平成うきよの覚え書き

日々の出来事などを老化防止の為 書いてゆきます。

安藤昌益

2008年10月28日 | Weblog
 ここ数年安藤昌益のことが気になっている。この方を知ったのは40年位前、「岩波新書 一日一言」を読んで以来です。今まで左程気に留めていなかったのですが、ある方のブログに、「西郷隆盛」「田中正造」と共に優れた日本人として紹介されていたことから気になりだし、1年位前に昌益関係の著作に目を通してみました。まず感じたことは、ここに書かれていることは正に、独創的且つ超革新的内容であると言うことだ。書、学、書物は世の中に混乱と争いを生む元であるとか、「カネ」もまた世の中を悪くするものであるとか、書かれている。また一番価値のあることは、汗をかき働くことで有るとも書いている。正に我が意を得たりである。読んでいると、明治20年代生まれの、祖父の言葉がよみがえる。祖父曰く「百姓が一番偉い、食い物が一番大切」「勉強は楽をして食うためのもの」など等。祖父は昌益を読んだことはないと思われるが、どうして似た様な考え方を持つようになったのだろうか。誰かに聞いたのであろうか、それとも農作業に明け暮れる生活の中から自然と浮かんだ考えなのであろうか。

以下 安藤昌益 自然活真営道より転載
一切ノ文字ハ、己レガ得手勝手ニ私作シ、書学ト為シ、之レヲ以テ上ニ立チ、下ヲ教ユルト為(し)テ私法ヲ立テ、不耕貪食シテ、直耕ノ転道ヲ盗ミ、盗乱ノ根ヲ植ユルヲ、転下ヲ治ムト為(な)ス。是レヨリ永永・盗乱ノ世ト成ル。故ニ字書・学問ハ転道ヲ盗ムノ器具ナリ。真道ハ炉・面ニ備ハルコトヲ知ラズ。故ニ文字・書学ヲ用ユル者ハ、転真ノ大敵ナリ。此ノ故ニ予(われ)、文字・書学ヲ採ラザル所以(ゆえん)是レナリ。
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 ▲或人(あるひと)、問ヒテ曰ク、「汝ガ所謂(いわゆる)文字書ハ、転道ヲ盗ム器(うつわ)ニシテ、転真ノ大敵ナラバ、汝ガ綴ル所ノ書モ文字ナリ。何故ニ盗器ノ字ヲ用ユルヤ」。答ヘテ曰ク、「家ヲ作ルニ必ズ鍼ヲ以テス。此ノ家ハ失(あやま)リナリ。改メ作ラント為(す)ル則(とキ)、鍼ヲ抜キテ家ヲ毀(こぼ)ツニ、其ノ鍼抜ケザル則ハ、必ズ新鍼ヲ以テ古鍼ヲ抜キテ、以テ失家(しつか)ヲ改ム。今予(わ)ガ綴ル所ノ書ハ新鍼ナリ。古書家ノ失リヲ改ムルニ、其ノ失リノ字ヲ抜クニ、乃チ字ヲ用ヒテ之レヲ改ム。古書・盗乱ノ根ヲ破却シテ、後後・永永・無限ニ、無盗・無乱・安平・活真ノ世ニ至ラシメント為(す)ルノミ。故ニ失
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リヲ以テ失リヲ抜キテ、真道ヲ見(あらわ)スナリ。盗(ぬす)ビトヲ糺(ただ)スニ盗ビトヲ以テスル則ハ、能ク之レヲ知ル。失リノ字書・盗根ヲ破ルニ、盗根ノ失リ字書ヲ以テス。故ニ能ク破却スル所以ナリ。故ニ仮(かり)ニ字ヲ用ユルノミ。亦、軍(いくさ)ヲ起ス者ヲバ、軍ヲ以テ之レヲ鎮(しず)ム。是レ、軍ヲ起スハ失リナリ。軍ヲ以テ軍ヲ鎮ムルトシテ軍ヲ起スハ、又失リナリ。是レ、失リヲ、失リヲ以テ、之レヲ去ルナリ。故ニ亦、失リノ字書ヲバ、失リノ字書ヲ以テ、失リノ字書ヲ破棄ス。故ニ失リノ字ヲ仮リテ、以テ古失ヲ去ル。何(なン)ノ失リカ有ラン」。問ヒシ者、閉口(へいこう)シテサル。
 大略の意訳 全く我流ですが、明日書きます。

写真 刈り取られ、干してある稲
   横浜市旭区 大池公園にて

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