トーキング・マイノリティ

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震災とデマ その②

2017-03-12 21:10:19 | 仙台/宮城

その①の続き
 郭基煥氏の記事は以前にも河北新報に投稿されており、東北学院大学経済部のHPでも紹介されている。昨年3月15日付の河北には、「座標 外国籍者の選挙権 被災地から理想語ろう」というコラムを投稿している。名前から外国人なのは容易に分かったし、タイトルだけで胡散臭かったので、この記事を私は見なかった。但し、郭という姓から中国系と思っていたら、在日三世だった。
 この記事を書くにあたり、氏の名で検索したら早々「日本人をデマで侮辱する東北大学教授、郭基煥」というブログ記事がヒットした。しかも日付は今年1月16日。ここでは郭氏を東北大学教授とする誤記が見られるが、既に氏のことは取り上げられていたのだ。改めてネット情報の早さに驚かされる。

 そして件のブログ記事で初めて知ったが、郭氏は仙台市中心部で「戦争法案♯本当に止める」というデモを行っていたのだ。 2015年9月18日付SEALDs TOHOKUのツイートにも画像付きで紹介されており、氏はこんなスピーチをしていたとある。
現政権に対して国会やこの場で声をあげているのは現在の私たちだけではありません。過去や未来の人達の声です。それを聞くことができない限り彼らは政権の座にいる資格はありません
 在日三世で専門が差別論の教授なので、思想的には想像がついたが、河北に寄稿する学識者などこの手合いばかり目が付く。日本国籍を持たぬ限り何年日本に居住しても外国人に過ぎず、日本の国政に干渉する敵対的外国人など日本にいる資格はない。

 在日三世の郭が、“被災地で外国人犯罪が頻発”をデマと全否定するのは当然だろう。彼の調査を読み直すと回答者は770人に過ぎず、百万都市・仙台市民の声にしてはあまりにも少ない。ちなみに青葉区民の私の元には、質問は郵送されてこなかった。尤もされたところで、回答などしなかっただろうが。
 770人の回答者の51.6%が「被災地で外国人の犯罪があるといううわさを聞いた」と答え、そのうわさを信じた人は86.2%に上り、年齢や性別で大きな差はなかったという結果に、郭はさぞ衝撃的だったはず。外国人犯罪を「確かに見た」と答えた人は0.4%、「そうだと思われる現場を見た」は1.9%の結果を、「ごくわずか」としているが合計すれば2.3%、770人の約半数の数値からは、外国人犯罪目撃者は結構いるとなろう。
 
 紙面に載った宮城県警のウェブサイトの説明も興味深い。「2011年3月12~21日の重要犯罪は4件で、10年同期の7件と比べて多くない」とあり、これだけ見れば、確かに外国人犯罪が増えたことにはならない。だが、僅か9日間の間に重要犯罪が4件も起きていたのは驚く。ならば軽犯罪ではどうなのか?
 その頃、青森県で窃盗で逮捕された韓国人がおり、河北新報でも報じていた。このような出来事は「被災地で外国人犯罪が頻発」を印象付けることに十分だし、強盗と違い窃盗ならば重要犯罪には当たらない。夫が宮城県にボランティアに行った主婦ブロガーの記事「主人に聞いた話2」には、「(窃盗)目的で被災地をうろつく人は傍目で見ても、リュックを背負い、何かを物色する様子でそれとわかる」の一文がある。これまた郭なら匿名ブログのデマと一蹴するはず。

 昨年の熊本地震でも、被災地で外国人犯罪が頻発という“噂”が飛び交っていた。この類の話が大震災で繰り返されるは意味深い。外国人といえ欧米人ではなく隣国人を意味しているのは書くまでもないが、火の無い所に噂は立たないもの。常日頃からの行いに問題のある外国人は、世界の何処でも疎まれる。外国人犯罪件数で人口比の割に南北朝鮮人が突出しているのを、多くの日本人は知っている。敗戦直後、所謂「第三国人」らが横暴を極めたことを忘れない日本人も少なくない。
 
 メディアや在日学識者がいくら震災時のデマと強調したところで、デマという論拠が薄弱なのだ。仮に“被災地で外国人犯罪が頻発”しなかったとしても皆無という訳ではなく、外国人犯罪を目撃したという回答さえ黙殺したいようだ。ケルン大晦日集団性暴行事件がいい例だが、当局やメディアははじめ事件を隠蔽、起訴も報告も行なわれなかったように、日本でも同じことがないと言い切れるのか?まさに郭の言うようにメディアに接する時も、「疑う心構え 事前教育を」が大切だろう。
 ネットはフェイク・ニュース塗れという印象操作を繰り返すメディアだが、既存のメディア自体もフェイク・ニュースが珍しくない。昨日の河北新報15面には、河北とインターネット調査会社マクロミル(東京)による合同アンケートが載っていた。インターネット調査なので、これまた“疑う心構え”が必要かも。

 拙ブログと相互リンクしているブログ「電脳東京雑記」さんのリツイートで初めて知ったが、 昨日の産経ニュースサイトでは、「震災直後10億円寄付した台湾人・張栄発氏を忘れてはいけない」という記事がアップされていた。河北は張栄発氏の寄付を未だに報じていない。

◆関連記事:「天災と天罰
 「震災を利用する者たち

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (mami)
2017-03-15 12:37:52
更新をいつも楽しみに訪問しています。
震災とデマについてはTVでも取り上げられていたような気がします。またマスコミの刷り込みがと聞き流してしまいましたがメディアの誘導は本当に悪質ですね。

張栄発氏。私も最近ようやく知ったこの方は一代にして大財閥を築いた実業家であり、最近造船業界で話題になっている大型コンテナ船の日本企業への発注者ですね。
まじかに見るコンテナ船の大きさは手前のビルを飲み込む大きさです。それが何隻も次々に建造されていくのは圧巻です。


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Re:はじめまして (mugi)
2017-03-15 21:59:40
>mami さん、

記事をいつも読まれて頂いた上、コメントを有難うございました‼

 大震災直後は情報も遮断される上、飲料水の確保すら難しいことが多いのに、「大災害時 情報選択 冷静に」と要求するのは僭越というものです。メディアへの不信感が「デマ」を拡散させる原因にもなっています。

 ネットをしていなければ未だに張栄発氏の寄付はもちろん、名前さえ知らなかったことでしょう。全く宮城県の地元紙なのに、氏の寄付を報じない河北新報はゴミ同然です。台湾国旗さえ白旗で載せていたほどなので、この新聞の姿勢が伺えますよ。
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