村上明夫の政治,文化情報

村上明夫の政治と文化の情報と解説をお送りします

政治と知識人(その2)

2008-05-26 22:03:34 | Weblog
 戦後、世論の形成に多くの影響力を持ったのは、知識人である。
特に「革新」的世論形成の先導力は知識人だった。
 所が、ここに多くの問題があった。
前回も、触れたが、「あるべき」論と「政策」は違う。
学者は「あるべき」論に強く、「政策」は細かな法律の積み重ね。
と、竹中平蔵氏は言う。ここは「官僚」の独壇場だ。
 自分が20年近く議員をやって、この事を痛感する。政策スタッフ
が多くの場合いないのだ。リスクをとらない「あるべき論」では勝負
にならない。「理念」と「政策」をつなげなければならない。
 「あるべき」論と、「現実の法律」をつなぐと言うと、議員は「官僚」
に頼るしかない。「官僚」もよく心得ていて、「議員」を使う。
多くの場合、議員や市民に政策スタッフはいない。
 「あるべき論」で、現実の政治を批判出来ていると思う所に「革新知識人」
の誤り、勘違いがあると思う。(毎週1回、月曜日更新予定)

知識無き政治家・政治無き知識人

2008-05-19 23:02:38 | Weblog
 5月14日「朝日」に嘉田滋賀県知事の離婚の記事が出ていた。
新聞によれば、夫が「研究者は政治にかかわるべきでない」という
意見で、「知事に出た時から、離婚を覚悟していた」という。
 「知識無き政治家、政治なき知識人」の言葉が浮かぶ。
「小泉改革」の中心だった竹中平蔵氏は「政策は小さな小さな法律
行為の繰り返しで、制度は複雑。学者は『あるべき論』には強いが、
細かな制度はほとんど知らない。全然別な世界だ。」と言う。
その通りだと思う。
 「制度設計」=「システム構築」こそ、「政策」だ。現実的で
かつ理想を実現する「政策」こそ必要だ。「理想無き政治と政策
無き理想で」では困るのだが・・・・。
 日本の政治論議のポイントだと思う。

小泉・安部・福田そして小沢

2008-05-12 10:09:02 | Weblog
 「小泉・安倍・福田」と3人の自民党の首相、そして、民主党の「小沢」
氏の4人を考えると、大体、日本の政治の輪郭が見えてくるのではないか。
「小泉」は、高度成長時代の政治(利益分配型)時代の「借金」「族議員」
「官僚」といった田中角栄型政治の改革が基本スタンスだった。
 「安倍」は、「改革」では、小泉より不徹底で、憲法など、古い「冷戦構造」
での「右傾化」の方で、一生懸命だった。
 「福田」は一番、古い自民党型で、最も「利益誘導型」政治に近い。
そして、「小沢」氏だ。今、民主党は(小沢氏は)「小泉改革の否定」古い
「族議員」「利益誘導型」の政治を目指しているかに見える。
「小泉」の壊しかけた、自民党政治の復活は民主党の手で」と言う訳だ。
だから、「小泉改革」で追われた、「亀井」氏などが、連携を深めるのだろう。
(原則、週1回、月曜日、更新めざします)