親が老中の姫路藩(?)の若殿隼之介は家督相続のために江戸から姫路へ旅にでることになった。
遊び友達の大工の八五郎と鳶の三次を供に自由きままに旅するつもりが、田舎の和尚に女遊びを教わったり、やひたすら人を斬ることしか考えない浪人・多門に襲われたり、浜松藩家老に埋蔵金の図面の刺青をされた女中を預かったり、幼なじみの夫は殺され仇は明石藩にかくまわれていると知るや、見合い行列中の明石藩の姫をさらって交換条件でやっつけたり。最後はなぜか明石藩の姫と結ばれて、ちゃんちゃん♪

ご都合主義満載、雷蔵さんのアホな殿様でもかっこいいぞサイコー!、人を斬ることしか考えていない都合よく出てくる天知茂さんニヒルでサイコー!、宇津井健さんやっぱり昔から良い人役なんやねサイコー!な、お気楽ご陽気時代劇でした。

台詞も「趣味じゃないんだよな。」など現代語口調だったりするのですが、全く気にならないのはやっぱり時代劇の基礎、素地があってこそ。

面白かったです。
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『瞼の母』(1962年)

2014年07月06日 | 時代劇(テレビ・映画)
昨日(7/5)京都文化博物館3階のフィルムシアターで『瞼の母』(1962年)を観てきました。

番場の忠太郎…中村錦之助
金町の半次郎…松方弘樹
おはま…木暮実千代
お登世…大川恵子
おぬい…中原ひとみ
素盲の金五郎…原健策
息羽田要助…山形勲
伊勢屋長二郎…河原崎長一郎

5つで生き別れになった母をさがす渡世人の忠太郎。弟分の身代わりにならず者を斬り、弟分を堅気にさせ、追われる身となりながら、みつけた母は江戸で料亭の女主人となっていた。再会した息子に素直になれず追い返してしまう母。失意の忠太郎は帰り道、ならず者の一味に襲われるが返り討ち。改心した母は忠太郎を追うがそのまま去る忠太郎。

昨年11月に中村獅童さんの歌舞伎『瞼の母』を観て以来、観たかったこの作品。
またまた予想以上に素晴らしかったです。

弟分の松方弘樹さん、パッと見すごく強そうなのに(目チカラがすごい)、「兄貴ぃ~。」と弱弱しくで情けなくて、まだまだお子様みたいな雰囲気がとても上手かったなあ。
中原ひとみさんもかわいいし、大川恵子さんはどうしてこんなお母さんから清らかな娘なん?っていうくらい美しいし。
娘の許婚の河原崎長一郎さんもこれでもか!というくらい優しいし。悪役のイメージしかなかったのでなんだか意外でした。

意外というと山形勲さん。むちゃくちゃ悪いのかと思ったら、おとぼけな浪人。おしまいにあっけなく忠太郎に斬られるし。上手いなあ。

やっぱりみどころというと、忠太郎とおはまの再会シーンですね。
「おっかさん、どうして認めてくれないんだい。」
「忠太郎、どうして堅気ではなかったんだい。」
という心のすれ違いがありありとわかりました。
中村錦之助さんと木暮実千代さんの演技は素晴らしすぎました。

観に行ってよかったです。

瞼の母 [DVD]
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東映ビデオ
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『鴛鴦歌合戦』(1939年日活)

2014年06月07日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都文化博物館3階のフィルムシアターで『鴛鴦歌合戦』(1939年)を観てきました。

浅井礼三郎…片岡千恵蔵
狂斎の娘お春…市川春代
志村狂斎…志村喬
遠山満右衛門…遠山満
娘藤尾…深水藤子
峰沢丹波守…ディック・ミネ
香川屋惣七…香川良介
娘おとみ…服部富子
道具屋六兵衛…尾上華丈

浪人浅井礼三郎にはお春、おとみ、そして許婚の藤尾という3人に惚れられ大変な毎日。
お春を見初めた大名の峰沢に道具屋六兵衛が偽者の掛け軸を売ったことから、骨董好きのお春の父志村を巻き込んでの大騒動。
そして礼三郎の三角関係はいかに。
全編に渡って台詞が歌のオペレッタ時代劇。

文化博物館のパネル説明によると一週間で撮りあげたらしく、そのせいか突っ込みどころ満載。
同じ日の夜のはずなのに場面が変わると昼間だったり、影があるのに雨だったり(それは最近でもあるか)。
登場人物の名前も俳優さんの名前をもじっていたりして面白い。

それよりも、日傘が江戸時代にあったのかということと、内職?の傘を売った金額が3分(1両の4分の3)でどうして主食が麦焦がし(はったい粉)なのか(古道具で散財してる?)というのが不思議で。

しかし、こんなことどうでもよくなるほど楽しい映画でした。

本当にほとんど台詞が歌(ジャズ?)で、歌詞が現代語で「ヒステリー」とか「ロマンチック」とか。
ディック・ミネさんが家臣を後ろに従えて「僕は素敵な殿様さ~♪」と愉快に登場してくる場面がツボにハマりました。

今と違って、歌舞伎のにおいのするというか、昔っぽい役者さんたちが演歌や長唄、民謡のような曲ではなくジャズとか「ずんちゃっちゃ」というテンポ(?)の新しい曲調で歌われるから面白いんだと思います。
歌手だという(よく知らない)ディック・ミネさんと服部富子さん、そして歌手ではない志村喬さんの歌声がとても素晴らしい。上手いなあ。
千恵蔵さんもほんの一言ふたこと歌ってました。

お話もご都合主義万歳!というくらい、ホイホイと進んでいって、千恵蔵さんのかっこいい立ち回り(曲がまた明るくて良い)の後、お春の恋敵のお富が「今日から私は友達よ~♪」と歌ってハッピーエンド。

おしまいの主な登場人物(といってもほとんど)が傘を持っての踊りがまた良い。

戦前の昭和14年の作品なんですよね。
昔の映画のイメージが変わりました。
良い勉強できたと思います。

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映画「祇園祭」(1968年)

2014年04月06日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都文化博物館3階のフィルムシアターで『祇園祭』(1968年)を観てきました。

新吉…中村錦之助
あやめ…岩下志麻
善阿弥…永井智雄
権次…田中邦衛
助松…田村高廣
丹波屋伝蔵…御木本伸介
熊左…三船敏郎
伊平…渥美清
於菟…北大路欣也
染物職人・六…松山英太郎
巽組代表…高倉健
町衆…美空ひばり、香山武彦、中村賀津雄

応仁の乱により荒廃した京の都、町衆は土一揆に恐れる毎日。
土一揆のあったある日、染物職人の新吉は笛の名手のあやめと一夜を過ごす。
管領のに命により土一揆の本拠地山科へ攻め入ったが、貧しい農民の生活を目の当たりにした新吉。
また、馬借衆の襲撃に恐れをなし逃げる侍たちの姿があった。
憎むのは土一揆ではなく侍たちではないのか…。町衆は幕府に税金を納めないことを決め、30年間途絶えていた祇園祭を復活させ町衆の結束を見せようと決定。しかし幕府は関所の税金を上げ、京の町に米が入らなくなった。
あやめの進言により、新吉は丹波屋伝蔵と供に馬借衆の長・熊左と和解、そうして着々と祭りの準備が進み、復活を遂げるが…。

休憩なしの本編168分の作品です。なにもかもすごかったです。
キャストがすごい、セットがすごい。あらすじもめちゃくちゃですごい(←褒めてます)。

主演は中村錦之助さんですが、そのほかの大物俳優さんの出演シーンがあるため長くなってしまうのは仕方ないのかもしれません。

中世の歴史には弱い私なので、土一揆ぐらいはわかっていましたが、わからない単語がいろいろあり、勉強になりました。

錦之助さんと高廣さんが山鉾に乗り、渥美清さんが引く、そして「頑張ってぇ!」とひばりさんが声援。すごいなあ。
志麻さんは美しすぎるし、三船さんはかっこいいし、御木本伸介さんは裏切るのかと思ったら良い人だったし。
裏切ろうとした町衆(巽組)の長の健さん、ひとり背が高くてかっこよくて目立ちすぎてるし(←褒めてます)。
ワケがわからないのが田中邦衛さん。ずっと志麻さんにひっついているけど何をするわけでもなく、無駄な存在感ありすぎ(←褒めてます)。

祇園祭が好きな方、京都が好きな方は一度ご覧いただきたい作品だと思います。

が、しかしながらDVD化されておらず、京都文化博物館のフィルムシアターでの上映会のみでしか見ることができないようです(なんちゃら映画祭とかで貸し出しはされているようですが)。

とにかく祇園祭に行きたくなりました。そんな作品です。
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『新選組始末記』(1663年大映)

2013年11月24日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都文化博物館3階のフィルムシアターで『新選組始末記』(1663年大映)を観てきました。

山崎蒸…市川雷蔵
近藤勇…城健三朗(若山富三郎)
沖田総司…松本錦四郎
土方歳三…天知茂
毛利志満…藤村志保
芹沢鴨…田崎潤

監督…三隅研次
脚色…星川清司

新選組の芹沢鴨暗殺から池田屋騒動までを雷蔵演じる山崎烝を中心に描く。
父二代続けて浪人の山崎蒸、御典医の娘で許婚の毛利志満と一つ屋根の下で暮らしていた。
あるきっかけで近藤勇にほれ込んだ山崎は本物の武士になると、志満の反対を押し切り新選組へ入隊。
しかしその現実は局長の芹沢鴨の横暴に業をにやした土方たちの暗殺や、実直な山崎が邪魔だと土方や沖田に陥れられ危機にさらされるなど異なるものであった。
ただ一人信じ、信じられるのは近藤勇ただ一人であった。

雷蔵さんって愛する女性を捨て信念に生きる悩める男性を演じたら天下一品ですね。本日さらに感じました。
良かったです。
藤村志保さんって私が物心ついたときからご年配だったので(すみません)、声でわかりました。お若いときから上品な台詞まわしは変わらないんですね。
「志保って呼んでください。」「志保…。」というシーンと、池田屋騒動を終えた新選組たちが隊をなして引き上げて行くのを無常感に満ちた表情で見送るシーンが最高でした。ラストシーンなのでとても印象的。

あくまでも山崎を信じ、また土方も信じる男の中の男という近藤を富三郎さん。よかったです。私の中の近藤勇のイメージに近いような気がします。

近藤勇とくれば土方歳三なのですが、それを天地茂さん。かっこよすぎ。ニヒルすぎ。悪い悪い。どうして局長にならないんだとの近藤の問いに「人を使って大きくしていくのが楽しい」みたいな台詞がまた似合う。

新選組が大好きで関係する映画やテレビ時代劇をよく見ているのですが、この作品は秀逸です。

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市川雷蔵,城健三朗(若山富三郎),松本錦四郎,小林勝彦
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『歌麿をめぐる五人の女』(1946年松竹)

2013年10月14日 | 時代劇(テレビ・映画)
先日(10/12)京都文化博物館3階のフィルムシアターで『歌麿をめぐる五人の女』を観てきました。

てっきり浮世絵師喜多川歌麿が5人の女を描いてとっかえひっかえ…みたいなお話かと思っていたら、主人公は5人(ひとりが誰かわかりませんが)の女性たち。タイトルの通り歌麿に関わりのある男女の色恋模様のお話でした。

喜多川歌麿(坂東簑助)…売れっ子浮世絵師。太閤記の絵がお上を侮辱するとして手鎖50日の刑を受ける。

小出勢之助(坂東好太郎)…狩野派の絵師であったが、歌麿と絵の勝負をして負けたことから町人となり歌麿の弟子となる。雪江という許婚がいたが、おきたに町人の娘の良さに目覚め、雪江を忘れ、肉体の美しいお蘭に魅せられ駆け落ちする。

蔦屋重三郎(高松錦之助)…版元。歌麿や山東京伝などの本を出版。

竹麿(富本民平)…歌麿の身の回りの世話をする弟子。新造おしんと夫婦になる約束をするが周りから「大丈夫か?」「本当か?」となかなか信じてもらえない。

おきた(田中絹代)…寛政の三大美人と称される茶屋難波屋の看板娘。紙問屋の若旦那・庄三郎と恋仲であったが、花魁多賀袖と駆け落ちされ、追いかけて庄三郎を取り戻すが、また多賀袖と会っていると知り嫉妬。二人を手にかけてしまう。

雪江(大原英子)…狩野の絵師の娘。勢之助と許婚であったが、 勢之助が町人となったため屋敷を出、蔦屋で働く。やっと勢之助が自分のもとに戻ってきたと思ったとき、勢之助はお蘭に一目ぼれ。また振られてしまう。

お蘭(川崎弘子)…松平周防守邸の腰元。襦袢一枚で鯉つかみをしているところを歌麿に絵のモデルとしてスカウトされる。その後、勢之助と駆け落ち。

多賀袖(飯塚敏子)… 花魁。庄三郎と駆け落ちするが、おきたに庄三郎を奪われる。再び江戸で庄三郎と会っているところにおきたに殺される。

おしん(白妙公子)…おたふくのような新造。その容姿から人気がないが、年季が明け、竹麿と夫婦になる約束をする。

監督…溝口健二
脚色…依田義賢
原作…邦枝完二

昭和21年松竹作品なので、主演の坂東簑助さんは今の三津五郎さんのおじいさん?かと思われます。

ストーリーはややこしいので、人物紹介にしました。とっても跳んでいて歌舞伎にしたらさぞかしおもしろいやろうなというお話です。
とりあえず、歌麿は善い人で、悪くはありませんでした。

時代考証がしっかりしていて、まるで動く浮世絵。特に気になったのが、女性の耳の後ろの髪の毛。後で確認したら、歌麿の女性にはみんな短い髪の毛がありました。
かんざしも浮世絵みたいにたくさん、着物の衿の抜き具合とか、帯とか、何から何まですごかった。
難波屋の暖簾の紋が桐の紋でしたし。

山東京伝とか十返舎一九とも友人で松平周防守邸の庭の池?で開催された美人腰元たちの襦袢一枚鯉つかみ大会を観にいくというのがなかなか面白かった。
多分、その観にいく途中の廊下は大覚寺なんやろうなあって。

おきたが仕度をするシーンがあり、鏡の前でかんざしを挿し、小指で紅をさす。まるで歌麿の美人画そのものでした。色っぽかった~。

江戸文化が大好きな方、浮世絵が大好きな方は一度ご覧ください。おすすめです。

歌麿をめぐる五人の女 [DVD]
坂東蓑助,田中絹代,飯塚敏子,川崎弘子,坂東好太郎
松竹ホームビデオ
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『家光と彦左と一心太助』(1961年東映)

2013年08月03日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都文化博物館3階のフィルムシアターで『家光と彦左と一心太助』を観てきました。

一心太助・徳川家光(二役)…中村錦之助
大久保彦左衛門…進藤英太郎
徳川忠長…中村賀津雄
お仲…北沢典子
国松…中村梅枝
竹千代…中村米吉
柳生但馬守…坂東簑助
柳生十兵衛…平幹二朗
柳生又十郎…尾上鯉之助
鳥居土佐守…山形勲

監督…沢島忠
脚本…小国英雄
撮影…坪井誠

2011年10月の新橋演舞場で上演された獅童さん主演の歌舞伎の原作です。
やっとスクリーンで観ることができました。

時は二代将軍秀忠のころ、時期将軍は家光と決まっていたが、次男忠長を溺愛する北の方が鳥居らと結託して家光を亡きものとし、秀忠を将軍にせんとたくらんでいた。
彦左はそれを心配し年始の挨拶に来た太助が家光と瓜二つだと気づき、家光と入れ替える。
入れ替わった家光と太助、お互い脳の病気だと納得させ危うくも難を逃れる。
しかし鳥居のもとにこの計画がばれてしまい、彦左の屋敷で家光と太助がいるとき一味が襲い掛かる。
鳥居らの一味は成敗され、一件落着。

面白いです。そんなに本数を観ている私ではございませんが、娯楽時代劇の教科書、お手本にすべき作品だと思います。
脚本、演出、撮影、すべてにおいてすばらしい。
爆笑場面あり、兄弟愛あり、おしまいは群集による立ち回り。
1時間半、あっという間に過ぎてしまいました。

錦之助さんの二役がすばらしい。二役というより、それぞれ化けているので、四役というべきでしょうか。
それぞれメリハリがあってもう最高。
特に大笑いしたのが、太助が袴で歩く稽古をする件。
そして、鳥居の前でころげると「苦しゅうない、捨て置け!」

もうひとつ、諸侯からの案件を処理する件。
「よきにはからえ。」とやりすごしていた太助家光。魚河岸の差配を変更の案件が出ると、「よきにはからえ…じゃないよ。」町人言葉でまくし立てる。彦左でもごまかしがきかなくなり、そこで「苦しゅうない、捨て置け!」で一同「ははぁ~っ!」間がすばらしく、客席のあちこちで笑い声が。

大好きな俳優さん、平幹二朗さん♪十兵衛役。太助に化けた家光を何かと助けます。独眼の魚屋さん、怪しさ満点やけど、むちゃくちゃかっこいいんです。そして、お茶目。お若いころから芸達者な役者さんだったとは。おしまいの立ち回りもかっこいいです。背が高いのでものすごく画面に映えます。

歌舞伎好きでもあります私が気になった点が。
幼少の家光、忠長の竹千代役の中村米吉さんと国松役の中村梅枝さん。
おそらく今の歌六さんと時蔵さんではないかと思うのですが、これをどなたにお伺いすればよいのやら。
それから、柳生但馬守役の坂東蓑助さんは今の三津五郎さんのおじいさん?
う~ん、気になる。

この作品はシリーズ4作目だそうです。
あと3作、観てみたいと思います。
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『女狐風呂』

2013年07月28日 | 時代劇(テレビ・映画)
昨日(7/27)京都文化博物館3階のフィルムシアターで『女狐風呂』を観てきました。

目明し文吉…市川雷蔵
文吉女房お光…瑳峨三智子
商家の若旦那新助…林成年
旅篭の若女房おくみ…浦路洋子
女中お雪…中村玉緒
小唄師匠豊春…大和七海路
目明し鶴吉…堺駿二
骨董や竜山堂…山茶花究
矢場女おそで…楠トシエ
旅絵師半覚斎…寺島貢

監督…安田公義
脚本…小国英雄

南伊豆の温泉宿で主人の若女房おくみが足袋に針をしこまれたり、普請中の材木を倒されたりするなど奇妙な事件が続く。
たまたま別の事件で宿屋を訪れた目明し二人と保養中の江戸の目明し文吉のお光が事件の解明に乗り出すと、お光が命を狙われたり、容疑者の一人が刺されたりさらに事件が起こっていく。
最後は文吉の名推理で一件落着。

冒頭、なかなか雷蔵さんが出てこず、部屋で昼寝中。瑳峨三智子さんが何を言っても「ぅーん。」と返事するだけ。顔も団扇で隠してます。歌舞伎でたまにある演出やなあと思いました。
その時の嵯峨三智子さんが色っぽいやら、かわいらしいやらでたまりませんでした。

女好きの若旦那の林成年さんがまた良かったなあ。番頭さんに邪魔されてもちゃんと従うんですから。

場所が温泉宿、たくさんの登場人物の登場で一見ややこしい感じがしますが、無駄なシーンもなく、しっかり見ておかないと最後の推理シーンで損することになってしまいます。
が、見ないとというよりも、上手に見させてくれていました。

まあ結局、宿の若夫婦の過去がきっかけで起こった事件なので、このあと夫婦は大丈夫か?なんてことは置いておいて、スピード感があり、合間のギャグも絶妙で、ああ、と思わせるどんでん返しもあり、今でも十分通じるのではないかと思える作品でした。
また雷蔵さんと瑳峨三智子さんの美男美女のおしどり夫婦っぷりがたまりませんでした。

事件が一件落着したあとの文吉夫婦。また「ぅーん。」ですが、最後はラブラブ。
格子に並べたたくさんの達磨さんが次々にあっちむいていく演出はかわいくてよかった♪
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『忠臣蔵』(1958年大映)

2013年07月15日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都みなみ会館で催されている「市川雷蔵映画祭2013」。
『忠臣蔵』(1958年大映)を観に行ってきました。

大石内蔵助…長谷川一夫
浅野内匠頭…市川雷蔵
岡野金右衛門…鶴田浩二
赤垣源蔵…勝新太郎
片岡源吾衛門…黒川弥太郎
堀部安兵衛…林成年
女間者おるい…京マチ子
大工の娘お鈴…若尾文子
瑶泉院…山本富士子
大石の妻りく…淡島千景
浮橋太夫…木暮実千代
垣見五郎兵衛…中村鴈治郎(二代目)
吉良上野介…滝沢修
千坂兵部…小沢栄太郎
清水一角…田崎潤
上杉綱憲…船越英二
多門伝八郎…黒川弥太郎

出演者の面々を見ればわかるように、大映オールスター映画です。
上映時間166分ということで、途中インターミッションが入るのかしらと思っていましたがありませんでした。

内匠頭刃傷を知らせる早駕籠が江戸から赤穂に到着したところから始まり、回想で内匠頭と吉良の話(畳替え、烏帽子大紋)があり、切腹。赤穂城明け渡し、内蔵助山科暮らし、一力茶屋での遊興、浮橋太夫の身請け、垣見五郎兵衛、岡野金右衛門と大工の棟梁の娘、赤垣源蔵の兄の羽織で一人酒、討ち入り、多門伝八郎が両国橋を渡るな、永代橋へ行け。瑶泉院が見送り。
そんな感じでした。

とりあえず、萱野三平と橋本平左衛門の自害、毛利小平太の逐電(脱退)はありませんでした。
さらに、土屋主税の提灯と「入ってきたら誰でも撃つ」という名場面がありませんでした。

その代わり、京マチ子演ずる間者おるいのシーンが多かったです。
一力茶屋に潜入し、内蔵助を暗殺しようとしたり、いつの間にか味方になってしまい、吉良在宅の日付を伝えると、他の浪士を守って討ち死に。
それから、岡野金右衛門と大工の娘も長かった。結局「来世では私の妻だ。」とまで。
苦労して討ち入りなのよ、というより思い残すことなく討ち入りできました。という感じがしました。

あと気になったのが、大目付多門さん出番多すぎ。
最後の最後で討ち入り後の浪士たちに「両国橋を渡るな、お咎めのない永代橋へ行け」。
多門さんは最後まで浪士の味方ということをいいたかったのでしょう。

勝新さんの赤垣源蔵はまさにハマり役。
鴈治郎さんの垣見五郎兵衛もよかった…ですが、手形はやっぱり真っ白で「うううううううむ。」と唸ってほしかったところ。内蔵助が内匠頭の懐刀を見せるんですよね。うううん。

今回観て思ったのが、私がどれだけ忠臣蔵にこだわりを持っているかわかったのと、ものすごく素晴らしい俳優さんたちの名演技であっても脚本、演出次第でどうにでもなるということでした。

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『大江山酒天童子』

2013年07月15日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都みなみ会館で催されている「市川雷蔵映画祭2013」。
『大江山酒天童子』(1960年大映)を観に行ってきました。

橘致忠(備前介後に酒天童子)…長谷川一夫
源頼光…市川雷蔵
渡辺鋼…勝新太郎
坂田金時…本郷功次郎
大和守一正…中村鴈治郎(二代目)
卜部季武…林成年
碓井貞光…島田竜三
こつま…中村玉緒
茨木…左幸子
渚の前…山本富士子


頼光四天王の酒呑童子の鬼退治がベースになっているのですが、酒呑童子は元貴族で、藤原道長に妻(渚の前)を奪われその恨みが藤原政治を倒そうという志を持って大江山に籠もり、都で悪事を働く茨木童子や土蜘蛛、山賊たちらの棟梁という設定。
ですから、長谷川一夫さんは鬼ではなく美しい人間なのです。

道長から酒呑童子討伐を言い渡された頼光。
渡辺綱の妹・こつまと坂田金時を大江山へ探索へ向かわせるが、こつまが人質に。
なぜか酒呑童子はこつまに指一本触れさせない。
酒呑童子の過去、そして志に触れたこつまは彼を理解するまでに。

土蜘蛛、茨木を倒した頼光一行は源氏の武士団を率いて大江山へ。
頼光と酒呑童子の一騎打ち。
が、あいだに入ったこつま。
「私を斬ってからお斬りなさいまし。」(みたいな台詞あやふや)
二人は刀を納め、自害した渚の前の遺髪を頼光から渡された酒呑童子は安心し、にっこり笑って平原を駆け抜けていく。(←はい?)

お能の「土蜘蛛」、歌舞伎舞踊の「茨木」のエピソードが無理やり盛り込まれていて「はい?」となる部分はありましたが、勉強になりました。

かなり特撮が凝っていたように思います。特に冒頭の酒呑童子が首を落とされて、空へ上っていくシーンとか。

まあ、とにかくこれで頼光四天王は完璧です

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弥次喜多道中 市川雷蔵

2013年01月13日 | 時代劇(テレビ・映画)
監督…斎藤寅次郎

市川雷蔵…弥次郎兵衛
林成年…喜多八
花菱アチャコ…藤川阿茶十郎
堺駿二…新之助
田端義夫…仙太郎
阿井美千子…おこん
小町瑠美子…おくみ
江島みどり…おきん
島倉千代子…千代
山茶花究…細野久庵

借金のツケがたまった弥次さん喜多さん。逃げる途中で喜多さんの声が出なくなった。
久庵先生なら治せると屋敷に向かうと京都でオランダ熱が流行しているため究理石をもって向かうところだった。その究理石は一万両の価値があると、命を狙う浪人たち。
久庵を追って浪人と弥次さん喜多さん、ひょんなことから道連れとなった道中師おこんを交えてのドタバタ喜劇。

始めの10分ほどは普通の時代劇かと思いきや(いや、長屋に穴を掘って逃げ出すところから変かも)、究理石の光線をのどに当てると治るとか、宿場につくと、島倉千代子さんや田端義夫さんがひたすら歌ってるし(若くてびっくり)、上方の岡っ引きのアチャコさんがひたすら絶好調にギャグをとばすわ、ならず者のことを「太陽族よ」とか、当時の流行語をちりばめた喜劇かと思いました。

私個人的には雷蔵さんと林成年さん、山茶花究さんと堺駿二さんの絡みがいちばん面白かったです。

こんな昔にハチャメチャな時代劇があったんですね。
多分当時では大爆笑っだんでしょうねえ。

当時の世相がわかるような興味深い時代劇でした。


角川映画 大映時代劇シリーズ 弥次喜多道中 FYK-159
角川映画
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雪之丞変化(1963年)長谷川一夫主演

2013年01月05日 | 時代劇(テレビ・映画)
監督…市川崑
音楽…芥川也寸志

長谷川一夫…中村雪之丞/闇太郎(二役)
山本富士子…お初
若尾文子…浪路
市川雷蔵…昼太郎
勝新太郎…島抜け法師
市川中車…中村菊之丞
林成年…ムク犬
中村鴈治郎(二代目)…土部三斎

今では上方の人気女形中村雪之丞。実は長崎の商人の息子で両親を陥れ死に追いやった土部三斎、川口屋、広海屋の仇を討たんと、土部の娘・浪路に近づくが…

なにやら、長谷川一夫さんの映画出演300本記念オールスター映画らしいです。
といってもほとんど長谷川一夫さん扮する雪之丞と闇太郎がほとんどで、雷蔵さんや勝新さんはほんの少しでした。
人物だけ明るくそのほかは真っ暗というなんとなく舞台のような光と影の映像、ジャズの音楽の演出が50年前とは思えません。
冒頭とおしまいの歌舞伎の舞台のシーンとの対比もすばらしいです。
もちろん、永遠の二枚目長谷川一夫さんの美しさ満載でした。

自らの手を下さずに命を落としていく仇たち。
浪路も結局は雪之丞が殺したようなもの。鴈治郎さん扮する土部三斎の台詞が印象的。

犬神家の一族を観たばかりなので、ああなるほどと思いました。


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大阪物語 市川雷蔵 中村鴈治郎

2013年01月03日 | 時代劇(テレビ・映画)
出演 市川雷蔵 香川京子 勝新太郎 中村鴈治郎 中村玉緒 三益愛子 東野英治郎
監督 吉村公三郎
原作 井原西鶴(『日本永代蔵』『当世胸算用』ほか)

東近江の水呑百姓・仁兵衛一家が国を脱走、大坂で米を拾って食いつなぐこと10年、お茶問屋兼両替商近江屋となった。
それでもなお、「しぶちん」な性分は一生続き、妻は病を患うも薬代をケチって亡くなり、息子は家出、娘は番頭と駆け落ち、ひとりとなってしまった仁兵衛は気がふれてしまい、千両箱を抱えたまま蔵から出ることができなくなった。

時代劇専門チャンネルで雷蔵特集で見ましたが、これは二代目鴈治郎の主演作でした。
でもなぜか、市川雷蔵がトップに名前が出ています。

鴈治郎さんむちゃくちゃはまり役だったと思います。むちゃくちゃ上手い。

勝新さんの三味線を弾きながら唄っているのは本物でしょうか?
すごくよいお声で聴き惚れてしまいました。
遊女役だった玉緒さん、目がいやらしくてよかったです。

お茶ガラを集めて干してお茶と混ぜて売るわ、葬式ではお茶しか振舞わない。川に落ちた(かもしれない)豆粒銀を番頭たちにさがさせたり。もし西鶴の原作にあった話だとすると、大昔から大阪人はしぶちんということになるんやなあと、大阪人の私は思うのでした。

大阪物語 [DVD]
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角川エンタテインメント
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