村上明夫の政治,文化情報

村上明夫の政治と文化の情報と解説をお送りします

中途半端な安倍内閣の組閣

2007-08-29 09:22:48 | Weblog
 かってこのブログで小泉内閣と古い自民党の間で「中途半端な安倍内閣」と書いたが、今度の組閣を見ても、同じ感想である。
古い自民党の体質は、「族議員」に象徴されるよう、特定の地域や業界への「利益誘導」が主要な要素を占めていた。選挙区、業界向きであった。これに対し、民主党などは、無党派に代表されるよう消費者、都市型であり「新自由主義」=市場主義であった
小泉ー竹中ラインの政治は、まさに「自民党をぶっ壊す」に代表されるよう、市場主義の徹底で、都市型であった。だから、都市部を中心に、自民党の内側では評判悪くても、無党派の支持を集めたのである。この矛盾を突いたのが今回の参院選の小沢民主党の地方重視路線だ。
 安倍首相は、一方で、小泉改革の継承者、一方で、小泉改革の修正者。結局中途半端だ。そして、両者に共に受けるものとして
偏狭なナショナリズムを打ち出している。結局中途半端だ。自民党はどこへ行くのだろうか。

民主主義=議会制民主主義+市民参加・市民間討論

2007-08-21 22:05:47 | Weblog
 今出しているメールマガジン「インキュベータ」M014にも書いたのだが、ドイツの哲学者ハバーマスが、2回路の民主主義という事を述べている。大賛成だ。選挙、投票、による代議制の議会制民主主義を一つの回路とすれば、もう一つは「市民参加」である。市民参加とは、行政のある施策に、これに関連するNPOなり市民が直接、参加する場所を作り、行政の施策に参加する。
それと同時に大事な事は、市民間の討論だと思う。何故なら、市民の間にも、NPOの間にも意見の違いだあるからだ。市民同士で、自分達の意見の相違を節度をもって議論するルールを作らねばなるまい。代議制民主主義を市民の直接民主主義で補うシステムを作らねばならないと思う。このシステムには、市民間の討議のルールや方法を具体的に組み込まねばならないと思う。この二つのシステムをどう作るかが、今後大きな課題となるだろう。

自民党の苦悩(参院選総括3)

2007-08-05 14:43:09 | Weblog
 先のブログで、参院選について触れた。ここで、「小泉政権」がいかに重要な政権であったかについて触れた。地方、「弱者」を含め、不十分ながら、一定程度配慮し、抱え込んで、ウイングを広げて来た、日本の保守勢力とこれを可能にしって来た、経済の高度成長。この条件が失われ、小泉は「新自由主義」で改革を進めて来た、「小泉ー竹中」ライン。そのむき出しの、市場主義的経済運営は、旧来の自民党的基盤を揺さぶった。その象徴が「1人区」である。小沢自民党は、ここを突いたのである。
 安倍の党内運営は、「小泉」と異なり、明らかに旧来の自民党的である。小泉の後継者で「新自由主義」か「小泉改革」の手直しか、安倍首相は、明らかに中途半端だったのである。それは、これからも尾を引く大問題である。同じ様に、「民主党」にとっても、「新自由主義」なのかどうかの大きな問題を迫っている。自民党も民主党も、深刻な問題に逢着あいているといってよい。